【不確定要素の絞り込み】配管設計における調整代の考え方

図面配管

NEONEEETです。

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、化学工場の配管設計における余裕代について知ることができます。

配管設計はパズル

化学プラントでは配管設計がかなりのウェイトを占めます。

それは物量・必要な時間のどちらも設備プロジェクトでは、大きなウェイトです。

金額的には微妙です。

設備の方が金額が掛かるケースもあります。

さて、その配管設計。

基本的な思考はパズルです。

パズルというのはピースを組み合わせていくもの。

配管設計も、決まったピースを当てはめていく作業が最初にあります。

ところが、最後に絶対に決まらない箇所があります。

これをどういう考え方で、どこに設定するか

それを言語化している資料は意外とありません。

配管設計屋さんが、頭の中で考えていることを、図と言語で表現してみます。

調整代の決め方

下の図のような配管を考えます。

これは両端に設備があり、そこに配管を通す例です。

設備間の距離は1,000mm

当然ながら、設備の中心同士の距離です。

この配管設計を順番に見ていきましょう。

ステップ① 設備の大きさ

まずは、配管設計の前に絶対的に決まるであろう数値を落とし込みます。

それが設備の大きさ

今回は、設備の取合フランジの寸法を、中心から150mmとして考えます。

これを図面に記載しましょう。

ステップ② 配管継手の大きさ

次に配管ルートが決まっている以上、確実に決まる配管継手の寸法を落とし込みます。

40AのSGPであるとします。

40AのSGPはロングエルボで57.2mm

合計4本エルボがあるので、合計で57.2*4=228.8mmです。

ここまでは、配管設計屋が変更できない数値です。

ステップ③ フランジ・継手接続

ここから先は、配管設計屋の見せ所。

あまり変えたくない場所を決めていきます。

今回の例では、フランジ接続部やエルボ-エルボ部の単管。

具体的には下の赤字の場所です。

この場所は変更できる余地はありますが、普通は100mm等の設定をします。

フランジ側は最悪の場合、エルボとフランジを直接溶接することも可能。

それを言い出すと、ロングエルボでなくてショートエルボを使うこともできますが。。。

エルボ-エルボ間の100mmは、配管ルートに依ります。

今回の例は、典型的な「障害物をかわすルート」

障害物の大きさによってはこの単管の長さは変わります。

今回は50A程度の配管が縦に通っていて、それをかわすことを想定しています。

100mmの余裕を設けるのは普通のこと。

ステップ④ 許容したくない長さを規定

ここまで決まると、実は決められる配管は2か所に限定されます。

パズルの組み合わせだけでここまで絞り込みができます。

この2か所の配管はどちらを優先してもいいような、曖昧な条件だったとしましょう。

配管長さが長い部分の方が調整がしやすいので、短い側を決めてしまいます。

70mmで決めます。

先ほどの100mmよりも短いですが、これは加工できる範囲です。

ここまで決まると、残り1本の配管が決まります。

これは95.2mmとなるでしょう。

1000-(150*2)-(100*3)-(114.4*2)-70 = 101.2

となるはずですが、なぜか95.2mm

これは3mmのガスケットを2枚挟むことを想定しています。

図面上はこの95.2mmの数字は書かないのが普通。

寸法の書いてある部分はできるだけ遵守し、書いていない部分は調整代

とするのが図面の書き方の基本です。

不確定要素はいっぱいある

ここまで、配管図を書くと、現地工事に向かいます。

現地工事では配管図とズレることが多いです。

さて、今回の例でズレる要因とは何でしょうか?

2つあります。

  • 設備同士の寸法
  • 設備の寸法

設備同士が1000mmの距離として決まっているように見えますが、

これがmmのオーダーで精度が出ていることはありません。

土木建築の精度・設備据付の精度で数mmはズレます。

設備そのものの寸法もズレがあります。

これは設備製作の許容差として定められています。

こちらも数mmのオーターです。

  • 銅そのものの誤差(真円度・径)
  • フランジの取付角度
  • フランジノズルの長さ誤差

色々な誤差があります。

そのため、最初の仮定である1,000mmというのが、実は誤差だらけというのが実際です。

このため、誤差を吸収する部分が必要です。

今回の不確定要素として10mmくらいの差がありそうなので、95.2mmの長さが、85.2mm~105.2mmの範囲で変わる可能性があるということです。

最後に

配管設計は、機器図面と同じく図面の見方を理解していないと議論できません。

配管図という特殊な図面出なく、機械一般の図面そのものです。

機械屋なら図面の見方は習得してください。

学校の教育で数時間のコースです。難しくありません。

ところが、それができていない若手機電系設計者・プラントエンジニアが増えています。

ユーザーの機電系設計者・プラントエンジニアだけでなく、CADを使っている化学工場の設備メーカーでも同じです。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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