PR
キャリア

社員の1日|化学プラント技術系エンジニアの典型例

生産技術時間の使い方 キャリア
記事内に広告が含まれています。This article contains advertisements.

仕事において1日の流れ的な時間の使い方(time schedule)は興味がある人も多いでしょう。

私が経験した機電系エンジニアや製造部の管理者と、そこに関連する設備保全エンジニアや運転員の時間の使い方を紹介します。

時間的拘束が結構強く、電話での突発対応もそれなりにあります。

自分の時間が取りにくい環境。

辛い人には辛いと感じるでしょう。

設備設備設計エンジニアの1日(time schedule)

設備設備設計エンジニアの1日を紹介しましょう。

一定のレベルになれば化学プラントのエンジニアとしては極めて自由な仕事の仕方が可能です。

1年間の流れ

設備設計の仕事では1年の間に各フェーズに分かれますが、事務所や現場のどこにいる時間が長いかという視点に立てば安定して事務所に居ます。

予算見積 → 着工 → 設計 → 設備発注 → 配管図作成 

というフェーズが進んでいっても「設計」というカテゴリーの中にあることは変わりありません。

現場に行こうと思えば毎日でも現場に行けますし、行きたくなければ行かなくても何とかなってしまいます。

それくらい自由です。

  • 机の上で設計書や仕様書の作成
  • 図面屋と配管図などの資料検討
  • 机の上で図面チェック
  • 各種資料の作成

これらの図書に関する検討が中心の業務なので事務所で可能ですね!

頑張ればテレワークでもある程度はできます。

1日の流れ

設備設備設計エンジニアの1日の流れを紹介しましょう。

9時から18時までが定時の場合、以下のようなスケジュールが一般的です。

  • 08時30分~09時00分 出勤
  • 09時00分~12時00分 事務所で設計
  • 12時00分~13時00分 昼食
  • 13時00分~18時00分 事務所で設計

「事務所で設計」というざっくりした時間が多いです。

この時間内に事務所や現場で会議が入ってきます。

下手をしたら「事務所での設計時間」がすべて会議ということも ^ ^

大抵の場合は1日に1時間もあればいいくらいです。休み時間と思いましょう。

設備設備保全エンジニアの1日(time schedule)

設備設備保全エンジニアの流れを紹介しましょう。

設備設計エンジニアとは勝手が違います。

1年間の流れ

設備保全の時間の使い方は、SDM前後で大きく変わります。

簡単に言うと

  • 予算取り 暇
  • SDM準備 SDM前の3~4か月。SDM準備で忙しい
  • SDM   1~2か月。現場指揮で非常に忙しい
  • SDM後   立ち上げでやや忙しい

という状態です。

SDMの準備+SDMの期間が保全の勝負所。時間にして4~6か月くらい

プラントの構成やSDMのタイミングなどで左右される部分はあります。

大きなプラントであるほどSDMの分散化ができるので、仕事のピークは均一化される方向です。

1日の流れ

設備保全エンジニアの1日の流れを簡単に紹介しましょう。

SDMがない時ある時で結構変わります。

SDMがない時

SDMがない時は、設備設計とほぼ同じです。事務所での仕事がほとんどです。

設備設計との違いは、日常工事の受付

  • 08時30分~09時00分 出勤
  • 09時00分~10時00分 工事受付・現場確認
  • 10時00分~12時00分 事務所で業務
  • 12時00分~13時00分 昼食
  • 13時00分~15時00分 事務所で業務
  • 15時00分~16時00分 工事連絡会
  • 16時00分~18時00分 事務所で業務・工事終了確認

工事連絡会などと称して日々の工事の受付終了を現場近くの会議室などで行います。

このタイミングで現場パトロールも行います。

この時間が決まりきった拘束時間となります。

SDM間近になると仕様書作成などの事務仕事が増えるので残業が発生しやすいです。

本当はSDM終了後の落ち着いた時に処理が進めればいいのですが、そう綺麗に進めれる人ばかりではないでしょう・・・。

SDMがある時

SDMに入ると制約時間がかなり厳しくなります。

  • 08時30分~09時00分 出勤
  • 09時00分~10時00分 工事受付・現場確認
  • 10時00分~11時00分 事務所で業務
  • 11時00分~12時00分 現場パトロール
  • 12時00分~13時00分 昼食
  • 13時00分~14時30分 事務所で業務
  • 14時30分~15時00分 現場確認
  • 15時00分~15時30分 工事連絡会
  • 15時30分~16時00分 現場での質疑応答
  • 16時00分~18時00分 事務所で業務・工事終了確認

SDMになると工事監督者との打ち合わせが非常に多いです。

現場で打ち合わせすることも多いでしょう。

その時間がほぼ毎日固定時間として割かれます。

工事は日々環境が変わっていくので、毎日現場をパトロールしてその変化を確認していかないといけません。

パトロールに割く時間が増えてしまいます。

製造部管理者の1日(time schedule)

