【容器・ジャケット・撹拌・邪魔板】バッチ系化学工場の蒸発装置の基本構成

工場化学工学

NEONEEETです。

この記事は、化学工場を知りたいと思っている人を対象にしています。

この記事を読むと、化学工場の基本構成を知ることができます。

結論

蒸発は原液から蒸気を抜き出す操作。

バッチ系化学工場では槽型反応器を使う。

溶媒回収に大活躍

はじめに

化学工場は非常に分かりにくいです。

自動車工場のように流れが目に見える工場ではありません。

装置内で処理されるので目に見えません。

これが、化学工場に対する興味を失わせ、不信感すら持たせます。

化学工場がどういったものかを知ることが第一歩だと思います。

参考:化学工場の基本構成

蒸発はやかんと同じ

蒸発とは化学工場でも家庭でも全く同じ発想です。

家庭で蒸発というとやかんですね。

やかんに水を入れて温めていくと、水が蒸発する。

この現象を蒸発と言います。

蒸発は液体を気体に変化させる現象です。

塩水から塩を取り出す作業がこの蒸発を利用しています。

食塩水とは水の中に一定量の食塩が入っていて、水を蒸発させることで食塩を取り出します。

化学工場でもこの原理を使った操作は非常に多いです。

蒸発装置の構造

連続蒸発装置の一般表記

蒸発装置は化学工学の教科書などでは以下のような図で表現されるでしょう。

完全に連続工場の発想です。

左から原液が入っていきます。

原液とはプロセスの入口の液、原(もと)の液、という意味です。

今回は蒸発する前の液が原液。

原液が装置内に流入し、下の方に落ちていこうとします。

落ちようとする原液に対して熱交換器を通してあげて、熱を原液に加えます。

熱により蒸発した蒸気が上部から抜けていきます。

蒸気として液が抜けていき、原液は濃度が濃くなり、濃縮液として下部から排出されます。

槽型反応器と同じ

さて、バッチ工場では上記のような専門の蒸発装置はほとんど使いません。

下のような装置を使います。

これは、完全に槽型反応器と同じです。

容器内の原液が入っていて、ジャケットに加熱源を投入します。

加熱源はスチームですね。

スチームで加熱された蒸気は上部から抜けていきます。

容器内に熱交換器を持たない代わりに、ジャケットで熱交換します。

熱交換の効率は低い

当然ながら、熱交換の効率はやや低いです。

接触面積が狭かったり、撹拌を積極的にしなければいけなかったり、とデメリットはあります。

動力が必要

連続型では動力は不要ですが、バッチ型では撹拌装置を動かすための動力が必要です。

細かい部品も必要。

安定運転という点からは故障確率が高い設備です。

マルチ対応

反応だけでなく蒸発も蒸留も抽出も晶析も、すべての工程をこの槽型反応器で行おうというのがバッチ系化学工場の運転スタイルです。

だから、バッチ系化学工場ではバケモノのような反応器が至るところに設置されています。

マルチ用途に使える槽型反応器。

どんなプロセスでも対応できる槽型反応器。

素晴らしい。

というより、バッチ運転の槽型反応器に対応できるような反応プロセスを研究部門が開発してくれるから、マルチに使えるのですけどね。

単純な溶媒回収

蒸発はバッチ系化学工場では絶対に使う工程です。

その場所は溶媒回収

化学反応を効率的に進めるために必要な有機溶媒。

それは製品ができる前には取り除かないといけません。

有機溶媒の大半はこの蒸発で回収可能です。

蒸発よりもさらに効率的に回収するために蒸留という操作を行うことがあります。

蒸発というか単蒸留という方が正しいのですが、おこなっていることはどちらも同じです。

バッチ系化学工場では単蒸留という方が多いかもしれません。

おわりに

化学工場では反応以外にいろいろな処置を行いますが、そのほぼ全てを槽型反応器を使って行います。

蒸発という名前なのか単蒸留という名前なのか、業界や会社によって変わると思いますが、やっていることは同じです。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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