【故障ロス・計画休止ロス・歩留まりロス・エネルギーロス】生産活動におけるロスと化学工場でのロス

保全運転

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、化学工場の生産活動のロスについて知ることができます。

TPMと生産ロス

TPMでは生産活動におけるロスを徹底して無くそうという取り組みをします。

TPMの基本についてはこちらを参考にしてください。

生産活動におけるロスとして、思いつく限りを列挙しています。

  1. 故障ロス
  2. 段取り・調整ロス
  3. 刃具交換ロス
  4. 立ち上がりロス
  5. チョコ停・空転ロス
  6. 速度低下ロス
  7. 不良手直しロス
  8. 計画休止ロス
  9. 編成ロス
  10. 物流ロス
  11. 測定調整ロス
  12. 管理ロス
  13. 動作ロス
  14. 歩留まりロス
  15. エネルギーロス
  16. 治工具ロス

製造全般の表現ですので、ロスの種類は非常に多いです。

この中の赤字青字の部分が、化学工場でも該当する部分です。

今回は、化学工場で発生するロスについて解説します。

化学工場の生産ロス

故障ロス

ロスと聞いて最初に思いつくロスが故障ロス。

TPMでも最大のターゲットとしています。

設備を使う生産活動では、必ず発生し得ります。

化学工場のような装置産業では、必然的にこのウェイトが高くなります。

保全というと、この設備ロスを極小化する取り組みとも言えます。

  • 設備が故障しないようにTBMやCBMで管理する
  • BM対象の設備は壊れたら、予備品で速やかに処置する。

この考えで、設備ロスはほぼほぼ削減可能です。

立ち上がりロス

化学工場でもこのロスは必ず発生します。

連続プラントであれば、100%ロードにするまでのロスを指します。

バッチプラントでは、設備洗浄くらいしか立ち上がりロスに含まれません。

バッチ運転なので、バッチ間は設備が空の状態になっているので、運転停止の状態とほぼ同じ状態になっています。

設備というよりは配管内の液たまり部分を立ち上がりロスとして含めるかどうか、

という点で議論が分かれます。

それを言い出すと、生産前の設備洗浄だけでなく、生産後の設備洗浄も、この立ち上がりロスに含めるべきでしょう。

食品工場などではこのロスが非常に大事。

チョコ停・空転ロス

化学工場ではこのロスはほとんどありません。

チョコ停の原因は、ほぼポンプ

ポンプのラインが閉塞していて、解消するまでの時間が、チョコ停ロス

連続プラントならこれがそのままロストして聞いてきますが、

連続的に動いているラインが急に詰まるというのはレアケース。

詰まりそうなラインは並列化して、定期的に切り替えるのが普通です。

これは段取り・調整ロス側でしょう。

バッチプラントならチョコ停は起こりえますが、影響度は少ないです。

1時間程度の停止が起こっても、長期バッチ運転で取り戻しが可能です。

24時間1バッチで運転するとして、22時間くらいが実運転時間であれば、

残り2時間を12回積み重ねると24時間分をカバーできます。

バッチプラントではこの遊び時間をあえて設定しています。

速度低下ロス

これは連続プラントでは起こりえますが、バッチプラントではかなりレアケースです。

連続プラントでロードを下げる場合は、物質収支や熱収支の調整が必要で大変な作業となります。

バッチっプラントでロードを下げる場合というのは、

例えばユーティリティが故障して、間引き運転をしないといけないようなケース

24時間1バッチなら、48時間1バッチに延ばすという感じです。

不良手直しロス

これは化学プラントでも起こりえますが、レアケース。

連続プラントで、これが起これば相当の大ごとです。

バッチプラントでは、特定のバッチで失敗するケースがあります。

このロスが出ると、後処理をしないといけませんが、これが大変。

不良品を溜め込む場所が限定されますので。

廃棄物貯留タンクが都合よくあればいいですが、そういう例はほとんどありません。

それぞれ、専用のタンクとして使用するため、臨時的に発生した不良品を溜め込んで、混ざり合ってしまう方が恐ろしいです。

もともと専用として使っていたタンクが、使えなくなる可能性もあります。

とにかくリスキーな行動なので、ドラム缶などに移し替えます。

化学工場で普段パトロールをしていて、ドラム缶が急に増えれば

何か不良品が出たと思って良いでしょう。

計画休止ロス

これは製造業ならどこでもあるでしょう。

1年365日運転しているとは限りません

化学プラントなら立ち上がりロスが問題になるので、

停止するなら停止期間を正確に把握して停止します。

1日だけ止めてまた運転して、1か月後にまた1日止める。

こういう止め方はしません。

止めるなら「1か月止める」というように一定期間を確保します。

歩留まりロス

これも製造業では必ず発生します。

化学工場では「収率」という表現を使います。

これは原単位設定上も必須の概念。

収率を1%でも上げる努力を、化学工場の研究者は必死に行います。

エネルギーロス

エネルギーロスも化学工場では非常に大きいです。

化学工場は膨大な熱量を取り扱います。

膨大なスチームによる加熱・冷却水による冷却。

これらのうち、一部分は必ず無駄なエネルギーとして環境中に排出せざるを得ません。

最後に

化学工場でのロスは、他の製造業のロスに比べて種類は少ないかもしれません。

しかし、その量は非常に多いです。

種類が少ない以上、解析はしやすいですが、できる対応は限られます。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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