PR
保全

TPMで見かける生産ロス|化学プラントで使う7つの種類

バッチプラント 保全
記事内に広告が含まれています。This article contains advertisements.

TPMでは生産ロスという単語を目にするでしょう。

製造業では生産ロスをできるだけ小さくすることは1つの目標です。

とはいえ、生産ロスの種類を上げればキリがありません。

化学プラント向けに解説した資料も少ないです。

そこで化学プラントでありがちな生産ロスを解説します。

食品廃棄物のイラスト

生産ロスの種類

生産活動におけるロスとして、一般的に言われている種類を列挙します。

  1. 故障ロス
  2. 段取り・調整ロス
  3. 刃具交換ロス
  4. 立ち上がりロス
  5. チョコ停・空転ロス
  6. 速度低下ロス
  7. 不良手直しロス
  8. 計画休止ロス
  9. 編成ロス
  10. 物流ロス
  11. 測定調整ロス
  12. 管理ロス
  13. 動作ロス
  14. 歩留まりロス
  15. エネルギーロス
  16. 治工具ロス

製造全般の表現ですので、ロスの種類は非常に多いです。

多すぎてみる気もなくします。

これに限らず、製造業の資料って本当に種類が多くて嫌になりますよね。。

この中から化学プラントで大事なものをランキング形式で紹介します。

1位 故障ロス

ロスと聞いて最初に思いつくロスが故障ロス

TPMでも最大のターゲットとしています。

設備を使う生産活動では、故障は必ず起こりす。

化学プラントのような装置産業では、他のウェイトが相対的に小さく、故障のウェイトが高くなります。

保全エンジニアの仕事は、この故障ロスを極小化する取り組みとも言えます。

  • 設備が故障しないように、TBMやCBMで管理する
  • BM対象の設備は壊れたら、予備品で速やかに処置する。

2位 不良手直しロス

2位は不良手直しロスです。

製造業どこでも発生しうるロス。

連続プラントでは相対的に少なく、バッチプラントでは高めです。

それでも装置産業での不良手直しロスは比較的少なめです。

というのも機械が比較的単純で、人が介在する余地も少ないから

がッシャンガッシャン動くライン製造業などを見ていると、不良率は高そうだなって思います。

化学プラントこのロスが出ると、後処理が大変。

一度ロスが出るとその量が多いから。

不良品を貯めこむ場所として貯留タンクがあればいいですが、そう都合よく設置しているケースは少ないでしょう。

廃油排水タンクとは違いますので。

ドラム抜きするのが一般的です。

そうするとどこかにドラム缶を積まないといけません。

その移動だけでも一仕事です。

3位 チョコ停・空転ロス

チョコ停・空転ロスは化学プラントではポンプ自動弁が良い例でしょう。

バッチプラントなら、ゼロではありませんが頻度は少なく、仮に起こっても影響度は低いです。

生産計画でカバーできているからですね。

1時間程度の停止が起こっても、長期バッチ運転で取り戻しが可能です。

24時間1バッチで運転するとして、22時間くらいが実運転時間であれば、残り2時間を12回積み重ねると24時間分をカバーできます。

生産ロスにカウントしない方が良いロス

生産ロスの中には、これは生産ロスとしてカウントしない方がいいのでは?と思うものがあります。

立ち上がりロス

立ち上がりロスは製造業なら必ず発生するロスです。

当然、化学プラントでも発生します。

このロスをゼロにしたり、コントロールしようとすることは現在ではほぼできないでしょう。

TPM前では立ち上がりで失敗することも多かったと思いますが、TPMの意識が高まり品質を作りこむ意識が定着し製法が安定確立すると、それ以上はどうしようもない世界です。

バッチプラントでは、設備洗浄で使用したユーティリティが立ち上がりロスに含めるかどうかという世界でしょう。

もしくはスタート後の数バッチは製品品質が安定しないという例もありますが・・・予め分かっているロスなのでカウントすべきではないでしょう。

計画休止ロス

計画休止ロスとはSDMの類のロスです。

これも製造業ならどこでもあるでしょう。

1年365日運転しているわけではないので当たり前。

だからこそ生産計画に盛り込みます。

これを生産ロスというのはどうかと・・・。

歩留まりロス

これも製造業では必ず発生します。

化学プラントでは収率という表現を使います。

これは原単位設定上も必須の概念。

収率を1%でも上げる努力を、化学プラントの研究者は必死に行います。

エネルギーロス

エネルギーロスも化学プラントでは非常に大きいです。

化学プラントは膨大な熱量を取り扱います。

膨大なスチームによる加熱・冷却水による冷却。

これらのうち、一部分は必ず無駄なエネルギーとして環境中に排出せざるを得ません。

参考

TPMは今さらという感覚が強いですよね。

当たり前と化している工場では必要ありませんが、まだまだ実践中という工場も存在します。

新入社員など初心者は以下のような本で勉強することもおススメです。

created by Rinker
¥2,200 (2024/12/21 01:33:34時点 Amazon調べ-詳細)

最後に

TPMで登場する生産ロスについてバッチ系化学プラントの場合を解説します。

故障ロス・不良手直しロス・チョコ停ロス。

立ち上がり・生産計画・歩留まり・エネルギーロスは個人的には生産ロスにカウントするべきではないと思っています。

たった3つに絞り込んでみると、当たり前のことを言っているだけですね。

化学プラントの設計・保全・運転などの悩みや疑問・質問などご自由にコメント欄に投稿してください。(コメント欄はこの記事の最下部です。)

*いただいたコメント全て拝見し、真剣に回答させていただきます。