機電系エンジニアと同じように製造部の流れも見ていきましょう。

製造部の人間が忙しいように見えますが、実は機電系エンジニアはそれに近い位置づけにあることに気づくでしょう。

1年間の流れ

製造部管理者は設備設計設備保全の合成形と言えます。

管理業務が異常に多くなる分だけ、時間的拘束が多くて残業時間も長くなります。

製造部ではプラントの運転が中心なので、「運転」「SDM」「休止」の3つくらいの段階に分かれます。

とはいえ管理者としては時間の使い方には大きな変化がありません。

この辺は設備設計に近いです。

各種の監査・工事のパトロールなど定期的なイベントが発生して時間的な拘束が出る点は設備保全に近いです。

1日の流れ

  • 08時00分~08時30分 出勤
  • 08時30分~09時00分 引継に参加
  • 09時00分~09時05分 ミーティング
  • 09時05分~10時00分 現場パトロール
  • 10時00分~12時00分 事務所で作業
  • 12時00分~13時00分 昼食
  • 13時00分~15時00分 事務所で作業
  • 15時00分~16時00分 工事連絡会
  • 16時00分~16時30分 現場パトロール
  • 16時30分~17時00分 引継に参加
  • 17時00分~17時05分 ミーティング
  • 17時05分~18時00分 事務所で作業

製造部の管理者は交代勤務の引継ぎに参加します。

これが拘束時間。

その前後に、現場をパトロールします。

その間を縫うように、間接部門との連絡・依頼・調整をしないといけません。

自分がじっくり検討する時間なんて取れず、実情把握と調整する日々の積み重ねで1年がてきます。

製造部運転員の1日(time schedule)

製造部運転員の1日は「運転」「SDM」の2つに分類ができます。

1年間の流れ

製造部の運転員は「運転」「SDM」に分類できるので、1年の流れは生産計画に依存します。

ケースバイケースですね。

1日の流れ

「運転」「SDM」それぞれで1日の流れを見ていきましょう。

運転時

運転時は極めてシンプルです。

  • 09時00分~17時00分 第一勤務
  • 17時00分~01時00分 第二勤務
  • 01時00分~09時00分 第三勤務

こういう3交代制だったとしましょう。

第一勤務についてのみ確認します。

  • 08時00分~08時30分 出勤
  • 08時30分~09時00分 引継ぎ・準備
  • 09時00分~09時05分 ミーティング
  • 09時05分~17時00分 運転

勤務の1時間前くらいに出勤して準備をし、

引継ぎが完了したらずっと運転

休憩と食事は時間を見て交代で取る。これが全てです。

プラントの自動化や、固体原料の取扱の多さによって作業負荷は変わります

どこに配属されるかは、運の世界。

同じ敷地内でも、かなり差があります。

SDM時

SDMは常時昼勤者と同じような時間帯になるでしょう。

とはいえ、基本は運転時と同じです。

  • 08時00分~08時30分 出勤
  • 08時30分~09時00分 引継ぎ・準備
  • 09時00分~09時05分 ミーティング
  • 09時05分~12時00分 作業
  • 12時00分~13時00分 食事
  • 13時00分~17時00分 作業

作業内容は基本的に「自主点検」や「工事の立会」です。

反応装置の内部確認、遮断板の抜き差し、バルブ・ストレーナ・フレームアレスタの点検、調整弁・自動弁の作動確認…

日々点検内容が変わりますが点検です。保全に依頼しない点検なので「自主点検」です。

点検だけだと時間的に余るので「工事の立会」をすることが多いです。

工事会社の作業員が、現場で勝手に火花を飛ばしていいのか、開けてはいけないバルブを開けてしまわないか・・・

こういう監視のために作業員を使います。

運転」時よりも現場に居る時間が長いのが「SDM」でしょう。

会議とパトロール

機電系エンジニアも製造部も会議やパトロールに時間を取られています。

日本の会社で悪者にされがちですよね。

会議はともかく、パトロールは価値が低いのは同意します。

会議は必要なものもあるので何とも言い難いです。

会議が必要なのは「言語化できる人が少ない」から。

  • メールなどで文章で送って意見を集めれば済む話でも、直接口で話さないと理解できない
  • そもそも文章を見たくない
  • 法律的な部分で対面が推奨されている
  • 上司部下間の進捗会議

