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プロジェクト

化学プラント内での建設プロジェクト体制の実態

プロジェクト管理体制 プロジェクト
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化学プラントの建設工事ではプロジェクト管理体制を敷きます。

ゼネコンへの発注による一括工事であろうが、バラコンでの工事であろうが、基本は同じです。

化学プラントとしては建設工事は所詮プロジェクトで一過性のもの。

専用の部署を割り当てるのではなく、今ある組織の中からプロジェクトに人を割り当てる形で、かなりの部分が兼務とならざるを得ないです。

専任の部署を作っている場合は、建設プロジェクトを定期的に行っている投資に積極的な組織であることが伺えるでしょう。

プロジェクト関係の用語は横文字が多く、一般的な組織としては教科書に載っていますが、それが自分の周りの組織名に割り当てると身近に感じられるものでしょう。

ユーザーエンジニアの立場として、考えてみました。

体制

ユーザーエンジニアを含むオーナー側のプロジェクト体制の一例を紹介します。

PM体制

表現は多少違いがあっても、構成はほぼ似ているでしょう。

横文字だと実態がつかみにくくて、私は好きではありません。

やっぱり日本語で考えたいですね。

個別の役職・組織について、考えていきます。

プロジェクトマネージャー:事業部長

プロジェクトマネージャーはプロジェクトの責任者です。

会社的にはそのプロジェクトにGOサインを出す決裁者の位置づけになり、本社など事業を統括する事業部長が担当することになります。

超偉い人です。雲の上の人です。

機械系などのオーナーエンジニアが接触する機会は、普通はないでしょう。

実はこの辺りのことを意識しているエンジニアは多くは無く、工場内の製造部長だろうとか甘く考えている人が結構いて驚きます。

というのも、生産技術系のエンジニアが直接関わるのは製造部だけという場合が多いですからね。

プロジェクトマネージャーは、プロジェクト中はほとんど関与することなく定期報告を受けるだけで、フェーズごとの会議で決済する立場です。

サイトマネージャー:工場長(もしくは相当者)

サイトマネージャーは工場長やそれに相当する人が担当します。

建設現場の総括責任者です。

サイトというから建設をする工場全体のこと。

まさに建設をするプラントそのもの、その手前の更地の部分を指すわけではありません。

もちろん、工場全体をゼロから建設する場合は、近くにプレハブを建ててそこで執務することになりますが、一般的にはすでにある工場本館で執務します。

サイトマネージャーはそこの一番偉い人ですね。

サイト全体の管理者であって、プロジェクトに必要なリソースを統括管理します。

工場長ではなく他の人が代理になることもありますが、No2,3くらいまでの相当の偉い人が担当します。

機械系などのオーナーエンジニアが接触する機会は、ほとんどないでしょう。

サイトマネージャーも、プロジェクトマネージャーと同じでプロジェクトに関与する度合いはかなり低いです。大型プロジェクトであれば、週報・月報レベルの会議に参加することもあります。

アドミニストレーションマネージャー:総務部長

アドミニストレーションマネージャーは、契約・人事・労務などのキーワードと結びつきます。

総務ですね。

輸送・調達・資金など予算に関連する仕事も担当することになりますが、予算が着工してしまえば担当する仕事は基本的にありません。

そして予算の着工までの業務は、経理の担当となります。

総務と経理が同じ部署を想定していますが、総務部と経理部が違う場合には経理のポジションが1つ加わるでしょう。

いずれにしても、よほどのことが無い限りプロジェクトに参画する機会はありません。

機械系などのオーナーエンジニアが接触する機会は、ほとんどないでしょう。サイトマネージャーと同じ程度に関わりません。

プロジェクトコントロールマネージャー:プロセス開発部長

プロジェクトコントロールマネージャーはプロジェクトの実質の管理者です。

プロセス開発を行う部の長が担当します。

というのも、FS・予算化はプロセス開発が行うのが普通で、基本設計・FEEDもこの部門が担当します。

プロジェクト実行段階では、実務的にはかなり手が空いてきていて、エンジニアが提出する資料をチェックしたり、製造に向けた手順書の作成・実原料による先行実験評価・回収廃棄の手順確立などの業務になります。

これらの仕事は基本的には特定の部署や会社に依頼して、その結果を待つという状態。

プロジェクトの実スケジュールを掌握できる部署であるので、プロジェクトコントロールマネージャーとして適切です。

機電系エンジニアが関与する機会はかなり多いです。

実務担当者レベルでは毎日のようにやり取りをしていて、マネージャーレベルでも定期進捗会で関わったりします。

実務担当者がマネージャーと関わる機会も少なくは無いでしょう。

クオリティコントロールマネージャー:品質保証部長

クオリティコントロールマネージャーは品質保証部長です。

そのままですね。

プロジェクト段階におけるクオリティコントロールは、実務としては多くはありません。

プロセス開発の特定のフェーズで、品質に関わる部分をチェックするという立場になるでしょう。

機械系エンジニアが関わる機会はほぼゼロです。

品質がちゃんと作り込まれている工場であれば、という前提が付きますが・・・。

クオリティコントロールマネージャーやその担当者と関わる機会が多いプロジェクトは、その組織にとって過剰な品質が要求されるプロジェクトで、運転開始後もたびたび問題になりえるやっかいなプロジェクトと認識しましょう。

関わらないことが一番の幸せです。

フィールドエンジニアリングマネージャー:生産技術部長

フィールとエンジニアリングマネージャーは生産技術部長です。

生産技術職である機電系エンジニアの部長ですね。

エンジニアリング図書の管理がキーワードになるので、設計者の役割です。

メーカーの設備図面や、工事資料であるP&ID・配管図・配線図などのチェックをして発行する部門の長です。

機電系エンジニアが最も関わる人でしょう。

ところで、エンジニアが部長と直接接触する機会なんてあるでしょうか?

部長に報告相談をしないといけない状況は、その中間の管理職が機能していないか担当者に任せられないということでしょう。

プロキュアメントマネージャー:購買部長

プロキュアメントマネージャは購買部長です。

これもそのまま。

エンジニアは資機材の調達のためにプロキュアメントの部門と関わる機会が多いです。

EPCをゼネコンに依頼する場合には、初期の契約段階でだけ関わるでしょう。

バラコンの場合には、個々の発注依頼で関わります。

実際には担当者とやり取りすることになって、機電系エンジニアがマネージャークラスと関わることは普通はありません。

あるとしたら、よほど揉めている案件ということになるでしょう。

コンストラクションマネージャー:工事部長

コンストラクションマネージャーは工事部長です。

生産技術部と兼務していることも多いです。

保全の責任者が担当することになりますが、設計と保全が1つの生産技術部として編成されることがあるからです。

工事コントラクターと工事現場で関わる人です。

工事現場でオーナー側の人を見かけた場合、大抵はコンストラクションに関わる人(保全者)です。一部にフィールドエンジニア(設計者)がいるでしょう。

工事と保全を分けて工事部を専任で設けている組織は、補修ではない工事が日常的に発生している可能性があります。

保全計画を立てる企画者とコントラクターとの調整者を分けていて、企画者のポジションが確立されているとも考えられますが。

参考

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最後に

プラント建設プロジェクトでのユーザー側の管理体制を紹介しました。

エンジニアレベルでは雲の上の人だらけの編成表で、自分がどこにいるのか分からなかったりします。

フィールドエンジニアやコンストラクションの担当者であることが多いでしょう。

自身の周りの組織名に当てはめて考えてみると分かりやすいですね。

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