【配慮だらけ】化学工場の”台風”対策の実際 自宅待機だけでは解決できない諸問題に対する対応

台風対策運転

台風“14号が近づいてきていますね。

台風に対しては学生の時なら、「わーい、休みだ」というくらいの印象かもしれません。

実際に化学工場勤務者の一部の人はこの感覚。

ところが、そこには裏で色々な配慮がなされています。

24時間生産を続けるために周りの関係者がどんな努力をしているのか、工場勤務者ならぜひ知っておきたい内容です。

台風の発展形として洪水も1つの課題になります。洪水の頻度は台風よりは少ないですが、被害度が違うため別に対策が必要です。今回は台風だけに特化して考えることにします。

運転

24時間運転を継続するのが基本の化学工場。

台風があっても原則としては運転を続けます。

ところが現実的には一部の作業ができずに生産を止める場合もあるでしょう。

生産調整

例えばバッチ運転では仕込作業や充填作業を毎日行います。

これらの作業はほぼ必ず屋外での作業が含まれます。

仕込をする粉体や製品である粉体が、雨で濡れてしまうと品質に影響が出る場合があります。

そもそも強風の中で工場近辺や屋外で人が作業をする時点で、怪我などのリスクが高くなります。

そういう意味でも、台風が近づいてきたらバッチ運転なら運転を止めるのが理想的です。

連続運転の場合でもバッファタンクの容量を調整して、台風が近づいてきた時にはとにかく現場作業をしない方が良いでしょう。

原料・製品のバランス貯め置き場所などの調整を、数日前から計画的に行います。

その意味でも、台風が発生したときくらいから対策は実は始まっています。

環境処理設備への配慮

環境処理設備などでは排水量が一時的に膨大に増加しますので、対策が必要となります。

例えば各プラントの屋外タンクの防油堤から排出される排水は、弁を閉じて環境処理設備の負荷を下げるといった工夫をします。

工場設備の対応

工場の設備でも、風でやられやすい設備に対しては対策が必要です。

例えば、シャッターは完全に閉じる、可動式のカーテンで風に耐えれないものは開けておく、などの配慮が必要です。

そうしなければ、台風が過ぎ去った後に破壊された設備を目の当たりにすることでしょう。

  • 台風が近づいてきたら生産を止める
  • 原料・製品のバランスを調整する
  • 環境処理設備への配慮をする
  • シャッター、カーテンなど対策する

勤務

運転とも関連しますが、勤務の話も問題になります。

24時間運転で交代勤務であれば、例えば3交代制などを取るでしょう。

台風が近づいてきたら、出勤ができないという場合があります。

この場合は、台風が近づく前に交代をしてしまうなどの、フレキシブルな対応が求められます。

特に九州では台風の影響を受ける時間が長いので、勤務調整がかなり大変です。

天気予報を見ながら、交代勤務者に対して「台風が予想より早く到達するので、2時間くらい早く出勤してくれませんか?」という依頼をしたりします。

リスクを減らすためにも、出勤者を最低限に限定する方が良いでしょう。

この意味でも、運転を止める方が理想的。

人事からメールが飛び交うことになります。

昔なら全部電話の緊急連絡網で伝達していたことでしょう。

台風が近づいてきたら、交代勤務の時間調整が発生します。

待機

台風で何かあった時のために、台風が近づく前に工場に入って待機する班がいます。

宿直もその1つ。

宿直だけでは対応が大変かもしれないので、割と上層部の人が工場内で待機します。

1日を越えることも・・・。

なぜ上層部かというと、本社や消防など対外的なコミュニケーションを取るためです。

機電系エンジニア的には電気関係の人が班に組み込まれることでしょう。

何かあった時に、電気は特に大事ですからね。

電気エンジニアのちょっとしたデメリット。

これくらいのデメリットは享受できるくらいのメリットが、化学工場内の他のエンジニアよりは多いので許して・・・と個人的には思います。

台風が近づいてきたら、泊まり込みで待機する人が選ばれます。

工事

機電系エンジニア的には工事の対応が求められます。

工事は土日祝関係なく行う場合があります。

ここで台風が近づくと、当然ですが工事はできません。

この調整が必要となります。

最近の台風は、なぜか出勤時間帯に最接近している傾向があって、勤務調整も悩みます。

半日くらいずらして工事開始すべきか、いっそのことその日は工事中止すべきか・・・。

工事全体のスケジュールを考えながら判断しないといけません。

最悪工事完成時期が遅れて、生産へ影響が出る可能性も考えないといけません。

現場的には、仮設の資材関係の対策が求められます。

風で飛びやすいもの、動いたら大ごとになるものに対して対策します。例えば、

  • カラーコーン、断熱材などが放置されてあったら回収する
  • 熱交換器のチャンネルカバーなど点検のために開放されたままのものは、近くの配管などに番線で固定する
  • 足場に防炎シートを付けている場合は、必ず巻き上げる
  • 台風経過後に足場を使用する前には、必ず強度の再チェックを行う

その他

台風という強風で飛びやすい物への対策、ということでいくつかの対策があります。

  • 自転車の前カゴに荷物を置いていたら、片付ける
  • 自販機のリサイクルボックスは、風で飛ばない場所に避難させる

地味な部分ですが、被害を少しでも減らすためにできることはしっかり行いましょう。

自分だけは・・・面倒だから・・・誰かがやってくれるから・・・という期待は止めましょう。

最後に

化学工場の台風対策の実際を紹介しました。

自宅待機だけで我関せずという人もいれば、その裏で様々な努力をしている人もいます。

運転・勤務・待機・工事など実に様々な配慮がされています。

24時間運転をする工場で働く人みんなが、知っておきたい内容です。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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