担当者ベースではこんなケースが多いからです。

経営層クラスになると議論すべきことの量や質が膨大になるので、口頭で議論する方が速かったりします。

安全会議などの定期的な対面会議が推奨されている行事もあります。

組織が大きくなるほど会議に取られる時間は増えていきます。

進捗会議のような無意味な時間は極小化したいです。

エンジニアリング的には進捗会議のゼロ化が大きな課題になるでしょう。

言語化能力が備わっていない人から、進捗を聞き出さないといけないですからね…。

電話での呼び出し

機電系エンジニアは、製造部や工事会社と電話での呼び出しの頻度が結構あります。

平均して1日に2~3回はやりとりしています。

内容は結構どうでもいいことだったりしますが・・・

メールなどのコミュニケーションがとりにくい人や環境なので仕方がないかも知れませんね。

工場内で常時使えるスマホがあって、スマホに必要な情報を難なく入力できるスキルが必要ですから。

建設業という括りで見てみるとかなりの制約条件ですよ。

でも電話が基本という思考が強すぎて、相手の事情を無視した電話をする癖は非常に強いです。

工事会社の中には設備保全エンジニアは暇だと思っている人すらいます。

現場の管理や記録を取らない工事会社に対して、必要なタイミングで設備保全エンジニアが撮影するから連絡するようにと指示したら

工事会社の好きなタイミングで電話連絡があり、設備保全エンジニアは会議中。

そこで工事会社が「来ないのだったら先に進めますよ」なんて言ったりします。

これを積み重ねると十分にブラック。

お互いのことを思いやるというのが意外と難しいのでしょうね。

若手からの報連相

若手からの報連相にも拘束時間的な要素はあります。

  • いつ相談があるか分からない
  • どれだけの時間を掛ければ解決するか分からない
  • 説明が分からなくて現場に行かないといけない

若手に対する不満は言いたくないものの、程度の問題はあります。

5~10分の相談を予定時間を設定してくれるのであれば、いくらでもウェルカムですが・・・。

忙しい時に限って声が掛かり、良く分からない説明で時間が浪費され、質問したら5~10分経っても考え込んで回答しない。気が付いたら1~2時間。

こんな例が増えているからです。

時間を掛ければかけるほどパワハラ的な側面が出ます。

教育的要素を持たせつつパワハラを回避しつつ時間も絞るというテクニックが上司には要求されます。

答えばかりを言うと時間は短いけど自分で考える癖が付きませんからね・・・。

細かい時間

会議やパトロールほどではありませんが、細かな拘束時間は結構あります。

  • 電話の取次ぎ
  • 掃除
  • メーカーとのあいさつ
  • 現場での微細な打ち合わせ
  • 無駄の多いハンコリレー

PBXを使った電話の取次ぎは結構嫌なものです。

集中力を削がれます。

1日に10件くらい電話を取れば、合計で30分くらいのロスは出ていると思います。

掃除も意外と時間が掛かります。

1週間~2週間で10分~20分くらいの時間ですが、嫌な時はあります。

メーカーとのあいさつも電話の取次ぎと同じで集中力を削がれます。

時間指定などの予約をする会社ならまだいいのですが、ノーアポは困ります。

昔の小学生が友達の家に行って「○○君~あ~そ~ぼ~」って言っているのとは違うのですから。

相手が忙しいかどうかくらい考えるのが社会人として最低限のマナーだと思いますよ。

機電系エンジニアだと無駄に多い現場打合せも問題です。

言語化能力が低い人に合わせるためには現場で対応せざるを得ません。

一定レベル以上の人の打合せは現場の内容を事務所で議論できたりします。

これができる人は非常に限定的なので、現場で打ち合わせしないといけないでしょう。

それが議題として大したことがなく1分で解決する課題であっても、10分かけて移動します。

紙が大好きなJTCでは多くの書類に捺印をしないといけないでしょう。

ハンコの意味がないということすら考えず、電子化も限定的。

毎月の決まった日には出勤を強制するなんて仕事すらあります。ここまでくると狂気を感じます。

残業が多い理由

36協定など残業に関する規制が厳しくなっても、なかなか残業は減りません。

これを機電系エンジニア目線で考えると、以下の要素が残業に拍車を掛けています。

  • 教育
  • 電話での突発対応
  • 現場確認

1日の予定を組もうと思っても、これらの未確定要素の影響が強い傾向にあります。

若手の残業時間を増やせないから、ベテラン層が自分で仕事を持って残業する。

というケースが増えています。私もその1人。

1人に押し付けて過剰残業させるのは当然ダメですが、個々人が残業を減らすための意識をしないと全体が足の引っ張り合いをすることになります。

この辺は当事者ではなくて全体が見えている管理者が舵取りしないといけないでしょうね・・・。

関連記事

さらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

最後に

化学プラントの機電系エンジニアの時間の使い方をまとめました。

運転とSDMで時間の使い方が分かれやすく、現場パトロールなどの時間的拘束が付きもの。

そこに予定外の突発業務が発生するので、1日の予定が組みにくく残業が発生しやすいです。

化学プラントの設計・保全・運転などの悩みや疑問・質問などご自由にコメント欄に投稿してください。(コメント欄はこの記事の最下部です。)

*いただいたコメント全て拝見し、真剣に回答させていただきます。