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オーナーズエンジニアの設備設計は将来性があるか?

設備設計の将来性 キャリア
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化学プラントではオーナーズエンジニアという仕事をする人が居ます。

私もその中の1人。

プラントエンジニアというと、大きなプラント建設を担当する仕事が真っ先にイメージするでしょう。

現実にはそんな大きな仕事は10年に1回あるかどうかというレベルで、大半の仕事は小さな仕事です。

そういう仕事を毎回プラントエンジニアに依頼していたら、コストが掛かったりプラントの長期運営に不向きだったりして、オーナー側でエンジニアを抱えようとします。

これがオーナーズエンジニア。

ところが、この仕事は非常に水物です。

自社でエンジニアを抱えている場合もあれば、グループ会社として独立されている場合もあり、これらを行き来したりもします。

そのオーナーズエンジニアに将来性はあるのか?ということを考えます。

2023年現在は、将来性は無いというのが私の意見です。

以下で、その根拠を述べていきます。

成長機会が少ない

オーナーズエンジニアは成長機会があまり多くはありません。

  • 設備のことは設備メーカーが
  • 使い方は製造部が
  • 配管のことは図面屋が
  • プロジェクトそのものはプラントエンジニアが

それぞれ専門知識を持っています。

これらの情報を総合的に集められるオーナーズエンジニアは、上手く情報を活用すれば相当価値のある存在になります。

ところが、そういう成長をするエンジニアはほとんどいません。

情報をキャッチすることが意外と難しいです。

オーナーズエンジニアは少数精鋭で会社に守られやすい存在なので、あまり成長してなくてもリストラや左遷される確率が低めです。

手を抜いても10年~20年と安泰した仕事が可能だったりします。

ただし、成長しない人だらけになると、どこかのタイミングでキャリアの変更を余儀なくされるでしょう。

1人で頑張っても、組織として頑張る人が少なければ、将来性が低いと判断されるでしょう。

装置の仕様は統一化される

オーナーエンジニアが設計で提供できる最大の付加価値は、設備の設計のはずです。

設計者・エンジニアのことと言えば、設備設計エンジニアが最初に思い浮かんで、その次に配管設計エンジニアが思い浮かぶくらいです。

プラントを構成する各種設備を、設備メーカーから調達。

設備設計エンジニアは、これらの設備が自社のプラントに最適になるように設計することが、最大のミッションです。

最適とは、プラント建設だけでなくプラントの廃棄に至るライフサイクル全体をさします。

この最適設計を目指そうとして、設備メーカーにいろいろな注文を付けて、オリジナルの設備を構築しようとします。日本的な発想です。

ところが現在は非常に難しくなっています。

設備メーカーが、オリジナルの設計に対応できるキャパがありません。

メーカーが提供できる設備の中から、選んでくるカタログ調達の方向になります。

この瞬間に、設備設計エンジニアはその価値を無くしていくでしょう。

  • 設備設計書は書く必要なし
  • 仕様書はいつもと同じ。他の設備と同じ
  • 査定はいつもと同じ仕様・金額かどうかをチェック
  • 図面もいつもと同じ内容かどうかをチェック

こういうコピー業務になります。

メーカーの設計者もそうしないと仕事が回りませんからね。

この考え方さえしっかりしていれば、設備設計エンジニアの仕事は極端に短くなります。

カタログ調達をするにしても、プラントのライフサイクルに適したものかどうかを設計することは、設備設計よりも遥かに難しいです。これが十分にできている人はほとんどいません。設備設計エンジニアとしての価値を見出そうとするなら、保全も含めた設計を考えることが1つの道です。

P&IDは使う人の方が詳しい

設備設計エンジニアはP&IDに深く関わります。

自分で作図する場合もあれば、図面屋さんなど他社に依頼する場合もあるでしょう。

どちらでもP&IDに関する知識は必要です。

ところが、設備の仕様が決まっていれば、P&IDも標準化がされます。

違うのは使い方。

同じような装置構成でも、使い方が微妙に違うためにカスタマイズしないといけません。

使い方を知っているのは製造の人です。

彼らがP&IDの知識を持っていれば(基本部分は当然持っているはず)、P&IDの完成形に持っていく部分を担えます。

作図を他社に依頼して、使い方は製造に聞いて、修正する。

これで、P&IDが完成します。

設備設計エンジニアの仕事って何だろう?って疑問に思う瞬間です。

配管図は作った後にチェックしても良い

配管図はチェックに時間が掛かりますよね。

設備設計エンジニアも当然チェックします。

でも、ここに時間を掛けるべきかどうかは1つの問題です。

配管図を100%の形に持っていくために時間を掛けて、工事発注が遅れたら元も子もありません。

60%くらいの出来でも見積に掛けてしまい、不足部分は現場でフォローするという泥沼的な調整をする方が、全体としてメリットがあるかも知れません。

配管図を見るにしても、ポイントを絞ってチェックすることになるでしょう。

ちょっとくらい変であってもプラントが動けばOKと割り切れば、工事完成して使ってから考えるという方法もあります。

この場合、不具合を上げる現場の声を聞けば良いだけなので、設計者がいなくても成立します。

使ってみてから考えると簡単に書いていますが、意外と難しいです。現場の声を吸い上げて、限られた予算内で優先順位を付けて、工事の依頼をするには、管理者の総合的な判断が求められます。近年、それができる管理者は非常に少なくなっています。設備設計エンジニアがどれだけ能力を持っていても、依頼者が付いてこないと結局は何もできません。

特殊部分に特化すれば生き残れるかも

設備設計エンジニアが生き残る道は、特殊部分に特化することでしょう。

設備設計でも汎用的な設備は手を抜いて、あまり購入機会がない物だけ慎重に扱います。

配管図でも、トラブルが起きやすいポンプ周りとか、複雑に配管が絡み合う部分だけをチェックします。

不具合があれば、現場でフォロー。

これらの考え方をプロジェクトメンバー内で認識統一できていれば、プロジェクト中に健全な精神で仕事に臨めるでしょう。

余裕をもって仕事をして、トラブルが起きても解決する姿を周りに見せていると、自ずと信頼感が出て将来性を見出せるかもしれません。

とはいえ、特殊な設備の導入や更新が少ない会社だと、将来性は怪しくなりますよね。

参考

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最後に

化学プラントのオーナーズエンジニアの将来性について考えてみました。

基本的には将来性はありません。

1人だけでも生き残ろうとすると、集められる情報を有効活用して、プラントのライフサイクルを考えた最適設計をし、ポイントを絞った設計をすることが求められます。

特殊設備だらけのプラントだと自ずと生き残りますけど、統一化されていく流れですからね。

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