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予算とスケジュールが大事な理由|設備投資の2大要素

予算スケジュール 見積
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設備投資(capital investment)の予算に関して予算見積とスケジュールの関係を解説します。

オーナーエンジニアの仕事の1つに予算取りがあります。

1つの会社で多くのプラントがある場合、実施したい案件全数に投資できるわけでは無く絞り込まないといけません。

緊急度・重要度・合理化度などを総合的に判断して、投資案件を決めます。

そこで機電系エンジニアは重要な役割を持ちます。

会社の投資スケジュールに応じた戦略的な見積が必要です。

予算申請の典型的なスケジュールを工事完了(現場移管)に至るまでを見ていきましょう。

予算申請と現地工事
  • ステップ1
    予算案作成
  • ステップ2
    予算見積積算
  • ステップ3
    投資判断
  • ステップ4
    予算着工
  • ステップ5
    工事完了

設備投資(capital investment)の予算案作成

最初のステップは予算案を作成する段階です。

ここは製造部プロセスエンジニアの出番。

プロジェクトクラスならプロセスエンジニアがちゃんとした構想を練ります。

ちょっとした小物案件なら製造部が立案するでしょう。

略フローP&IDで案を作成します。

製造部なら写真を撮って加工したり、現場で説明するだけだったりエンジニアリング資料としては精度が良くない場合もあるでしょう。

そういう現場の状況を考慮しながら、改造案の想いをくみ取るする社内スキルがオーナーエンジニアには求められるでしょう。

予算見積積算

予算見積の積算作業はオーナーエンジニアが主体的に行う部分です。

積算自体は業界によって多少は異なるでしょうが、メイン部分を抑えるという発想は同じはずです。

化学プラントの場合は設備が投資の中心を占めます。

これをラング係数を使って評価をしつつ、精見積を掛けていきます。

この積算作業は、1か月程度掛かります。

積算の実作業は数日程度で完了するでしょうが、メーカーに設備価格を聞いたりすると急に時間がかかります。

そこに精度を求めても意味がないのに。

ちょっと精度を上げようとしてメーカーに見積を依頼した瞬間に、時間を失っていきます。

時は金なりですね。

実績を使って類推しつつ、予算を超過したら「ごめんなさい」で済む環境ならメーカー見積に過剰な時間をかけるのは止めましょう。

オーナーエンジニアの特権です。

外部プラントエンジニアリング会社なら、きっとこうはいかないでしょう。

会社が違うと、見積には責任が伴います。

時間をかけるか、積み増しを相当掛けざるを得ません。

見積額の精度とは別に、次年度案件の予約をするという意味でメーカーに話をするのはいい方法です。

エンジニアが主体的にすべきか調達部がすべきかは、組織構造での差がでるでしょう。

設備投資(capital investment)の判断

予算見積が完了したら、投資判断のタイミングです。

これはいろいろな会議に分かれるでしょう。

  • 課内会議
  • 部内会議
  • 事業所審議
  • 全社審議

課→部→事業所→全社という組織の枝分かれが多ければ多いほど、会議の数も多くなってしまいます。

それぞれの会議を調整するだけで、2~3か月は必要です。

会議だからパワーポイントをいっぱい作ります。

パワポエンジニアが活躍する場面。

予算着工

投資判断が付けば、予算を割り当てて着工するタイミングです。

この時期は会社によって変わるでしょうが、毎年同じ時期に行うのが普通です。

次年度の投資案件調査のために、メーカー営業がヒアリングに掛かるのもこの時期でしょう。

本当はこの時期は遅くて、ステップ2の予算見積積算の段階で実施する方が良いと思います。

予算着工がなされたら、いざ設計開始です。

オーナーエンジニアの実務はここから始まるでしょう。

工事完了

設計が終わり、工事が終わったタイミングが最後のフェーズです。

この段階で工事の精算を行って、投資額の実績値を集計します。

予算内に収めるのがオーナーエンジニアの使命です。

工事完了段階で初めて集計するわけでは無く、プロジェクトの段階ごとにまとめます。

段階とはEPCが分かりやすいですね。

予算内に収まれば、予算を返却するか余った予算で別の投資をするかに分かれるでしょう。

多くの予算案件を持っている場合は、付け替えなどのテクニックを使えます。

案件が少ない場合が危険。

予算見積の精度が悪い状態で着工して、設計段階で追加投資が必要になって工事完了後に大赤字

こうなると、予算を別に確保しにいかないといけません。

昨今は、資材や単価の高騰が目立つので赤字でも仕方がないか・・・という雰囲気になっています。

一昔前は、予算を少しでも越えたらエンジニアとして存在価値なし!って言われていましたからね^^

設備投資(capital investment)は1回では終わらない

化学プラントでは設備投資は頻繁に行います。

この理由の1つに、工場全体の最適化という背景があります。

簡単な例を紹介しましょう。

粉体の充填を行う室内で、粉じんが舞うから集塵機を付けてみました。

数年後に能力が足りていないことが分かり、能力アップを検討したとしましょう。

製造部目線では集塵機が弱いから単純に能力アップしたいと考えます。

エンジニアがまともに検討すると、ダクト口径も足りていないことに気が付きます。

ここで、集塵機ダクトの両方に投資するべきでしょうか?という判断を迫られます。

まとめて更新するのが正しいように見えますよね。

外部の人で設計をちょっと知っている人なら確実にそう答えます。

でも、工場全体の最適化を考えると集塵機とダクトの両方にまとめて投資するくらいなら、まずは集塵機だけ変えてみて様子を見ようという発想が出てきます。

ダクト分の資金は別の投資に充ててみようという狙い。

重要度に応じていきなり100%まで改造するか、段階投資をするかという視点です。

こういう視点をオーナーエンジニアは持っておかないといけません。

参考

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最後に

化学プラント内での投資判断に関係するスケジュールについて典型例を紹介しました。

予算案作成→予算見積積算→投資判断→予算着工→工事完了

定期業務なので必要な時間を余裕をもって処理したいですね。

メーカー営業とのやり取りという点でも考慮したいです。

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