生産技術エンジニアは、製造課をお客さんとした仕事をします。
上流工程が製造課、下流工程が設備メーカーや施工会社という位置づけ。
特定の部署にだけ好かれる嫌われるということは避けるべきですが、製造課に気に入られるとこんなにもいいことがあるという例をいくつか紹介しましょう。
これはオーナーエンジニアなら割と当たり前のことですが、意外にもできていない人の方が多いです。
頭一つ抜けるために、最初に抑えておきたいポイントですね。
製造課に気に入られるとは?
最初に、生産技術エンジニアが製造課に気に入られる、という意味を説明しておきましょう。
気に入られる人の特徴
以下のような特徴を持つ人が、製造課空の評判を得やすいです。
簡単に言うと、仕事ができるという意味です。
気に入られない人の特徴
逆に、製造課から気に入られない人の特徴も紹介します。
媚びを打って仲良しになって、プライベートで遊ぶというような意味ではありませんね。注意しましょう。
そこまで露骨でなくても、以下のような行動をとるエンジニアは結構います。
仕事の中身を理解するかどうかは、経験年数によっても変わってきます。
それでも行動や態度の面だけでも、製造課に対して真摯に向き合う姿勢は新入社員でもすぐにできることです。
これが製造課の信頼を得られる1つの鍵。
誰に気に入られるか
製造課の誰から信頼されるか、という点は1つのポイントになります。
ここはやはり課長です。
若いうちは中年世代の課長と年が離れていて、接するのは難しいでしょう。
それは逆に課長側も同じ。
そこにコミュニケーションを取ろうとするだけで、課長からは好印象を持たれます。
こういう人は課長経由で工場内でも良い評判として広がっていくでしょう。
仕事ができるけど課員とだけ接していて、課長とは距離を置く人は、課長からすると積極的には評判を広めようとはしません。(いいうわさは聞くけど、実際は良く分からない…と話題から遠ざけようとします)
昇進昇級や評価に直結する
製造課に気に入られた生産技術エンジニアの最初のメリットは、昇進昇級や評価です。
毎年の成績評価で、露骨に達成度として設定して記載するような会社は少ないでしょう。
ですが、評価上の隠れパラメータとして最強の要素に、実はなっています。
ABC三段階評価で、シートの記載上はどう見てもB評価なのに、なぜかA評価になっていた。
何かしら問題を起こしてC評価になりそうな時にも、B評価に救い上げてくれます。
これらの場合には、裏で製造課ファクターが効いています。
役職が上がる昇進をする場合には推薦理由書を書きますが、ここでは露骨に「製造課からの信頼も厚い」と書きます。
こう書くと、上位評価者である人事や工場幹部も、否定することができないわけですね。
部内の人間にしか分からない仕事の成果をアピールするよりも、対外的な印象の方が評価に与しやすいわけです。
評価者が製造課から「○○さんの印象はどう?」とは聞きません。
いろいろな場面で噂として名前が登場してきて、評価者の耳に入っていくものです。
キャリアの幅が広がる
製造課に気に入られた生産技術エンジニアは、確実にキャリアの幅が広がります。
生産技術だけのキャリア
例えば、普通の生産技術エンジニアだと、こんなルートが一般に考えられます。
- 生産技術の設計部門で、新卒から定年までずっと過ごす
- 生産技術の保全部門で、新卒から定年までずっと過ごす
- 生産技術の設計部門に新卒で配属され、ある時期に保全部門に片道切符で異動
- 親会社の生産技術から、子会社の生産技術に片道切符で異動
- 生産技術から、窓際部門に片道切符で異動
ほとんどのケースが、生産技術内で滞留していますね。
一定の年数まで経験して感度が掴めるようになったら、仕事内容が同じで給料もかなりいいという点で、恵まれているかもしれません。
モチベーションが上がることはないので、窓際族を大量に生み出すことになりますが、それでもヨシとする覚悟があれば、快適に過ごせるでしょう。
とはいえ、これでは結構なリスクを抱えます。
それが4番の子会社出向ケース。そのまま転籍というパターンですね。
生産技術でも機電系エンジニアは、常にこのリスクを抱えることになります。
一部の人は、子会社にいる方が良いと割り切ってしまいますが、そうなるのは50歳以降でキャリアの先が完全に見えてしまってからの方が良いでしょう。
30代40代のうちから子会社に行くと、戻れる可能性はそこまで高くはありませんからね。
製造課から気に入られた人のキャリア
一方で、製造課に気に入られた生産技術エンジニアは、この輪から抜け出すことが可能です。
- 生産技術から、製造部門に異動
- 生産技術から、生産企画系の部門に異動
- 生産技術から、窓際部門に片道切符で異動
製造部門や生産企画系への異動ルートができます。
この瞬間に、子会社への出向転籍の可能性はグッと下がることでしょう。
製造部門や生産企画系の部門に異動になると、そこからはいろいろなルートが考えられます。
生産技術の設計や保全のように、1つの部門に固定化されるわけではないので、仕事の質が良くなくても別の部署への異動が簡単にできます。
社内で簡易的な転職をしている感覚になるでしょう。
ある部署が自分にとても向いていると思っていても、長期的にその部署に居続けたら嫌な部分が膨張していって抜け出したくなる場合があります。
そういう時に、いろいろな部署に異動できるというのは、精神衛生の面でも好ましいですね。
自分の意見が通る
製造課に気に入られた生産技術エンジニアは、自分の意見が相当通りやすくなります。
何かトラブルがあって製造から呼び出しを受けることは、生産技術エンジニアにとって良くあることでしょう。
こんな場合でも
今ちょっと忙しいので後で。すぐに解決できるから
というように、相手に振り回されないで仕事ができるようになります。
会議設定をしようにも、製造課の時間都合ではなく、生産技術エンジニアの時間都合で設定できたりします。
これらは、生産技術エンジニアとしては、地味ながらかなり嬉しいことでしょう。
いろいろな事情があるにしろ、自分のしたいペースで仕事ができないのはストレスが溜まります。
個人的には、昇進やキャリア以上に、この恩恵の方が大事だと思っています。
情報が入ってきやすくなる
製造課に気に入られた生産技術エンジニアは、製造課経由で会社の情報がいろいろ入ってきます。
生産技術に比べて、製造課は非常に多くの情報が入ってきます。
この情報は自分に有効に働く場面が少なくありません。
興味がないと割り切る人もいますが、情報は入ってきて損をすることはほぼありません。
- 仕事で偉そうにふるまうAさんは、実はプライベートでは…
- 会議ではアピール強いBさんは、実務はほとんどダメ
- 近いうちにCさんが昇進して、Dさんが追い出される
こういう人の話は、良く知らない相手とコミュニケーションを取るときの大きな材料になります。
ハラスメントなど色々な問題が起こりやすい昨今では、相手のことを知って自分に有利になるような接し方をしていると、問題に巻き込まれにくくなるでしょう。
周りの人に興味がなく自分の仕事だけをしっかりこなしていれば、確かに問題はありません。
でも周りに興味がない人は、得てして仕事の質もあまり良くありません。
情報の入手の仕方・押さえておきたいポイントなど、自分で試行錯誤するよりは答えを持っている人から直接聞く方が速いですからね。
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最後に
生産技術エンジニアが製造課に気に入られた方が良い理由を4つ紹介しました。
製造課とコミュニケーションを密に取って仕事をしっかりすると、製造課から気に入られます。
その結果、評価がよくなったりキャリアの幅が広がったりします。
製造課に振り回されずに自分のペースで仕事がしやすくなったりもします。
製造課が持っているいろいろな情報を入手しやすくもなります。
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