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保全

MTBF・MTTR・故障度数率・故障強度率とは|保全担当者向け

MTBFMTTR 保全
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プラントの信頼性・保全性を定量的に示す指標とその意味を解説します。

保全初心者は、現場のトラブルに対応することに必死になりがちですが、スキルアップするときには知っておきたい考え方です。

現場で安全運転に注力することは大事ですが、データ保全やプラントライフサイクルといったプラントの企画経営に関わる部分は、今後ますます重要になるでしょう。

基礎的な概念として理解しておきたいですね。

設備の信頼性・保全性

設備の信頼性や保全性とはどういう意味でしょうか。

保全担当者はこの意味を理解しておかないといけません。

物はいつかは必ず壊れます。自然の理です。

しかし、化学プラントの設備は少し扱いが違います。

物が壊れた。仕方ないよね。直しましょう

化学プラントで設備を使っていく上でいかに安定的に設備を使うためには、こんな暢気なことはいっていられません。

壊れる前に直す、壊れてもすぐに直す。

という攻めの姿勢が求められます。

これこそが保全担当者が求められる業務です。

人は健康を維持するために、健康診断をしたり・食事に気を配ったり・運動したり、と病院に行かないように努力をしますよね。これと同じことを化学プラントの設備で行おうというのが本来の考え方です。

信頼性

設備の信頼性を示す尺度として平均故障間隔故障度数率という尺度があります。

平均故障間隔(MTBF)

平均故障間隔とはMTBF(Mean Time Between Failures)といいます。

ある故障が起きて、次の故障が起きるまでの設備動作時間です。

MTBF = 動作時間 / 故障停止回数

が定義です。

この値が高い方が、設備が健全に動いているという指標になります。

設備故障無しであれば∞ですね。

具体例で見ていきましょう。

mtbf

これは1年8000時間の運転で、故障した時期を示したものです。

動作時間が8000時間、故障回数が2回なので、MTBFは

MTBF = 8000/2 = 4000(時間/回)

という計算になります。

これは1回故障して修理した後、次に壊れるまでに4000時間掛かるという予想をするためのデータです。

設備をメンテナンスするのが3999時間なのか3000時間なのかの判断基準の材料にします。

故障度数率はMTBFの逆数

故障度数率はMTBFの逆数と思えばいいと思います。

故障度数率 = 故障停止回数 / 負荷時間

  • 故障しなけれゼロ、故障するほど値が高い。
  • 値が高い設備ほど保全を取り組む必要がある。

こういう意味を持ちます。

上の例では故障度数率は

故障度数率 = 2/(8000/8000) = 2.0(回/年)

となり、1年に2回壊れるというデータそのものが結果として得られます。

故障回数そのものですので、ごく一般的なデータです。

保全性

設備の保全性を示す尺度として平均修理時間故障強度率という尺度があります。

平均修理時間(MTTR)

平均修理時間とはMTTR(Mean Time To Repaire)といいます。

MTTR = 故障停止時間 / 故障回数

という定義です。

上の例では

MTTR = (8+32)/2 = 20時間/回

という1回あたり20時間の修理時間を要しているという意味になります。

故障停止時間をパラメータにすると、故障した時はダッシュで直さないといけないという焦りが出る可能性が危惧されます。

これを成績にする会社は多いでしょう。

壊れたら必死で治そうとします。

その結果、過剰な努力をする日本人が多くなることは容易に予想ができます。

故障強度率

故障強度率は

故障強度率 = 故障停止時間 / 負荷時間

で定義します。

これも指標としては分かりやすいですね。

上の例では

故障強度率 = (8+32)/8000 = 0.005

という結果になります。

生産機会の損失という意味で、シンプルで重要なデータです。

データ保全としての信頼性保全性

昨今、データ保全という概念が盛んに叫ばれています。

保全というとトラブルが起こったときに、現場で補修する人というイメージでしょうか。

事務作業が苦手な人が多いです。

あまり良いイメージはないでしょう。

高卒等の学歴が高くない人が行う仕事というイメージが定着しています。

ところが、保全はデータを大量に扱う知的な業務です。

修理作業を行う人とは別に、保全計画を立案する人は非常に大事です。

データを扱うためには、ちゃんとした勉強をしている人の方が有利です。

大卒・院卒の保全者にはそういう仕事が求められるべきです。

保全担当者は、工場内に意見を出そうとしたとき、データがなく現場の実情を感情論的に発信しがちです。

もしくは主張する術を知らず、受動的な仕事になりがちです。

保全担当者が、データを使って説得力のある主張が工場内に発信できれば、工場は変わります。

そのためのデータの1つとして、信頼性保全性は大事となるでしょう。

さらに理解を進めるには

化学プラントに対して設備の信頼性や保全性を考えるようになれば、以下の書籍にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

決して簡単な内容ではありません。

化学プラントは建設してからすぐに劣化との戦いです。

ここに設備の信頼性や保全性の指標は欠かせません。

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最後に

設備の信頼性・保全性の指標としてMTBF・故障強度率・MTTR・故障度数率を紹介しました。

MTTRは体感的なデータではありません。

製造部は故障度数率、設備部はMTBFや故障強度率を使います。

化学プラントの設計・保全・運転などの悩みや疑問・質問などご自由にコメント欄に投稿してください。(コメント欄はこの記事の最下部です。) *いただいたコメント全て拝見し、真剣に回答させていただきます。