バッチ系化学工場の設備ユニットと組み合わせ例

工場化学機械

NEONEEETです。 

この設備追加で設置したいですね。

改造多すぎ。初めから設置できないのかな・・・

この記事では、バッチ系化学工場の設備ユニットと組み合わせ例について解説します。

バッチ系化学工場の設備ユニットと組み合わせ例

化学工場で勤めている人や工場の改造工事をしてもらう施工会社の人で、こんな疑問を持った人はいないでしょうか。

なんでこんなに改造工事が毎年毎年あるの?

こういう疑問を持ったあなたはかなりセンスがありますよ(笑)

というのもこういう疑問をもたずに、「コストをかけてやるしかない」「やったらメリットがある」というような精神論が先行しがちだからです。

ROIを計算してメリットがあるから設備投資をするのですが、その視点が短期眼すぎると思います。

設備投資のメリット判定は2~3年長くても5年先くらいしか見ていません。

10年先?その時になったら考えればいいよ。

化学工場内のマネージャーの発想はこんな感じです。

だって、数年後にはその人はそのポジションにはいませんからね。

10年先も同じ職場で仕事をする生産部やそのメンテナンスを行う機電系エンジニアだけが割を食う格好になります。

施工会社はもっと短期眼ですよね。

その月その年仕事があるならそれでいい。

最近は施工会社で働く人が少なくなったので、状況はかなり逼迫していますが、

ビジネスとしては長期的なプランが立てにくい意味で、その月やその年という1年程度の期間がターゲットになってしまいます。

設備メーカーも同じです。

安定していつも通りの仕事をしているように外部からは見えますが、実際にはかなり水ものな仕事です。

話が脱線しそうですね・・・

化学工場、特にバッチ系化学工場では頻繁に工事があります。

その工事の内容と、なぜそんな工事が起こるのかということ、を解説したいと思います。

プラントレイアウトとユニット

バッチ系化学工場のレイアウトとユニットを紹介します。

プラントを上から眺めると、一般には以下のような形状をしています。

こういう形状のプラントの特徴を言語化してみましょう。

  • 縦長の形状
  • 中央に通路がある
  • 通路を挟むように設備ユニットを配置
  • 1つの設備ユニットの四方を柱で支えるブロック構造

プラント建設時に枠は決まり、そのブロックの8~9割に設備を設置します。

各ブロックに対して改造工事を頻繁に行います。

ブロック内のメインユニットが埋まっているのに、改造工事なんてできる余裕があるの?して意味があるの?

こういう疑問を持っている人が、今回のテーマの対象です。

プラントの配置について興味がある方は、こちらの記事も見てください。

ブロックとユニットの配置関係について興味がある方は、こちらの記事を見てください。

1ユニットの構成

1ブロック内のユニットの構成例を紹介します。

今回のテーマの結論は、この構成例の組み合わせが多種多様だからこそ改造工事を頻繁に行います。

バッチ系化学工場だからユニットの構成を共通化すれば良いと思うでしょうが、そうは簡単にはいきません。

フルスペック

バッチ系化学工場のユニットのフルスペックから紹介します。

これ以上、複雑になるケースはほぼありません。

複雑ですよね・・・。

落ち着いて分解してみると、構成する設備が見えてきます。

  • 反応槽
  • ポンプ
  • 熱交換器
  • 粉体投入ホッパー

これらの設備同士をつなぎ合わせるプロセス配管や熱交換をするためのユーティリティ配管が付属します。

ポンプが2個あるのは冗長化目的ではありません

材質(ステンレス系・耐酸系)で用途を分けたり、スラリーの有無などで用途を分けたりします。

1種のマルチ対応のポンプが存在しない以上、使い分けをせざるを得ません。

粉体投入ホッパーは近年増加傾向にあります。

原料が液体ではなくて粉体であるケースが増えているからです。この辺は時代の流れ。

ユニットを初めからこの組み合わせで設置できていれば、改造工事なんてほとんど発生しません。

この組み合わせで初めから設置できないのは、イニシャルコストが掛かるから

後で使い工事をどれだけ行おうがその時に考えればいい、という発想に見えます。

現実的には資金繰りなどの問題があるのですが・・・。

ミニマムスペック

フルスペックは配管が複雑で非常に分かりにくいです。

上の例でも複雑なのに実際のP&IDにはもっと細かい情報がいっぱい載っています。

逆に今から紹介するミニマムスペックはあっさりしています。

構成設備が単純ですよね。

  • 反応槽
  • ポンプ

これだけです。

これくらいからスタートするのが基本の内容で分かりやすいでしょう。

入社したばかりのエンジニアでも、実務ではすでにある複雑なP&IDと格闘することになり、混乱しがちです。

最初は、単純な要素に分割して基本を理解するようにしたいですね。

装置数が単純なら構成する配管も単純です。

  • 反応槽に入る液の配管
  • 反応槽から出るガスの配管
  • 反応槽から出る液の配管

基本はこれだけ。この数が多いかどうかの違いだけ。

フルスペックとミニマムスペックの中間

実際の設備はこのフルスペックとミニマムスペックの中間のケースが多いです。

すなわち、

  1. 蒸留がしたいけど充填塔がない
  2. スラリーを送りたいけどポンプが適さない
  3. 粉体を投入するホッパーやタンクのノズル口径がない

こんなパターンが多いです。

複数の生産品目に対して同じような単位操作をするようにタンク繰りを設計するため、

「充填塔のあるユニットではどの生産品目でも蒸留をする」ことが可能で、1番目の問題はあまり起きません。

どちらかというと2番・3番のケース。

粉体が必要なプロセスが増えて、それに付帯する設備を導入せざるを得なくなります。

ポンプ程度なら可愛いものですが、投入ホッパーとなるとかなりの大工事になります。

これを1番の蒸留と同じで、限定されたユニットで実施したいのですが、

1~2個のユニットで粉体を投入するだけでは足りないケースが出てきています。

こうなると、蒸留塔を付けないユニットには粉体投入ホッパーを付けるくらいでちょうどいいのでは?と思っています。

蒸留塔と粉体ホッパーを分けて考えるのは、反応槽のノズルの問題

蒸留塔に接続するガスラインも、粉体ホッパーの配管も、どちらも大口径のノズルが必要になってきます。

反応槽のノズルは後で改造はできませんからね。最初が大事です。

蒸留塔と粉体ホッパーを1つの反応槽に繋げることは、実際には無理。

なお、熱交換器がステンレスであったけどカーボンに変更せざるを得なかったり、材質を変更しないといけないケースも存在します。これもポンプと同じで可愛いもの。

最後に

バッチ系化学工場の設備ユニットと組み合わせ例を解説しました。

プラントは複数のブロックから成り立ち、ブロック内のユニット構成が多種多様あります。

投資をミニマムにするために最小の構成例で作ったプラントに、設備を追加していくため工事が頻繁に行います。

長期的にメリットがあるとは思えませんが・・・。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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