化学プラントでよく使うタンクの構造に関する専門用語を解説します。新入社員など化学工場で初めて仕事する人にとっては専門用語の多さは、ハードルの高さになっていると思います。機電系エンジニアとして最初に理解しておきたい設備はやはりタンクでしょう。
「ここだけは理解しておきたい」という部分に限定します。
本体の名称
タンク本体の名称としては金属の板の名称が大事です。金属の板でタンクが構成されている以上、板に関する情報は最重要です。
名称ルールはかんたんで、天・胴・底とそれぞれ分割します。

上・側・下とそれぞれ呼ぶこともありますが、3つに分ける考え方は同じです。専門用語と呼ぶにはあっさりしすぎていると思います。漢字を知らずに音だけ聞いていると、少しわかりにくいかもしれませんよね。
3つの板は溶接でしっかり固定するのが基本です。
付属品の名称
タンクには形状を構成する板以外にも付属品が付いています。
メジャーな付属品は以下の3つでしょう。

ノズルはタンクに不可欠な付属品です。固体・液体・気体をタンクに入れたり出したりするために必要です。管台と呼ぶ方が正しいのかもしれませんが、私は意識して使い分けていません。
ステージとラダーは、一定規模以上のタンクの付属品です。タンクが大きくなれば、人が上部に寄り付くことができなくなります。そのアクセスのための設備がステージとラダーです。それぞれ踊り場と階段という場合もあるでしょうか。ラダーはステップと呼ぶこともあります。これはタンクのサイズに寄ります。
大きさが一定規模以下だと、ラダーもしくは猿橋子と呼ばれる垂直方向にだけ移動するタイプの昇降設備を使います。一定規模以上だと階段でらせん状に昇り降りする昇降設備です。階段の方が安全に昇り降りできますが、施工が難しくなり、コストも当然上がります。
ステージ/ステップとどちらのことを指しているのか分かりにくくなります。私は、ラダーと猿橋子が同じ意味で、階段とステップは同じ意味で使いわけをしています。
この辺の曖昧さが、化学工場の良い意味なのか悪い意味なのかは少しわかりませんね。
ノズルは本体と溶接で固定します。ラダーやステージは、接続金具を本体に溶接して、ボルトなどで取付します。運搬などがしやすくするためですね。
保温の名称
タンクの基本は本体と付属品でほぼ完成です。例外ではなく、ケースによって要否が分かれるものに保温があります。保温はタンク内の温度を一定に保つ目的で、例えば家の壁にも同じような物を付けたりします。
保温の付け方にもよりますが、保温を付けるかどうかをタンク製作前にはっきりしておかないといけません。保温をタンクに付ける場合には、以下のような構成になります。

保温という板をタンクの板の外周に巻き付けます。これを固定するためには、上面と下面に金属板が必要です。それぞれ水切りと保温止めと私は読んでいます。水切りは上部からの雨が保温にしみ込むのを防ぐため、保温止めは保温が下に落下するのを防ぐために設置します。肝心の保温自体はタンク側板に例えばナットなどを溶接しておいて、ボルトで止めます。
水切りや保温止めはタンクと溶接して付けることが一般的です。
金属板に別の物体を物理的に押さえつけるための、アナログな部品が必要になるということですね。一度作ってしまうと、後で改造しようとしても内部に危険物があるため不可能となります。溶接で火を使うと引火爆発を起こします。だからこそ、最初にしっかり決めて製作しないといけないということですね。
参考
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最後に
タンクの基本構造の専門用語を解説しました。本体/付属品/保温の3つに分けて説明します。
新入社員など初めての人はまずはここから理解すると良いでしょう。同じ物でも呼び方がいろいろあるのが、化学工場っぽいです。
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