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視野の広い人と狭い人の違い|昇進の大きな要素

視野が広い狭い キャリア
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視野(vision)の広さ・狭さについて考えてみます。

皆さん昇進したいですか?

したくないっていう人多いですよね。

能力・業務負荷・時間の使い方・・・昇進していくと色々と変わってしまいます。

それくらいなら現状維持の方がよっぽどマシ。

そういう昇進パターン、つまり昇進してもお得感がないという会社は多いでしょう。

その割に一定割合で「権限」「意見の通りやすさ」が増えるのも昇進のメリット。

昇進には例えば学歴とか経験年数とか要素がいくつか入ってきますが、その中でも視野の広さは結構見られます。

明文化されないでしょうが、同じくらいのキャリアの人で誰を昇進させるかという時に、その人の能力・スキルを判断するときの大きな材料になっています。

これは実務で結構差が出てきていて、その人の評価を考えるときにはイメージしやすいです。

実務のどんな場面で、どういうパフォーマンスを出すか、化学プラントの機電系エンジニアを例に解説します。

本来の業務範囲

機電系エンジニアの本来の仕事というとき、どういうことを考えるでしょうか?

ここに視野の広さ・狭さが出てきます。

私は機械の担当なので、機械の担当者を例に具体例を紹介しましょう。

  1. 教育等で教わった杓子定規な表現(プラントの設備を担当)を使う
  2. 設計だけ工事だけ保全だけの、まさに自分が行う業務だけを説明できる
  3. 設備全体のライフサイクルを見通した表現ができる
  4. 電気・計装・土建との関連性を適切に表現できる
  5. 製造部やメーカーとの仕事の関り方を、自分なりに説明できる
  6. 経理・調達・研究・企画など自工場のその他の部門との関係を意識している
  7. 他事業所など、自工場以外に目が向く
  8. 自社以外(例えば外部プラントエンジニア)などに目が届く

自部門の業務が他部門とどういう位置づけにあるのか、という目線でもこれだけの段階に分けることが可能です。

極端に言うと、最初のころは自分視点・自己中心的と呼べます。

これがちょっとずつ俯瞰的に、一歩引いた目線で見ていくようになれば視点が広がってきます。

オーナーエンジニア的には12の後に急に5に飛んでしまって、34を疎か(つまり自部門のことを知ろうとしない)場合が多々見られます。

機械担当なら電気・計装・土建とは直接仕事をせず、製造部に窓口集約係を担ってもらうような形です。

機械担当
機械担当

機械的には問題ありません

製造部
製造部

電気的には?

機械担当
機械担当

電気には聞いていません

製造部
製造部

私から電気担当に聞いてみます

こういう構図になっているやり取りが非常に多いです。

機械も電気も同じ部門であって、同じ職場であるにもかかわらず、他部門である製造部が代わりに聞くという謎の状態。

これは特定の業務範囲だけを担当していると、特に陥りやすいです。

その意味でもローテーションは一定の効果を持ちます。

56くらいまでならローテーションなしでも大きなトラブルなく処理できるように見えるでしょうが、

「あの人はちょっと視野が狭い・・・」

なんて不満が例えば本人がいない飲み会の時などに出てきます。表に出てきません。

78などの範囲になると、ローテーションを含んだ経験をしないとなかなか身につかないようです。

この内容をちゃんと理解して視野を持っていたとしても、「他人から言われたら理解できる」「他人に言われる前からちゃんと表現する」で差が出てきます。この辺はアピール力と考えた方が良いかもしれませんが、過度な主張にならないような調整が必要です。

担当範囲(守備範囲)

業務範囲に近いですが、実際の守備範囲という意味でも視野の広さ・狭さが表れます。

  1. 教育等で教わった杓子定規な表現(プラントの設備を担当)を使う
  2. 設計だけ工事だけ保全だけの、まさに自分が行う業務だけを説明できる
  3. 設備全体のライフサイクルを見通した表現ができる
  4. 電気・計装・土建との関連性を適切に表現できる
  5. 製造部やメーカーとの仕事の関り方を、自分なりに説明できる
  6. 経理・調達・研究・企画など自工場のその他の部門との関係を意識している
  7. 他事業所など、自工場以外に目が向く
  8. 自社以外(例えば外部プラントエンジニア)などに目が届く

業務範囲に近いですが、守備範囲という意味では実務での動きとしてもっと明確に出てきます。

1は初任期間だけの特権のように思うかもしれませんが、

実は5年~10年経験しても2に到達しない人はいっぱいいます。

特に近年はその傾向が露骨です。

さすがに20年以上のベテランクラスになると、2に到達する人がボチボチ登場しますが、やはり到達しない人もいます。

それくらい自身の守備範囲以外のことを考えるのは、高度なスキルのようです。

34のレベルができると、課長クラスになります。

この辺りまでは実務に直結するレベルで、重要な守備範囲の考え方です。

逆に、5以降になると広い視点でモノを見すぎて、現場レベルの視点で考えることを怠ってしまいます。

部長クラスの工場運営に関わるようになると、このレベルでしょう。

教育

部下の教育も視野の広さ・狭さが如実に表れます。

  1. 自分の成長のことだけを考える
  2. 部下に自分と同じ成長をしてほしいと期待する(他部門の期待に応えようとする)
  3. 部下が問題があった時だけカバーする
  4. 人の成長はコントロール不可と考えて、部下が病まないように気を配る
  5. 組織の成長限界を見極めて、外部リソースを探す

