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化学会社の機電系ジョブローテーションは難しい

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ジョブローテーションは色々な会社で実施されています。

私が入社するくらいまでは、あまり情報も出回っていませんでしたが、今ではいっぱいの情報が世の中に公開されているので、入社前にしっかり考えている方も多いでしょう。

化学会社に機電系エンジニアとして入社する時には、この辺りをあまり考えていませんでした。

製造業でその業界に対してレア系の職種の場合のジョブローテーションがどういうものか、1つの実態として解説します。

向く人・向かない人が分かれるでしょう。

ジョブローテーションはほとんどない

化学会社の機電系エンジニアは、ジョブローテーションがほとんどありません。

志望する場合には、この事実をしっかり認識しておきましょう。

関わる部署が少ない

化学会社の機電系エンジニアの仕事は、会社単位で考えると実は相当狭いです。

製造課・購買・協力会社と密接に関わっているように見えて、関わる人数としても部署としても多くありません。

逆に言うと、その他の部署では社内の各部署と多くの関わりがあります。

ジョブローテーションの目的の1つとしての「従業員の視野を広げる」という目的が、関わる部署の少なさから上手く機能しないのが、化学会社の機電系エンジニアです。

専門性が高すぎる

化学会社の機電系エンジニアは、専門性が高すぎることが1つのネックになります。

専門性が高い = その仕事をずっとできる = 安定

こういうロジックで考えがちです。

確かに正しいのですが、逆に言うと他の職種と壁があることを意味します。

機械設備関係なら、現場で運転していたオペレータやプロセスエンジニアでもハードルは低めです。

ところが計装・電気くらいになると、それなりのバックグラウンドが求められます。

土建になると専門性の固まりで、他の職種がフォローできる環境にありません。

一方で、化学系であれば化工系でも合成系でもかなりの幅があります。

属人性の排除・機能の分割がしっかりできていて、ジョブローテーションもしやすいです。

担当プラントが変わるだけ

化学会社の機電系エンジニアがローテーションをする場合、最もよくある例は、担当プラントの変更です。

引っ越しを伴う場合もありますが、化学系に比べれば少し少なめです。

担当プラントの変更は、最初の数回は新鮮味があるでしょう。

しかし、数回経験すれば分かります。

どのプラントも同じ。何かしらの問題を抱えている。

この事実に気が付くと、ジョブローテーションが苦痛になるでしょう。

若い時なら僻地なのか都会の近くなのかという勤務地の差があり、年を取ってくると家族の問題で移動距離が短い場所を選びたくなってきます。

ジョブローテーションをしなくても良いや、という思考になってきます。

孤立化しやすい

化学会社の機電系エンジニアは孤立しやすいです。

ジョブローテーションが少なく、関わる部署が少ないがゆえに、社内で認知されにくい仕事です。

やって当たり前。トラブルが起きたときに対応できないと無能扱い。

露骨にこの態度を示す人は少なくなりましたが、頭の中ではこう思っているでしょう。

機電系エンジニアに何かを質問しても、責められていると感じて守りに入る回答が非常に多いです。

これが、コミュニケーションをさらに阻害させるでしょう。

専門スキルと相まって、自分たちでしかできない仕事の枠を作ってしまい、その枠を徐々に小さくして守りを固めていきます。

コミュニケーションがどんどん取れなくなっていきます。

他部署から見ると、機電系エンジニアの職場は別会社と思われるようになります。

この孤立化した人たちを、別部署が必要としないのは、言うまでもないでしょう。

他の化学系の部署から異動してもらう方が、即戦力になりますからね。

昇進が止まる

ジョブローテーションが少ない機電系エンジニアは、昇進が止まりやすいです。

というのも、部長やそれ以上のポジションになろうとすると、カバー範囲の広さを求められます。

大きな組織になると、ジョブローテーションでカバーできる範囲にも限界があるので、もともとの範囲が広い化学系の方が昇進が有利になります。

機電系エンジニアの場合、部長以上に上がるのは非常に難しいでしょう。(ゼロとは言っていません。割合の問題です。)

昇進が会社生活の絶対条件ではありませんが、長い間主任や課長を続けないといけない事実は、徐々に効いてきます。

同じ年に入社したはずなのに、なぜこんなに差があるのだろう

入社したときには全く気にしていなくても、10年も経てばこの考え方が出てきます。

50歳を越えればモチベーションも下がりっぱなしになり、典型的な窓際になります。

ここで割り切れるかどうかは、1つのポイントです。

異動先が少ないので、子会社への出向なども少なく、ずっと親会社(もしくはそこに近い位置)に居れる可能性は高めですね。

嫌になったら転職すればいいと思うかも知れませんが、大手化学会社の課長クラスになれば、給料面だけ見れば他に良い行先ってあまりないと思います。

こういう人におススメ

化学会社の機電系エンジニアはジョブローテーションが少なめです。

入社を考えている人は、以下の要素が当てはまるかチェックしてみましょう。

当てはまる数が多いほど、おススメです。

  • 同じ場所で働き続けたい
  • 同じ仕事をずっと続けたい
  • 仕事で関わる人は限定したい
  • 昇進したいと思わない
  • その組織や工場全体を良くしようという気はない
  • 何だったら別会社に分離しても構わない
  • 就職活動を楽にしたい
  • 競争相手が少ない方が良い

否定的な表現も見られますが、基本的にはオイシイ職種だと思っています。

年を取れば取るほど効いてくる、スルメみたいな仕事でしょう。

参考

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最後に

化学会社の機電系エンジニアはジョブローテーションが難しいです。

関わる部署が少なく、専門性が高すぎるため、担当プラントの変更程度のローテーションしかありません。

結果、孤立化しやすく、昇進も一定ラインで止まりやすいです。

それでも就職はしやすいですし、専門性は高くなるので、その会社が残っている限りはずっと居続けれる可能性は高いでしょう。

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