化学工場のエンジニアリングで行う設計感度解析の例

物理プロジェクト

NEONEEETです。 

計算しました。結果こうなりました。

計算遊び?

この記事では、化学工場のエンジニアリングで行う設計感度解析の例を解説します。

設計感度解析

今回は化学工場で必要な設計感度解析についてです。

設計感度解析は最適設計の分野で登場します。

設計パラメータを多少変更したときに、結果がどう変わるか・どれだけ変わるかという感度を調べるという意味で扱います。

学問的には設計関数を微分して導出するイメージですが、

エンジニアリングでは複数のケースを検討するという場合にも感度解析という表現が使えます。

検討結果の提示が1つのパターンだけであっても、他の案を準備しておいて、提示後の議論をするときに代案を提示できればOKです。

それすらせず、何か1パターンの結果だけを調べたという場合、エンジアリングの説得力としては非常に怪しいものとなります。

気を付けたいですね。

圧力損失解析

圧力損失の計算は、化学工場の機械エンジニアが行う計算としてはかなり高レベルになります。

計算式は非常に単純ですが、それでも高レベルというくらい他の検討事項で行う計算は単純なものばかりです。

圧力損失の計算式は下の記事をご覧ください。

送液ポンプ

送液ポンプの圧力損失計算では、以下のパラメータが設計変数となります。

  • ポンプ流量
  • ポンプ揚程
  • 配管口径

使用流量・使用先が決まっている以上、これは設計変数にはなりません。

ポンプ流量も使用流量から変わる可能性は低いので設計変数とはなりにくいですが、場合によっては変数となります。

そのため、実際にはポンプ揚程と配管口径の最適化を行うプロセスが、送液ポンプの圧損計算となります。

ここで、1つの配管口径を選んで圧損計算をしてポンプ揚程を決めるというのが1パターンになります。

だからこそ配管口径を2~3パターン変えて計算してみることが、感度解析になってしまいます。

計算プログラムをEXCELなどで作って、配管口径を数回変えるだけ。

これだけで立派な感度解析。

これすらしないエンジニアは相当多いです。

ポンプ送液レベルなら標準流量や標準揚程の考え方を社内でルール化していて、感度解析の必要すらない場合はありえるでしょう。この場合は問題ありません。

真空ポンプ

真空ポンプだと、以下のパラメータが設計変数となります。

  • 配管口径
  • 排風量
  • 到達真空度
  • フランジ数量

真空ポンプはバッチ系化学工場でメジャーな水封式真空ポンプを想定しています。

排風量は送液ポンプの流量と同じく、事前に決まっている場合が多いです。

配管口径・到達真空度・フランジ数量が設計変数となります。

配管口径は送液ポンプの配管口径と同じ発想、到達真空度も送液ポンプのポンプ揚程と同じ発想です。

フランジ数量は少ない方がガスケットからの漏れこみ量が少なくなり、エンジニアリング段階で検討できる余地はあります。限界はありますが・・・。

1パターンだけを考えると感度解析にならないのは当然として、

フランジ数量の影響を調べないということも感度解析にはなりませんね。

フランジ数量を変えた結果が全体に影響があるかどうかは計算すれば分かること。少しの手間が視野の幅を広げます。

金額解析

圧損計算以外の計算は、単純な1つの計算式で完結する検討事項は少ないでしょう。

単純な四則計算だが計算項目が多い例として金額関係があります。

数学というよりは計数的な話ですけど、感度解析という概念自体は使えます。

投資予算

投資予算を算出するときに、1パターンだけを積算すると感度解析とはなりません。

略フローをもとに配管ルートを変えたり、配管材質を変えたり、設備の種類を変えたり・・・

といろいろなケース分けはできます。

検討項目が多いので設計変数は無限に増えていきます。

この中でインパクトのある設計変数を数個選んで検討することこそが、エンジニアリングにとって大事なこと。

変なコンピュータプログラムにこだわるよりもはるかに重要です。

エンジニアリングの基礎とも言えます。

それぞれの検討内容や環境によって、正解となりえる設計変数が変わるので、一概には言いにくいですけどね。

工事予算

工事予算も1パターンだけを検討すれば良いわけではありません。

大抵は工事資料を基に単純に積算すればいいので、感度解析はしにくいでしょうが不可能ではありません。

例えば工数・DB値などの設定。

作業環境を変えたり、配管のベベル加工など配管工数を削減したり、簡易な工法を採用したり

いくつかのパターンは存在します。

これしかない!って思考停止していると、いざという時に困ります。そんな例はあまりありませんけど^^

工事スケジュール解析

工事スケジュールの解析も感度解析が使えます。

工事時期を複数に分けた場合、必要な資器材の調達時期を変えた場合などプロジェクト全体に影響が及ぼす場合が典型例。

現地工事レベルでは、撤去工事や足場工事の順番を変えるだけで合理的になる場合もあります。

ほぼほぼ流れが決まっているので、パターン分けはしにくいですがゼロではありません。

工事担当者は1つのパターンだけを調べがちですが、そうとばかりは言えませんよ。

最後に

化学工場のエンジニアリングで行う設計感度解析の例を解説しました。

圧力損失解析・金額解析・工事スケジュール解析

何か1パターンだけを検討して問題ないと言い切れる例は少ないです。

それでも1パターンだけ提示する人は、エンジアリング的素養をもっと鍛えた方がいいでしょう。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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