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電気設計

セルフスタンドでのガソリン給油を静電気対策の視点で解説 

セルフスタンド給油 電気設計
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ガソリンの給油(gasoline refueling)について解説します。

何気なく車にガソリンを給油している人ばかりですが、化学プラント的には非常に危険です。

化学プラントの製造経験者でも、無意識に危険な給油をしていたりします。

あの何気ない作業にも恐怖感を感じるのが、化学プラントでも意識の高い系だと思ってください。

セルフスタンドも日常化しているので、使用時には注意したいですね。

ガソリン

ガソリンで危険物第四類、しかも一石です。

引火点が0℃以下というのが最大のポイント。

冬場でも余裕で引火します。

静電気的な要素

給油作業を静電気的な視点で見てみましょう。

セルフスタンドで給油する人のイラスト

この日常的なシーンだけを見ていると、気が付きにくいです。

ここは化学工学的に攻めるしかないでしょう。

給油モデル(gasoline refueling)

人と車のサイズ感が恐ろしいことになっていますが、気にしないでください。

燃焼の3要素を基本に忠実に見ていきましょう。

燃焼の3要素
  • 可燃物 ・・・ ガソリン。引火点0℃以下なので防ぎようがない
  • 支燃物 ・・・ 空気。ノズルと給油口がオープン系なので防ぎようがない
  • 着火源 ・・・ 静電気。ここで対策をするしかない。

可燃物と支燃物を除去しようがないので、着火源である静電気で何とかしないといけません。

静電気除去シートがスタンドについているは、静電気対策を考慮してのこと。

でも、これって十分な対策でしょうか?

車の静電気

静電気的な目で車を見てみましょう。

  • は外面をで覆われています。鉄は電気を通します。
  • 外表面塗装が付いていますが、膜厚が薄いので問題になるレベルではありません。
  • タイヤゴムでできています。ゴムは電気を通しませんが、電気を通す物質を練りこんでいます。
  • 床面であるコンクリートやアスファルトは電気を若干通します

車は高速で運転するので、運転中には静電気が溜まります。

この静電気は鉄→ゴム→コンクリート・アスファルト→地中というルートで電気を逃がしていきます。

車の静電気(gasoline refueling)

電気低効率の比較もしておきましょう。

物質電気抵抗率(Ω・m)
10-7
ゴム1013
カーボン10-5
コンクリート102
101
wikipediaなどより

10の何条という大体のオーダーだけが分かれば十分です。

タイヤは導電性タイヤが最近は流通していてカーボンブラックなどを混ぜたものがあります。

ブリヂストンなどの資料にも電気抵抗という表現で記載していますが、電気抵抗率で表現するべきものをなぜ電気抵抗で表現しているのか少しわかりません。

オーダー的にはゴムとカーボンの間くらいのどこかだと思っておきます。

コンクリートやアスファルトに近いオーダーだと考えれば、緩和時間だけの問題です、

車から発生した電気は地中に逃げると考えておきましょう。

ノズルの静電気

ノズル部は静電気が溜まる可能性が残されている部分です。

ノズルをしっかり差し込みましょう!って注意がありますよね。

これは液漏れを無くしましょうという意味だけでなく、静電気的にも意味のあることです。

ノズルしっかり(gasoline refueling)

これはノズルと給油口の部分を拡大したものです。

給油をしている間じゅう、ガソリンが通るノズルでは静電気は常に発生し続けます

これをタイムリーに逃がし続けないと電気が溜まってそのうち、火花が起きてガソリンに引火します。

そこでノズルをしっかり差し込み、給油口と物理的に接触している環境を作ります。

ノズルも給油口もなので、接触さえしていれば電気は逃げます。

ノズルがしっかり差し込まれていないと、ノズルと給油口が接触していない状態ができる場合があります。

ノズル曖昧(gasoline refueling)

この場合、鉄のノズルと鉄の給油口の間に、空気という電気を通さない部分ができます。

ガソリンの流れに伴う振動で多少揺れて接触が瞬間的に外れるくらいなら、なんとかなるかもしれません。

でも接触したり外れたりという時間間隔がどれくらいまで許容できるのか、分かりません。

だからこそ常時接触するように、ノズルは給油口にしっかり差し込んでリスク回避をしましょうという注意をしています。

人の静電気

人は静電気を貯める可能性があります。

その最大の要素はです。

化学プラントで作業をしている時は静電防止の安全靴を履きます。

機能が保たれている安全靴なら何の問題もありません。

でもガソリンスタンドに行っている時、どんな靴を履くか分かりませんよね。

ブーツのように厚底のゴム製だと電気は溜まります。

人の静電気(gasoline refueling)

