オーナーエンジニアリングなどの中途半端規模のプロジェクトの”機器リスト”活用方法と注意点

中途半端機器リストプロジェクト

化学工場のプロジェクトで使う”機器リスト“について解説します。

久しぶりに土曜日にしっかりと仕事をしていました。

そこでプロジェクト向けの機器リストをいじっていましたが、あらためて何の目的があるか言語化しておこうと思います。

一般に機器リストというと、P&IDと同じようにプラント内の設備一覧のことで、運転・保全・設計・管理など様々な用途に使うリストを想像するでしょう。

もしくは、プラント建設レベルのような設備一式セット的なものも機器リストと呼ぶにふさわしいでしょう。

今回はそのどちらでもない、オーナーエンジニアレベルの仕事の話。

中途半端な仕事規模なので、実は省略しても問題なかったりします(表面上は・・・)。

もちろん、設備改造がある限り機器リストはあった方がいいです。

そういう中途半端機器リストの活用方法を紹介します。

中途半端”機器リスト”

中途半端機器リストという変わった表現を今回は使いますので、その意味をもう少し見ておきましょう。

化学工場のオーナーエンジニアリングでは、プラント建設ほど大きくはない中小規模の改造工事は頻繁に行われます。

例えば、フロー的には以下のようなものを多数作成するでしょう。

中途半端略フロー

建設段階で作成されたP&IDの変更する部分だけを着色して、工事範囲を限定します。

この資料を基に設備仕様・配管図・土建資料・制御資料などの各種資料を作成して工事を行います。

例えばこのP&IDの改造に対する機器リストはこんな感じのあっさりしたものになるでしょう。

設備番号状態用途型式流量揚程容量固定資産配置寸法
P-001更新T-001フィード渦巻ポンプ2m3/hr20m5.5kW1234561234400*600
P-001既設T-001フィード渦巻ポンプ1m3/hr20m3.7kW0123451234350*600

表現方法は多少違いがあるでしょうが、設備に関連する情報をリスト化するでしょう。

更新と既設とを分けるかを分けるか、表現方法はさまざま。

新プロジェクトなら既設に当たる部分がなく、一式新規ということが多いでしょう。

中途半端機器リストに特徴的な要素をまとめます。

  • 改造/撤去などの新規設備以外も対象となる
  • 取扱機器数が少ない
  • 固定資産など経理情報の要素も含まれる

中途半端機器リストは点数が少ないがゆえに、作成しなくてもなんとなく上手くいってしまうことも多いです。

補修で予備品との交換を頻繁にしていたら、リストにしている時間がもったいないくらいです。

今回は中途半端という規模なので、補修は対象外ですけど・・。

初期の全体像把握

中途半端機器リストは本来の目的であるプロジェクトの「全体像把握」に活用できます。

今回の例のように1基のポンプ程度なら気にはなりませんが、中途半端な規模になると10基以上の設備を扱います。

このクラスになるとリストによる全体像把握はしたいです。

新規なのか改造なのかも見えにくくなり、混乱のもととなります。

中途半端なプロジェクトというのはとても厄介で、一回のSDMで1つの「中途半端プロジェクト」だけを担当するというわけではなかったりします。

中途半端プロジェクトAと中途半端プロジェクトBとポンプ1基更新プロジェクトCを、SDMでまとめて工事なんて普通にあります。

この辺はWBSの管理上の問題かもしれませんが。

こんな時は、中途半端機器リストを作ってターゲットであるSDMに対してプロジェクトを横断できるようにします。

プロジェクトが細分化されればされるほど、むしろ中途半端機器リストの価値は上がっていきます。

中途半端機器リストは、着工と同時くらいに作成してとにかく全体像を把握したいですね。

抜け漏れの防止

プロジェクトの初期に設備情報をリスト化して全体像を把握しておくと、抜け漏れを防ぎやすくなります。

新規プロジェクトでも似たような性格がありますが、改造となるとその内容をまとめておくことはとても大事です。

というのも新規購入に対して注目を持つエンジニアがとても多く、改造品は納期の制約が緩いから後回しにしがちです。

そうしていると、終盤になっても工事計画を立てずに忘れていた・・・ということがあり得ます。

大きなプロジェクトでも改造部分だけはオーナーエンジニアが担当することもあるでしょうから、特に意識しておきたいです。

プロジェクトの規模によらず、細かい仕事も立派な仕事です。

○○円の規模の仕事!なんていう言葉に踊らされないようにしましょう。

進捗管理

全体像の把握ができる中途半端機器リストは、進捗管理にも使えます。

中途半端機器リストは一度に完成させることは無理です。

ちょっとずつ作り上げていくのが良いでしょう。

設備設計が終わったとき・メーカーの図面が来たとき・・・などタイミングごとに情報をアップデートしていきます。

ポンプ1基レベルなら頭の中で覚えておくこともできますが、数が多くなると難しくなります。

記憶に頼ることがないように、記録に頼りましょう。

1週間に1回くらいは自己レビューをかけて、1か月に1回くらいは上司と認識合わせをしたいですね。

オーナーエンジニアは機器リストを作りなれていないことが多いので、1週間に1回も機器リストを更新しようとしたら結構な確率で忘れ去られます

機器リストを発行することがルール化されていても、忘れていて終盤に慌てて作成して発行するという例が結構あります。

こういうことばかりしていると、機器リストが持っている本来の役割を見失ってしまいますね。

情報の共有

中途半端機器リストは、他セクションとの情報の共有にも使えます。

多くの雑多な仕事をこなすオーナーエンジニアだからこそ、まとまった情報を共有することはとても大きな価値があります。

数が多いわけではないので、紙で配布しても十分なレベルです。

もちろん電子データで共有するほうが良さそうですが。

目次的な扱い

機器リストはあくまでのプロジェクトの目次的な位置づけです。

細かく分類して表にすることはできなくはないですが、あまり効果はないでしょう。

機器ごとに書くべき項目が限定されていて、空白列が増えていきます。

その結果、大きな表の中から細かいデータを見に行かないといけなくなります。

もしくは1行に細かい項目を羅列して、行高さがバラバラになったりします。

Excelの基本的な使い方の問題のような気もしますけど。

目次的な扱いなので、汎用的な表現に留めつつ詳細は各種図面にリンクできるような仕掛けを作れると良いですね。

最後に

化学工場のオーナーエンジニアリングレベルの中途半端機器リストの活用法について解説しました。

新規プロジェクトと同じように全体像の把握・抜け漏れの防止・進捗管理・情報共有に使えます。

1つのプロジェクト当たりの数量が少なくても、種類が多く複雑になりがちなので、細かい仕事と軽視せずにしっかり仕事したいですね。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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