化学プラントの機電系エンジニアのキャリアは、あまり広くはありません。
会社による部分が多いでしょうが、工場現場の生産技術系の仕事が会社人生のすべて、という人も多いと思います。
とはいえ、例外はあるのは確か。
最初に工場現場の生産技術に配属されてしまった化学プラントの機電系エンジニアには見えにくい、キャリアの可能性について解説します。
異動できるかどうかは運しだい・・。
工場の生産技術
化学プラントの機電系エンジニアは工場の生産技術系の仕事をします。
- 設備の詳細設計→メーカーに製作依頼→図面チェック
- 配管図の作成→チェック
- 工事現場での指揮監督
- 保全としての運転中のトラブル対応
ざっくりこういう系統に分かれるでしょう。
専任・兼任どちらにするかは会社によったり組織によったりします。
教育目的では、この4つの仕事全部を経験することで、機械系として工場現場をマスターしたと胸を張って言っていいでしょう。
何か1つでも抜けてしまうと、どうしてもバランス感覚が崩れてしまいます。
同じ職場でずっと働いていたら、そもそもそんなことすら気にならなくなって、惰性で仕事をするでしょうが・・・。
工場の生産企画
工場の生産技術から脱出するように、生産企画系の仕事をする人が居ます。
生産企画系の仕事は工場の意思決定に関われるので、生産技術の仕事を一通りマスターした人が異動しやすいです。
現場を毎日動き回る必要が無くなったり・・・
現場から要領を得ない依頼や、突発事項に対応したり・・・
製造から依頼を受ける立場から、製造に依頼する立場に変わったり・・・
確実に目線が変わります。
見積などで適切かつスピーディな処理ができたり、設計や保全の考え方をもっと俯瞰して見ることができたり、
生産技術としての仕事をさらにレベルアップさせることができます。
工場の製造管理
機電系エンジニアが、工場の製造管理者として仕事をするケースはあります。
純粋な化学反応をひたすら使うプラントでは、必ずしも多くはありません。
化学でも加工的な要素が入ったプラントや、化学反応をほとんど使わないプラントが対象となります。
化学工学を習得した機電系エンジニアだと、化学反応のプラントの製造管理者として仕事をするケースもあります。
工場の生産技術でも化学工学の勉強や実務をする機会は当然多いので、そこで目立てば製造管理者の立場を経験することも可能でしょう。
生産企画と同じで立場が変わるので、見える範囲が全然変わってきます。
研究の機械系分野
工場の生産技術部門に対して一歩後ろに立つ研究の分野も、機電系エンジニアの仕事としてあり得ます。
会社による部分は多いでしょうが、このケースは新入社員として配属されることが多いです。
というのも、工場→研究というルートは少なくても、研究→工場というルートが普通だからです。
志望する人の多さ、競争相手の問題。
大学や大学院を出た学生は、研究をしたいと思う割合が高いはず。
研究を志望しても現場に配属されてしまうのに、現場から研究に行こうとしたら狭いハードルを越えないといけません。
研究では、プロセス系・材料系など機械のバックグラウンドがあれば有利な仕事をすることでしょう。
ずっと研究というケースは少なく、現場や別の仕事に異動になる確率はとても高いです。
本社の生産技術
工場から離れて本社の生産技術系の仕事をするケースがあります。
出世コースです。
工場の生産技術からいきなり異動することは、かなり稀でしょう。
先に生産企画系や製造現場を経験してから、異動します。
そこで仕事をしてどこでもやっていけると認識されたら、初めて本社という感じでしょう。
というのも、本社の方が行きたいと思う人が多いから。都会は最高。
僻地の工場から脱出する数少ないケースです。
エンジニアリング専門
プラントのエンジニアリングを専門にする仕事をします。
プラントエンジニアリング会社と窓口になる部署。
バラコンが強い職場では専属の部署として設置していないかも知れません。
ゼネコンとのやり取りが多い会社なら、専属化しています。
一定規模以上の改造工事や建設工事はゼネコンに依頼し、技術的なやり取りをします。
社内のエンジニアの数と、投資の金額・量・質とのバランスによって、どこまでをゼネコンに依頼するかは分かれます。
スキルが身に付くかどうかは、非常に不安定。
ゼネコンの実力 > エンジニアリング専門 であるなら、ゼネコンの資料を現場やプロセスに丸投げして技術は習得できない
ゼネコンの実力 < エンジニアリング専門 であるなら、ゼネコンが資料を丸投げしてきて、手間が増えるだけ
どちらにしても、自分で直接動くことができずスキルとして習得するのは難しいでしょう。
人に依頼するというマネジメント的な要素は身に付けられるかもしれませんが・・・。
参考
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最後に
化学プラントの機電系エンジニアのキャリアは、工場の生産技術が多いですが、生産企画や製造現場の道もあります。
本社の生産技術やエンジニアリング専門の職場に行くこともゼロではありません。
研究は新入社員の時限定と思った方が良いでしょう。
運に左右されますが、道は一つではありません。その職場で頑張っていると別の道が見えてくるでしょう。
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