【付属品・計器・ガス・液・大口径】バッチ系化学工場のタンク上ヘッダーの構成

配管配管

NEONEEETです。 

ヘッダーのどこに繋ぎこんでいいか分かりません。

バッチプラントの設計では最大の悩みかも知れませんね。

この記事では、バッチ系化学工場のタンク上ヘッダーの構成について解説します。

バッチ系化学工場のタンク上ヘッダーの構成

バッチ系化学工場のタンク上ヘッダーの構成について解説します。

タンクよりも汎用的に反応器という方が正しいかも知れません。

考え方はタンクでも反応器でも同じです。

反応器の方が制約が厳しく、改造頻度が圧倒的に高いです。

化学工場の設計エンジニアは絶対に知っておくべきことですね。

というのもこのヘッダーが決まるかどうかが、プロジェクトにおけるP&IDの作成速度や配管図の作成速度に大きな影響を与えるからです。

P&IDを手書きで一回でも書けば気が付きます。CADなんていりません。

略フローをもとにP&IDを書くのがいかに大変か。

図面屋さんにお願いするだけでなく、自分の手を動かすとすぐに分かりますよ!

ヘッダーは2~3個に分割

タンク上のヘッダーは2~3個に分割します。

典型例を下に示します。

反応上重要な二種類の液(液Aと液B)はヘッダーを分けるのが大前提です。

液Aと液Bを同じヘッダーにしていると、ヘッダー内で反応をして熱を持ち危険な状態になる可能性があるからです。

反応はタンク内の温度制御ができる環境でのみ行われるように、という気遣いです。

反応終点確認のサンプリングをする場合、それを別のヘッダーにする場合があります。

少なくともサンプリング用の「漏斗」はヘッダーノズルの真上部に付けます。

反応で発生したガスや蒸留で発生するガスは専用のノズルを使うので、ヘッダーとは別にする場合が普通です。

ガスラインの口径が大きく、液ヘッダーの口径が小さいから、分割した方が都合が良いという考えですね。

窒素ラインも液との混合を防いだり、逆流して窒素系統を汚染しないようにするためにも、ヘッダーとは分割することがあります。

タンクノズルの配置

タンクノズルの配置を見てみましょう。

下の図を見てください。

ノズルの割り当てを考えるとき、以下の手順で考えます。

  • タンクに固有の部品類(マンホール・バッフル)
  • 計器類(液面計・照明)
  • ガス
  • 液ヘッダー
  • 大口径配管

およそこの順番です。

マンホール・バッフル

マンホールやバッフルはその装置を構成する最低限の要素です。

これを無くすことは基本的にできません。

タンクサイズによってはマンホールを小さくしたり、バッフルが1個もしくは2個と変化します。

計器類

計器類もほぼ占有されてしまいます。

照明が無いと、マンホールから中身を目視確認できませんよね。

液面計では一般的な電波式液面計を使うからですよね。

ノズルの占有を控えるために、差圧式液面計をタンク下部に付けるケースもありますが、例外と考えた方が良いです。

ガス

ガスラインは専用で大きな口径を1つ占有します。

これも変更する可能性はほとんどありません。

液ヘッダー

ここまで決まってようやく液ヘッダーの配置を決めれます。

この段階で使えるノズルは3~4個に限定されます。

この中から上で上げたように、機能や安全性を考えて使い分けないといけません。

結構考えないといけなくて、P&IDを作る時にもかなりの時間を費やします。

大口径配管

これは最も忘れ去られやすいものです。

バッチ系化学工場では粉体を良く扱うので、粉体投入用のノズルが必要です。

液ヘッダーより大口径が必要で、ガスラインと同等のレベルが求められます。

大口径配管を1つ作ってしまうと、液ヘッダー用のノズルを1つ減らしてしまう可能性が高いです。

ノズルを付ける場所が無く、口径が不足している場合、どうなるでしょうか・・・。

最悪、タンクの再製作になって投資額を増やす方向になります。

プラント建設時にちゃんとした発想を持っておきたいですね。

ヘッダー上の洗浄ライン

ヘッダー上の配管の並びも考慮する必要があります。

これはトレースの考え方の記事でも説明しています。

ヘッダーのデッド部ができないように、洗浄配管を配置します。

具体的には以下のとおり。

末端が水で、その隣りが苛性ソーダです。

苛性ソーダは設備洗浄で使うケースがあります。水は戦場で絶対に使いますね。

全部の液ヘッダーに洗浄配管を付けることはできませんが、少なくとも洗浄配管を付けるヘッダーだけでも適正な配置にしたい、という考え方ですね。

安全性を少しでも高める努力です。

入槽作業を考慮

特に液ヘッダーでは入槽作業を考慮したいものです。

液ヘッダーはエルボの後にすぐにフランジを付けると良いです。

ここに遮断板を付けたりエルボを外すだけで、縁切りができるからです。

液ヘッダーと窒素が完全に遮断できていることが、入槽作業には必須。

バルブだけで遮断していると内通などの原因で漏れこんでくるリスクがあります。

だからこそ、確実な縁切りが必要。

エルボが無いと、ヘッダーのすべてのバルブに対して遮断措置を取らないといけません。

特にサンプリングをする場合はエルボでなくてチーズでヘッダーを作成するので、忘れがちです。

図面屋も設計エンジニアも入槽作業をしないので、この辺の感度は極めて低いです。

結局困るのは現場の作業員。

現場を考慮した設計をしたいものですね。

最後に

バッチ系化学工場のタンク上ヘッダーの構成について紹介しました。

ヘッダーは2~3個に分割・タンクノズルの配置・ヘッダー上の洗浄ライン・入槽作業を考慮

制約条件が厳しいですが、運転条件や汎用性を考慮しつつ、現場作業も考慮すると、かなり難しい設計要素となります。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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