安全弁・減圧弁・圧力容器の設定の基本的な考え方

ボイラー化学機械

NEONEEETです。

安全弁と減圧弁は何か適当に買えばいいのでしょ。

いや、本当に勘弁してください。

この記事では、安全弁・減圧弁・圧力容器の設定の基本的な考え方を解説します。

安全弁・減圧弁・圧力容器はセットで考える

安全弁というと化学工場の主要安全装置の1つで、とても大事なバルブです。

一圧・高圧ガスが多い連続プラントなら結構真剣に考えますが、バッチプラントならこの辺はかなりルーズです。

そもそも一圧・高圧ガスに適合する装置がほとんどないですからね。

法規的には二圧該当危機が90%以上。

そんなバッチプラントだと、安全弁や減圧弁の設計を疎かにしがちです。

配管図ができて、必要な資材を購入する段階になって初めて検討を初めてどうしようもなかった。

こんなパターンが結構散見されます。

本当なら、装置の設計をしながら同時に仕様を決めに掛かるくらいでちょうどいいです。

専門のメーカーに依頼するだけですから、早めに依頼することに気が付くかどうかだけがポイントです。

そこで安全弁・減圧弁に関してメーカーと話をするうえで最低限知っておいた方がいい考え方や、対象の設備に対する保証について基本的なことをまとめました、

安全弁・減圧弁・容器の系列については以下のフローを対象にします。

0.5MPaの蒸気を0.1MPaに減圧して、容器のジャケットに供給し、安全弁は0.18MPaで作動する。

圧力の大小の差はありながら、割と典型的な例です。

安全弁

安全弁に関しては以下の3つの設定圧力の概念が存在します。

  • 吹始め圧力
  • 吹出し圧力
  • 吹止り圧力

吹始め圧力

吹始め圧力は「出口側で流体の微量な流出が検出されるときの入口圧力」のことです。

微量な漏れっていうのがまた微妙ですよね。

JISでも蒸気については吹始め圧力は既定していないので、存在そのものを忘れ去られがちです。

吹出し圧力

吹出し圧力は「弁体が大きく上昇して流体が勢いよく吹出すときの入口圧力」のことです。

安全弁が作動する圧力として認識するのは子の圧力でしょう。

設定圧力と同じ認識されますが、それは違います。

設定圧力は安全弁の圧力に関する仕様の総称として使うもの。設計上の数値ですね。

吹出し圧力はその安全弁が実際に作動するときの圧力。

吹出し圧力は設定圧力に対して許容差を持っています。

例えば、蒸気用安全弁でボイラー以外なら、許容差は±3%です。

上の例では、設定圧力と吹出し圧力は以下の関係になります。

  • 0.18MPaが設定圧力という仕様
  • 0.175~0.185MPaの範囲内で吹出し圧力を調整

吹出し圧力が設定圧力を越えることが許されない場合は、マイナス側で調整します。

0.178MPaあたりが妥当なところでしょうか。

吹止り圧力

吹止り圧力とは「安全弁が作動した後に入口圧力が下がって弁が再密閉する圧力」のことです。

吹出し圧力と同じく、個々の安全弁に対して実際に作動する圧力です。

吹出し圧力 > 吹止り圧力

という関係があってしかるべきで、(吹出し圧力)-(吹止り圧力)のことを吹下りとも言います。

(設定圧力)-(吹止り圧力)を吹下りと考える場合もありますが、ケースバイケースです。

例えば吹下り0.03MPaで、設定圧力0.180MPaだと、吹止り圧力は0.177MPaと決めれそうな気がしますよね。

上の例で、吹出し圧力を0.175MPaに設定していた場合、

吹出し圧力0.175MPa < 吹止り圧力0.177MPa

というおかしなことになります。

この場合は、設定圧力ではなくて吹出し圧力で吹下りを考えて、吹止り圧力を0.172MPaとすることで、

吹出し圧力0.175MPa > 吹止り圧力0.172MPa

となります。これなら安心ですよね^^

減圧弁

減圧弁は以下の圧力をちゃんと区別しておきましょう。

  • 設定圧力
  • 締切圧力

設定圧力

設定圧力は安全弁と同じく仕様の総称。

上のフローの例では0.10MPaが設定圧力です。

安全弁のように実際に作動している減圧圧力を指す場合は、

一次側圧力・二次側圧力というように表現を使って、二次側圧力と呼びます。

締切圧力

締切圧力は便宜上使っている表現です。

減圧弁出口で流体が全く流れがなく、一次側圧力が減圧弁に作動している時の二次側圧力のことです。

締め切った状態なら、減圧弁はオープン状態なので、(一次側圧力)=(二次側圧力)と考えがちですが、そうではありません。

この辺は、減圧弁の機構そのものの話になります^^

いずれにしろ、(一次側圧力)=(二次側圧力)とはならないことがポイント。

(一次側圧力)-(二次側圧力)のことをオフセット圧力というように呼びます。

(一次側圧力)-(二次側圧力)のことをオフセット圧力というように呼びます。

例えば、二次側圧力0.1MPaでオフセット圧力0.125MPaの場合、締切圧力は0.225MPaとなります。

ここで注意が必要です。

減圧弁で0.1MPaに下げているつもりでも、最悪0.225MPaまで上がる可能性があり、それを安全弁で0.18MPa以上にならないように制限している

これは大事なこと。

締め切った状態では減圧弁は役に立たずに、設定圧力よりもかなり上がります。

バッチ系化学工場の場合は、蒸気を使わずにバルブを閉めている期間は1日のうち一定の時間存在します。

このタイミングで安全弁が吹いてもおかしくはありません。

これは設計者・エンジニアはなかなか気が付かないですが、運転をしていると気が付きます。

容器

容器の耐圧を測る指標として、以下の指標があります。

  • 設計圧力(最高使用圧力)
  • 気密試験圧力
  • 水圧試験圧力

普通は設計圧力(最高使用圧力)に対して、安全弁や減圧弁の設定をします。

今回の例なら、

0.10MPaの蒸気を使い、0.18MPaの安全弁があるから、0.20MPaくらいの設計圧力にしよう。

と考えます。

設備本体の設計圧力を決める段階で、安全弁の作動圧力が決まっていないといけません。

安全弁や減圧弁の仕様を設備本体よりずっと後にしていると問題になるのは、ここ。

目的の減圧弁を付けようとしたら、安全弁の設定圧力が過剰になり、設備の設計圧力を越える、というケースです。

0.10MPaの減圧弁の締切圧力が0.225MPaだから、安全弁の設定圧力を0.25MPaにしたいが、設備の設計圧力は0.20MPa

という感じになりがちです。

安全弁が吹くのは減圧弁が完全に壊れた時のみで、締め切ったときにいちいち安全弁を吹かせないようにするためには、

安全弁の設定圧力 > 減圧弁の締切圧力

としなければいけません。

ところが、減圧弁の締切圧力がいくらなのか分からずに、安全弁を適当に0.18MPaで発注でしようとして、メーカーともめる。

あるあるです。

設備はそのままで安全弁や減圧弁だけを更新する場合にも、発生します。

この辺の対応は、現実的には安全弁の設定圧力を減圧弁の締切圧力以下にして、

安全弁の設定圧力 < 容器の設計圧力

を維持するようになるでしょう。

最後に

安全弁・減圧弁・圧力容器の設定の基本的な考え方を解説しました。

安全弁は吹出し圧力と吹止り圧力と設定圧力があり、減圧弁も締切圧力と設定圧力があります。

使用先の容器の設定圧力を決める段階で、安全弁や減圧弁の仕様を決めておかないといけないので、設計の順番には注意が必要ですね。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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