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計装設計

工業計測と制御の基礎|機械エンジニアが使いこなす方法

工業計測 計装設計
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機械エンジニア向けに工業計測と制御の基礎を紹介します。

私が化学プラントでプラントエンジニアの経験を積んで10年以上。

機械屋としてのキャリアが長いためか、エンジニアリングについては機械以外の知識は習得が遅れていました。

縦割り組織だから周辺知識の習得が難しいという問題があり、自主学習をしていましたがそれも限界。

大半の部門は教育資料が不十分という根の深い問題にあります。

私も藁にもすがる思いで、書類を買いあさり情報収集していきました。

自主学習で非常に有益だった図書を紹介したいと思います。

計装設備のバイブル

今回は、「工業計測と制御の基礎―メーカーの技術者が書いたやさしく計装がわかる」を紹介します。

2003年に初版が発行されています。

書籍を探すときは、初版を必ずチェックするようにしましょう。

化学プラントの参考書は初版が古いものが多く、何に主眼を置くかでその価値が変わります。

  • 初版が古いものは、過去の技術の考え方を調べるため
  • 初版が新しいものは、最新の技術を取り入れるため

化学プラントの設備では、2003年は「ついさっき」の世界です。

機械屋はここを見るべき

この本は、計装屋に向けて書かれた本です。

計装屋は目から大粒の汗を流すくらい、重要な情報が記載されています。

計装メーカーの目線で書かれているので、計装ユーザーが知りたい情報がかなり書かれています。

一方で、ユーザーの情報をメーカーが取得しているかというと

今後その機会は劇的に減っていくでしょう。

流量計の種類の一覧

さて、この本で機械屋が最も使う部分は流量計の種類の一覧表でしょう。

社内の資料や基準がある程度揃っている会社でも、この表クラスの集約情報を持っていることはありません。

流量計って種類が多く、使い分けが分からない

この問題はエンジニアの誰もが直面する問題です。

バッチプラントでは電磁・渦・コリオリくらいを理解していれば大きな外れはありませんが、体系として理解したい場合に、本書はとても有効です。

ここだけでも購入する価値があります。

例外に注意

念のため、社内基準と本書籍の表で齟齬がある場合には注意してください。

若手エンジニアが「この本にこう書いてあるから、この流量計を選んだ」という提案をしてくるのは目に見えています。

社内基準を見ない若手のプラントエンジニアが増えていますからね^^

若手のプラントエンジニアは上司に提案するときは、気を付けましょうね。

社内基準に対して目を向けない社員は、基準に対する理解が低いと烙印を押されますからね。

計装業務の構成が分かる

計装初学者や計装を学び始めた機械屋にとって、この本の詳細を知る必然性は高くありません。

重要なことは、この本の構成

という大きな構成があることが分かります。

これは化学プラントの計装ならどこでも共通しています。

この構成を知ることは非常に重要です。

特に、プロセス4計器である、温度計・圧力計・流量計・液面計は原理から丁寧に解説しています。

計装のプロフェッショナルが書いた本なので、全部を理解して実践できる人は少ないと思います。

工場の日常業務では、この本の内容のうち20%も使いこなせれば十分だと思います。

パレートの法則2:8どおりの使い方でいいと思います。

例えばDCSやPID制御については、別の専門書の方を使う方が良いと思います。

トピックス的に参考情報も載っていますが、この本以外に体系的に調べる方法がありますので、トピックスはトピックスとして捉える方が良いでしょう。

その他参考情報も同じ扱いです。

最後に

「工業計測と制御の基礎」について解説しました。

この本の20%しか使えないのでは意味がないのでは?と思う人がいます。

特に書籍で学習をしてきたプラントエンジニアはそう感じるでしょう。

ですが、一般的には20%も使えれば御の字です。

何でも書籍やネットで、自分の知りたい情報がそろっている、と思い込むことの方が危険な発想です。

ITでよく語られる「ネットで何でも調べられる」という文言に騙されないようにしてくださいね。

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