【初心者向け】バッチ系化学プラントの反応器の”循環”ラインの使い方 流量調整以外の方法

循環ライン使い方運転

反応器の”循環“ラインの使い方について解説します。

循環ライン自体は化学プラント以外の一般の設備でも、特に液体ラインで一般によく使います。

化学プラントでもバッチ系だとやや特殊な使い方をしています。

機電系エンジニアとしては単に循環の配管設備を構築するだけで留まりそうですが、使い方を知ると設備設計がしやすくなります。

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フロー

本記事で考えるバッチプラントの循環ラインのフローです。

循環ライン

反応器の底からポンプに向かって配管が伸びていき、ポンプから立ち上がった配管が再び反応器に戻ります。

反応器とポンプを一周繋ぐ循環ラインです。

流量調整

循環ラインの目的の1つは流量調整です。

これは連続プラントで結構あります。

流量調整

例えば300L/min流せる能力のポンプで、反応器から別の場所(例えばタンク)には50L/minという小さな流量で流したい場合を考えます。

バッチでは流量調整をポンプで行うケースはあまりありません。

自然流下で流量を調整することが多いです。

バッチで仮にポンプによる流量調整をする場合は、送りたい流量とポンプ流量が一致しないことがありえます。

今回のようにポンプの流量の方が大きい場合、「大は小を兼ねる」の発想でヨシ!としがち。

ところが300L/minのポンプで50L/minだけ送ろうとすると、ミニマムフローの制限に引っかかる場合があります。

こんな場合には、反応器に返す循環ラインにあえて250L/min分の流量を流して対応します。

ポンプ動力的には無駄ですが、ポンプを買い直すわけにもいかないという妥協案です。

循環ラインの方が圧力損失が小さくなりがちですので、制限オリフィスを付けたりして対応するのは連続プラントに多いでしょう。

サンプリング

循環ラインはサンプリング目的で使うことがあります。

反応器上部から液をサンプリングする場合もありますが、それができない場合に循環ラインからサンプリングを取ります。

反応器や循環ラインがサンプリング箇所として適しているのは、そこが均一なサンプリングができるという前提があります。

循環ラインは、ポンプによる圧力で強制循環を掛けているので、均一な状態を実現することができます。

もちろん、まさにサンプリングをするその時は、液溜まり部の液を捨ててからサンプリングします。

サンプリングをするときと液を移送するときの2つのモードが発生するので、循環ラインと移送ラインのそれぞれに自動弁を付けると操作が楽になります。

撹拌混合

循環ラインは撹拌混合目的でも使用します。

撹拌は撹拌機の方が効率的ですが、どの機器にも撹拌機を付けるという訳にもいきません。

混合目的では硫酸のように濃度調整を行ったり、溶媒・ユーティリティの温度調整やpH調整をする場合があります。

混合目的や簡単な撹拌効果を期待するだけなら、循環ラインで一定時間循環を掛けて対応します。

逆に撹拌機がある反応器で撹拌機が何かしらトラブルが起きた場合に、ポンプで強制的に循環を掛けて何とかするケースすらあり得ます。

よほどのことがなければ、とりあえず反応器には循環ラインを付けておくというくらいの思想で良いと思います。

あって損することはありません。使わなければバルブを閉じていればいいのですから。

連続運転検査

循環ラインはバッチ設備を連続運転を行うために使うことがあります。

設備と言ってもポンプのことです。

循環ラインがない場合でポンプの連続運転をしようとすると、反応器に液体を入れ続けてポンプで送り続けないといけません。

例えばポンプが健全であることを確認するために、連続運転をして温度上昇を確認したいとしましょう。

長ければ4時間くらい掛かります。

100L/minのポンプでも4時間運転すれば24m3

膨大な水を使います。

1m3くらいの水を反応器に張って循環を掛ければ、これだけなら解決可能です。

循環ラインがなくて水を大量に使いたくないからと言って連続運転検査を省略すると、運転時に異常がでる可能性が高まっていきます。

それくらいなら、最初から循環ラインを付けて検査する方が無難ですね。

最後に

バッチ系化学プラントの循環ラインの使い方を解説しました。

流量調整・サンプリング・撹拌混合・連続運転検査

循環ライン自体は色々な設備で使いますが、バッチ系ならではという使い方や考え方もあります。

もちろん化学以外の設備でも同じ使い方でラインを使うことは可能な場合もあります。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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