化学工場の建設工事を行う前にユーザーがしておくべき準備業務 環境整備・管理体制・工程・教育・勤務

ユーザー準備工事

化学工場の建設工事の準備について解説します。

ユーザーエンジニアはSDMや建設工事前に社内でいろいろな調整を行っています。

しょせんは社内調整。

外部からはそんな風にも見えますが、意外と中長期的な視点が必要だったりしてエンジニアリングと関連があります。

EPCのPが終わってからCが始まるまでの間の話です。

バラコンをイメージしています。

ゼネコンならできるだけゼネコン会社に依頼しようと働きかけるでしょう。

もしくはプラントエンジニアリング会社ですね。

準備運動のイラスト(脚)

工事環境の整備

ユーザーエンジニアは工事の発注を決めた時くらいから、現地工事環境の整備に取り掛かります。

工事環境の整備
  • 工事車両の駐車場
  • 作業員の休憩所
  • 資器材の保管場所
  • 重機の通行ルート

空地が十分にある工場なら大きな問題にはならないでしょう。

でもそんな工場って日本では多くないはずです。

ガチガチに固める必要はありませんが、決めるべき事項ではあります。

工事車両や休憩所など工事では一定のスペースが必要ですが、工事が終わると不要となります。

これは工場のレイアウトに直結します。

空地を一定量確保しないといけないことを気が付かずに、新プラントを建てすぎて首が回らなくなった。だからプラントを取り壊す。

そんな経験はできればしたくないもの。

工場の運営に関わりますね。

工事管理体制の整備

工事管理体制の整備も準備業務としては存在します。

社内で編成表を作って管理体制を整えます。

大きな工事になれば特定元方事業者による管理体制を構築しないといけません。

元方安全衛生管理者の選任・届出など各種手続きがあります。

事務作業であってスキルとは言い難いものですが、必要ですので仕方がありませんね。

配管スプールの作成

発注が決まった後くらいから、配管スプールの作成をします。

アイソメ図と平面図を見比べながら、1本1本の配管を個別の図面に分割します。

配管の形状・溶接・部品等を1枚に集約した図面を大量に作成します。

とても緻密な作業。

膨大な人と時間が必要です。

そもそも意匠図である配管図自体も膨大な時間が掛かっています。

スプールができないと配管作成はできないので、スプール作成の時間はしっかり確保しましょう。

理想は工事着工前に配管が全て内作完了することです。

スプール作成の担当はユーザー・施工会社・外部委託の3パターンあります。

会社の規模などリソースに応じて臨機応変に対応しましょう。

据付計画の作成

据付計画の作成もユーザーエンジニアの業務となることが多いでしょう。

特に土建と機械の調整は工事全体を左右する主要調整業務です。

これだけでも工事が成功するかどうか決まるくらいインパクトがあります。

社内調整だから・・・と疎かにできません。

特別にメーカーのSVが必要な場合は、メーカーとも調整が必要です。

メーカーの都合があるので結構前もって予約していないと調整できないケースが増えています。

これは設計・工事・生産のあらゆるスケジュールに大きな影響を落としかねないので、疎かにできません。

工程表の作成

工事の工程表を作成するのもユーザーエンジニアの仕事です。

  • 資器材の納入スケジュール
  • 土建と機械の工事タイミング
  • 工事環境の整備具合
  • 生産プラント運転員の対応

いろいろな要素に問題が無いように組み上げていきます。

プロジェクトの規模が大きくなるほど構成要素が多くなるので、大変になってきます。

工程だけを専門に作成管理するエンジニア(スケジュールコントローラ)もいるくらいですね。

まぁ、バッチ系化学工場のバラコンレベルではそんなことは普通はありませんが・・・。

教育

ユーザーエンジニアは工事会社に対する教育資料を作って教育をしないといけません。

教育資料はいろいろなスタイルがあるでしょうが、下記の内容が含まれているでしょう。

教育資料の内容
  • 工事目的
  • 工事場所
  • 工事期間
  • 工事工程表
  • 工事環境を示した図
  • その工場で取り扱っている物質
  • 現場での緊急処置の方法
  • 緊急連絡体制
  • 工事期間のイベント・パトロールなど
  • 各種注意事項

資料だらけなので作成するのは意外と工数がかかります。

工事が頻繁にある会社だと定型書類としてほぼできあがっているでしょう。

それでも数回は作成を担当しないと、自分のモノにはならないですね。

勤務体制の変更

工事期間のための勤務体制を変更することも調整の1つです。

交代勤務体制と常昼勤務体制の切替や、休日工事体制などの対応をします。

一斉にSDMを行う工場なら工事期間中の業務調整はしやすいですが、分散SDMを行う場合は日常業務との調整が結構大変です。

というより会議が多すぎるだけと言えますが・・・。

一斉SDMだと施工会社にとってリソース確保などが大変ですが、分散SDMだとユーザーの業務調整が大変。

どちらを優先するか相手のことを思いやって調整するという話であって、どちらか一方が我慢すれば良いという話ではありません

申請

消防法や高圧ガス保安法など各種法規に必要な申請を行います。

化学工場なら危険物製造所変更許可申請を定期的に行うので、日常業務化しているでしょうが準備としては大事です。

工事完成時の完成検査も同じように大事なことですね。

最後に

化学工場の建設工事を行う前にユーザーがしておく準備業務をまとめました。

工事環境整備・工事管理体制の整備・スプール図の作成・据付方法の考案・工程表の作成・教育・勤務体制の変更。

工事のために必要な空地や据付方法は、実は工場レイアウトの直結する大事なことです。

工事調整業務をすると工事上の課題として認識するでしょう。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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