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見積

予算のコスト意識が無いとこういう考え方になる

コスト意識 見積
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化学プラントの機電系エンジニアは、会社から一定の予算をもらって、設備投資を担当します。

高額の設備に対する設計をして購入をして工事をする。

この繰り返しだけを行っていると、感覚がバグってしまいます。

考え方が固まってしまい、その部署でなければ通用しない論理構成を繰り返していくうちに、社内でも浮いてしまうようになります。

10年も経てばこうなるので、早い人では30代前半~中盤にはこの状態になります。

私の周りでもそれなりに例がありますので、紹介しようと思います。

与えられた予算を使い切る

予算は与えられたら使うもの。

この考え方は決して間違ってはいません。ここには理由があります。

予算化を行うためには、機電系エンジニア目線ではかなり叩かれているように見えます。

  • 予算着工までにとにかく削減案を求められる
  • プラントの長期安定化のための投資ができない
  • そもそも予算申請会議に参加できない

こういう環境に居ると、与えられた数字になるように予算案を練ることが最大の使命となってしまいます。

設備内容や配管ルートなどを考えるにも限界があり、一定の削減効果まで出し切ってしまうと、それ以上は考えられなくなります。しかし、外部からはそれがデフォルトだと認識されてしまいます。

デフォルト状態が徐々に削減方向に向かい、これ以上はどうしようもなくなる。

こうして思考が硬直化していしまいます。

実はほかにできることがあったとしても、思いつかなかったり相談しなかったりして、一定の額以上の努力をしようとしなくなります。

予算を越えなければそれ以上の努力しない

もらった予算は自分たちの管理範囲で、周りから束縛されたくないという想いを持ってしまいます。

これが、予算を余らせるという努力をさせなくなってしまいます。

もらった予算は手放さない

予算化叩かれ叩かれるほど、もらった予算は手放さないという思考になります。

例えば、1,000万円の予算が降りた場合、1,000万円を越えないように努力します。

結果的に980万円くらいで工事が終わりそうであれば、それで十分だろうと思ってしまいます。

ところが設計段階でしっかり考えれば900万円になる可能性が見えていました。

それでも980万円で終わるなら予算内だから十分だろう、と900万円の可能性を潰してしまいます。

これがコスト意識として明確に現れます。

工場全体を見れる人は実はいない

予算とその運用方法は会社によって違いますが、余った金額は別の投資にある程度自由に割り当てができる場合、予算を余らせることは大きな意味があります。

予算化の段階で、プラント全体で必要な投資を俯瞰して優先順位を決めるということはできていないでしょう。

ここだけは何とかしないとまずい。

これくらいの緊急度が高い部分にだけ着目してしまいます。

その周りには小さな金額でも効果のある投資がいっぱいあったとしても、目を向けません。

一度もらった予算で余った部分は、そういう小金で出来る対応に投資できる可能性があります。

その重要性は工場全体では把握しにくく、機電系エンジニアの方が知っている部分があります。

そこに投資したら機電系エンジニア自身が楽になるかも知れないのに、放棄。

結果的に周りの部署からは、何も努力しようとしない、と思われてしまいます。

見積を甘めに、実務は思考停止

物価の高騰化のために、予算を余らせようとしても足りないという事情の方が強く出てしまいます。

この状況が続くと、見積を甘めにしようという思考が出てしまいます。

とにかくお金を確保したうえで、実行段階で努力して金額を削減したい。

この思いであれば、反対する人はいません。

しかし実際には、甘めの見積で予算化してもお金が足りない、という結果になりがち。

  • 甘めの見積をしたときの前提条件を1つでも説明できない
  • 予算が足りなくなった理由を1つでも説明できない
  • 高騰した費用の内訳を1つでも説明できない

こんな感じで、予算管理に対する責任を1つずつ放棄していき、コストセンターとなっていきます。

実行段階で努力しようとせず、時間がないから見積段階の仕様で発注という感じになっていきます。

時間が無いというのは色々な理由があり、設計者の技能不足・製造課などとの調整部職・無駄な時間の使い方・・・などです。

エンジニアにとってこういうマネジメント力はとても大事です。

小さなプロジェクトほど注意

予算に対する意識は大きな建設プロジェクトよりは、小さなプロジェクトの方が遥かに大事です。

大きなプロジェクトだとアサインされる人も多く、予算管理を専門で実施する人も居ます。都度報告も求められるでしょう。

しかし、小さなプロジェクトでは担当者任せ。

コスト意識のないエンジニアが、もらった予算を使い切り、工場全体で必要な投資が十分にカバーできない。

長期間予算が割り当てらない部分がどんどん目立っていき、予算が膨れ上がってしまう。

こういう結果になっていきます。

コスト意識を持たないと、プラントの長期運営・保全に大きな影響が出てしまいます。機電系エンジニアにとってコスト意識は重要です。

参考

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最後に

化学プラントの機電系エンジニアにとって予算のコスト意識はとても重要です。

コスト意識が足りないと、与えられた予算を使い切ろうとしたり、予算削減の努力をしようとしなく名足、見積精度を甘めにして結果の解析をしなくなってしまいます。

結果的に、コスト意識がない部署として冷たい目で見られてしまいます。

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