教育の話は、組織の構成や実務内容に大きく左右されます。

ほぼ丸投げが可能なオーナーエンジニアリングを想定しています。

新入社員なら当然1ですが、2に到達する(部下を持つかどうか)は組織の人員構成に相当左右されます。

そもそも部下が入ってこない組織で永遠の若手となる人も居ます。

23はキャリアや能力にも影響を受けます。

2は仕事ができる人にありがち。そうれなければ2をスキップして3に行くケースが多いです。

現場で実作業を行う人だったり、丸投げができない厳しい環境にある組織だと、かなり状況は違うと思います。

ただし、4に到達して5を考えるようになるのは、オーナーエンジニアによくあることなのだと思います。

自部門の組織自体が外だし・アウトソーシングされやすいですからね。

プランB・複数の理由

プランBを持つかどうかも、視野の広さ・狭さが表れます。

プランBとは元のプランAがうまくいかなかった時のことをプランという意味で良いでしょう。

  • 保全なら、その修理方法で駄目だったときにどうするか
  • 設計なら、納期が間に合わない進捗になりそうならどうするか

というのが典型例です。

これ以外にも何かを決心するときには、プランB(もどきであっても)を持っていると説得力が増します。

保全の方がプランBを持ちにくい職種になります。

例えば修理を例に挙げても、選択肢は限られていますからね。

選択肢が広い職種ほど、人数が少なく考える時間は与えられていて、そこから最適解を最速で見出す訓練ができます。

化学プラントのエンジニアリングのように、何かを決心してもその成果が出るのが2~3年後という環境なら、嫌でもプランBを考えることになるでしょう。

これを考えないと、行き当たりばったり・トラブルがあれば常に振り回される、という慌ただしい仕事をしているように周囲からは見られます。

プランBと同じように、理由を複数考える力視野の広さ・狭さに関係します。

  • SGPで腐食したから、SUS304にします。

というロジックを考えたとしましょう。

王道的な思考ですし、反対する人はあまりいません。

でもここで上げている理由は「SGPで腐食したから」という1点だけ。

これに対して視野が広い人ならば・・・

  • SGPで腐食した
  • SGPで肉厚を上げても、耐用年数が数年しか上がらない
  • SUS304にすると、耐用年数が10年以上アップできることが期待できる
  • SUS304のコストインパクトが許容できる
  • SUS304にしていれば、他の製品でも使用できる
  • 他プラントで、条件が厳しいところでもSUS304を使っている

こんな感じで、複数の理由を挙げることができます。

メンテナンス・製品ライフサイクル・他プラントなど、視点が広いほど理由も考えれます。

他者を考える

視野の広さ・狭さは他者を考えるという点でも現れます。

機電系エンジニア的に他者というと製造部メーカーになるでしょう。

相手の置かれた環境を考えて主張の工夫をするのか、自分の主張だけをいうのか、で如実に現れます。

DESC法に近い発想です。

例えばメーカーに補修依頼をする場合を考えましょう。

製造部
製造部

今日の午後から修理をしてほしい

保全
保全

えっ、急に言われても・・・

製造部
製造部

そこを何とか!よろしく!

保全
保全

えっ・・・

こんな感じのやり取りもとても多いです。

こういう場合に限って、保全が何とか修理を対応したとしても、製造部から何も感謝されなかったりします。

それどころか、その修理方法で本当に問題ないのか?とか斜め上のクレームを出したりします。

こういう例は相手のことを考えていません。

生産再開することで頭がいっぱいで、依頼先のことを考えていません。

こういう人は一事が万事似たような対応をするので、周囲の人に見抜かれます。

視野が広い人はこんな対応をします。

製造部
製造部

この設備、ちょっと怪しそうだから、修理依頼を計画してくれますか?

保全
保全

分かりました。すぐに手配依頼を出して、対応可能な日を調べます。そのためにも現場を見せてもらっていいですか?

製造部
製造部

どうぞ。一緒に行きましょう。

やり取りをしている外見だけでもだいぶ違いますよね。

このやり取りの前には、例えば以下のような頭の働かせ方をしています。

製造部
製造部

・パトロールをしていてあの設備気になっているんだよね。

・メーカーさんがすぐに来れるか限らないので、情報は早めに出しておこう

・保全とも常にコミュニケーションを取っておこう

・プラントを止める苦労を考えれば、簡単なこと

製造部を例に挙げましたが、保全や設計も全く同じような展開でやり取りしている例を見かけます。

私も怪しい部分はありますが・・・。

視野が広いということは相手のことも考えるので、自ずと他の人よりも表現方法が変わるでしょう。

是非とも意識したいところです。

参考

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最後に

化学プラントの機電系エンジニアを例に視野が広い人・狭い人の具体例を解説しました。

業務範囲・守備範囲・教育・プランB・他社を考えるというテーマや場面で、視野の広さが現れます。

周りの人と比べて視野の広さ・狭さを意識できるようになれば、視野が徐々に広がっている証拠です。

それを継続していくと、色々な視野を持つことが可能となるでしょう。

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