給油作業の一連について、人の視点で静電気が溜まる作業を見ていきましょう。

静電気が溜まる行動青が静電気が逃げる行動です。

給油中の人の行動と静電気
  • ステップ0
    車に乗っている

    車ルートで静電気が逃げていくのでOK

  • ステップ1
    車の外に出る

    扉や車体に触れていないと静電気が溜まる恐れがあります。扉を開けて両手をシートに当てて体を起こす、外に出て扉を閉める前に両手を離す・・・。

  • ステップ2
    給油口まで移動する

    車体などに触れていないと歩くだけで静電気が溜まります。コンクリートから電気が逃げてくれることを期待することでしょう

  • ステップ3
    パネル操作

    パネル自身にアースが取ってあったら大丈夫。電気が逃げます。

  • ステップ4
    静電気除去シートに触れる

    電気は逃げます。安心!

  • ステップ5
    ノズルを手に持つ

    せっかく静電気除去シートに振れたのに、両手を離してしまって移動すれば静電気がまた溜まります。

  • ステップ6
    給油口を開ける

    ノズルを手に持ちながら給油口のキャップを開けていればノズルルートで電気は逃げるかもしれません。ノズルもキャップも樹脂製の場合は要注意!

  • ステップ7
    給油中

    基本的には動かないはずです。ガソリンの動きによって静電気が溜まりますが、車ルートで逃げるでしょう。

  • ステップ8
    給油終了

    給油が終わった後の液だれがちょっとした問題。振って切ろうとする人がいますが、ちょっと危ないです。で拭き取るか、ノズルを上向きにしてノズル側に返す方が良いでしょう。この作業中も静電気が溜まります。

  • ステップ8
    給油口を閉める

    ノズルを返却する間に人が移動しているので静電気が溜まります。

人の作業には静電気が溜まる要素がいっぱいあることが分かるでしょう。

確実に処理するためには靴を脱ぐ・薄い靴を履くなどの方法をとるか、移動含めて行動中は常に車体と接触するようにするという変わった行動をとることになります。

手を車に(gasoline refueling)

私は常に片手を車体に付けながら行動しているので、ステップ1~2の間は相当怪しげな動きになっています笑

パネル操作・ノズル操作・給油口を開けるの作業順番は人によって分かれるかもしれませんが、静電気的には溜まる要素があるという意味で同じです。

給油終了時の残り液の拭き取りも個人的にはしたくないです。

ちゃんと洗浄処理しないと布に染み込んだガソリンが自然発火するかもしれませんので。。。

注意事項

セルフスタンドなどでは注意事項が記載されているようです。

私は見たことがありませんが。

そこで書いてあることの大事な部分を解説します。

他に注意したいことを数点足しています。

エンジンをとめてください

エンジンを止めてくださいというのは何故でしょうか?

意外と理解していない人がいます。

エンジン自体が着火源になるからです。

エンジンを動かすということはガソリンを燃やすということ。

燃やす行程中の火花・排ガス中の帯電物質・排ガスの温度などで、給油中のガソリンに引火する可能性があります。

ガソリンの給油がオープン系で行っているから、周囲の着火源が問題になるということです。

給油中にノズル周りをガードできれば安心するのですが・・・

窓を閉めてください

給油中は窓を閉めてくださいという注意書きがあります。

これは車の中で煙草を吸っている可能性があるからですか?

それだけではありません。

例えば車内でテレビ・スマホ・ゲームなど電気製品を使っている可能性ありますよね。

これが着火源になりえます。

ガソリン給油中に揮発したガソリン蒸気が社内に入ってきて、非防爆の電気製品の静電気で引火する。

怖すぎますので、窓は閉めましょう。

窓枠のパッキンのシール性に期待するのが嫌なら、給油中は車内で電気製品を使うのはやめましょう。

もしくはガスが来ないようにビニール袋などで覆ってスマホを見るか・・・。

そこまでしてスマホを見ないといけない用事なんであるのですかね?

携帯電話もNG

給油中に携帯電話で話をしている人がいますが、これも基本NGです。

窓を閉めてくださいで出てきた非防爆の話と同じです。

できるだけ風上

給油中はできるだけ風上に立ちましょう。

ガソリン蒸気が着火源となりうる自分の所に来ないようにするためです。

給油中にどうしても電話したい場合は、

  • ノズルを片手で持ち
  • 風上に立ち
  • 顔とスマホは車よりも上になるようにして
  • 皮膚の一部が車体と接触する

という第三者から見ると「この人大丈夫?」と言われかねない姿勢を取ることが対策となります。

参考

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最後に

セルフスタンドのガソリンの給油作業を静電気的な視点で解説しました。

ガソリンは引火点0℃以下です。静電気な対策をしないと引火する可能性があります。

最大の着火源は人です。

靴の対策やできなければ車と常時接触するようにしましょう。

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