【反応・混合・調整・分離】バッチ系化学工場の反応工程における化学工学上の機能

化学化学工学

NEONEEETです。

この記事は、化学工場を知りたいと思っている人を対象にしています。

この記事を読むと、化学工場の基本構成を知ることができます。

結論

バッチ系化学工場では反応を1つの単位とします。

反応には混合・調整・分離を伴います。

はじめに

化学工場は非常に分かりにくいです。

自動車工場のように流れが目に見える工場ではありません。

装置内で処理されるので目に見えません。

これが、化学工場に対する興味を失わせ、不信感すら持たせます。

化学工場がどういったものかを知ることが第一歩だと思います。

反応→調整→分離のサイクル

化学反応は、反応を単位としています。

反応をして調整・分離した後に

次の反応をして調整・分離

これを繰り返して目的物を得ます。

この基本構成はどの化学工場でも同じです。

反応

化学工場の肝は反応です。

この反応を1プラントで何個行うか、で全てが決まります。

バッチ系化学工場では、その反応数が3~4個になるのが普通。

反応数が0や1というのは極めて稀です。

バッチ系化学工場では液体と液体の混合の反応が多いです。

反応後の目的物質は液体か固体が多いです。

不純物として気体や固体が発生します。

この辺は反応条件によって本当にさまざま

混合

化学反応で混合という場合大きく2パターンに分けます。

  • 反応時に液体と液体を混ぜ合わせるという意味が1点。
  • 反応後に後処理剤を混ぜ合わせるという意味が1点。

いずれも設備的には、撹拌装置で混ぜ合わせます。

反応時は混合必須

反応時に混ぜ合わせるのは容易に想像ができると思います。

気が付きにくいのは反応後。

反応後は後処理剤と混合させて反応終了

反応は多くの場合、どこかで止めないといけません。

反応式が例えば、

A + B → C + D

であり、目的物Cを得たいとしましょう。

ここで、圧力・温度・時間などが反応の制御可能な要因となります。

面白いのが時間

時間を置いておくと、反応は勝手に進みます。

目的物Cを最大量で得ようとしたときに、時間をずっと掛ければいいプロセスもありますが、

ある時間で最大値となる場合もあります。

簡単に言うと腐ってしまう、と。

この反応をある時点で止めるために、分析を行い、分析値が合格すれば、後処理剤を入れて反応を完結させます。

後処理剤もさまざま。水という場合もあります。

調整

化学反応で調整という場合大きく2パターンに分けます。

  • 反応条件に到達するための調整
  • 反応後の後処理のための調整

反応は一定の条件で起こる

反応条件に到達するための調整は、容易に想像が付くと思います。

反応物AとBを混ぜただけですぐに反応することは、あまりありません。

化学反応を知らない人は、AとBを混ぜたら急にCが出てくる、というようなゲーム的な想像をしてしまいがちです。

これは老若男女問いません。

AとBが反応しやすい条件には意図的に調整してあげないといけません。

温度や圧力がその調整要素。

特に温度は10℃変われば反応速度が2倍変わるといわれるくらい重要です。

化学反応で怖いのは、温度を上げたら急に反応が始まったり、温度を上げなくても放置していたら勝手に反応が始まったりというように

反応の量・温度・圧力を正しく制御しないといけない点にあります。

放っておいたら駄目。

放っておいた時の被害の度合いが非常に高い。

そういう性質がやっかいです。

反応後の後処理で調整

反応が終わって後処理を行う時にも調整をします。

バッチ系化学工場では反応後に油層と水層に分かれることが多いです。

油に反応物AとBを混ぜた状態で目的物Cと不純物Dを得ます。

このDは一般に塩であり、水に溶ける可能性が高いです。

反応の終了条件に水を入れるケースが多いのは、これが理由。

水だけでなく、温度やpHを調整することで、不純物Dを効果的に取り除きます。

水と油が交じり合わないのですが、温度やpHを調整することで、

不純物Dが水に多く溶けるのか、油に多く溶けるのかが変わります。

「水と油に対してどちらに溶けやすいのか」が変わるのが化学の面白いところ。

分離

化学反応で分離という場合大きく2パターンに分けます。

  • 反応時に不純物を除去
  • 反応後に不純物を除去

反応時は気体の除去

バッチ系化学工場では反応時に除去する物は気体です。

反応をして気体が発生する場合、この気体を速やかに除去しないと、

反応装置内が高圧になり破裂します。

これはとても怖い。

反応物が液体や固体であることが多いので、気体が出ても装置の上層部から取り出せばいいので、設備的には難しくありません。

プロセス的には除去という重要な要素を含んでいます。

反応後は不純物を除去

反応後の除去は、ここまで読んでいただけた人には分かりやすいでしょうか。

水と油を分離する

これに尽きます。

反応物が油層側にあり、不純物が水層側にあれば、

水層を分離します。

一般にこれを分液という操作で行います。

反応物が水層側で、不純物が油層側の場合ももちろんあります。

これも発想は同じです。

不純物以外に溶媒である水や油そのものを取り除く工程もあります。

これを蒸留遠心分離などの方法で行います。

いずれも目的物に対して不純物を取り除く工程です。

おわりに

化学工場は何が起こっているか良く分からないといわれます。

それはその通り。

何の反応を起こしているかは、生産部の人しか分からないことが普通です。

ところが、外観を見た時に、反応を何個行っているかは想像ができます。

反応を何個行っているかという点から、色々な想像が可能です。

このあたりは別の機会に紹介します。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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