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配管設計で優先すべきことTOP5|化学プラントは選択肢が多い

配管設計ランキング 配管
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配管設計(piping design)の優先度について考えてみました。

非常に多くの種類と口径の配管が張り巡らされている化学プラント。

P&IDがきまって、さぁ配管設計をするぞ!というタイミングになって、途方に暮れる設計者もいると思います。

特に工期が厳しい時には、優先順位付けが大事になってくる局面もあるでしょう。

何から手を付けるべきかという思想的な部分をランキング形式でまとめてみました。

バッチプラントを対象にしていますが、考え方自体は他のプラントや建設でも当てはまるものが多いでしょう。

プラントの配管設計に限らず、プロセスエンジニアや製造管理者も関係する内容です。

1位 大口径配管

第1位は大口径配管です。

バッチ系化学プラントでは100A~200Aくらいを大口径配管と呼んでいます。

200Aより大きな配管(例えば250Aや300A)は、もはや配管とは呼ばずに装置と呼ぶ方が良いくらいです。

大口径配管が配管設計上大事なのは、いくつか理由がありますが最大の理由は「スペース

大きな石から瓶に入れなさい

これ聞いたことある人もいると思います。

瓶に大きな石と砂や砂利を入れようとしたときに、先に大きな石を入れないと入れる余地がなくなるという教訓めいた話です。

でもこれは化学プラントの建設プロジェクトでとても大事な話、

設計の自由度が高く選択の幅が大きい中から絞り込んでいこうとしたとき、土建→機械→配管→配線という目に見えるスペースの大きさを1つの優先順位にしていきます。

土建と機械は前後するかもしれませんね。

建設物の大きさを決めるために、反応槽などの大型設備のサイズを決めるからですね。

土建と機械で建設物のサイズを決めたら次は配管となりますが、ここでも大きい口径から選んでいこうという訳です。

その意味でも配管設計上の第1位に挙げました。

P&IDを書くときに新規ラインに100A以上があれば、配管がちゃんと通るかな・・・なんて現場のイメージを持つくらいでちょうどいいです。現場に行く前の机上検討段階でイメージしましょう。

スペースが一番大事な要素ですが、これは金額や納期が関連しているといっても良いです。スペースがなくて配管を回り道させれば当然金額は上がりますし、調達に時間が掛かる場合もあります。どんな設計要素でも金額と納期に結び付けれるという訳でもないでしょうから、ここではスペースという変わった目線で記載しています。

2位 グラスライニングとフッ素樹脂ライニング

第2位はグラスライニングとフッ素樹脂ライニングの配管です。

高耐食性で重宝する配管です。

長納期・配管の自由度が限定的という意味で、選択肢が少ないからこそ優先して決めておかないといけません。

ガラスもフッ素樹脂もどちらも長納期ですので、優先順位はとても高いです。

第1位であっても全然おかしくありません。

3位 粉体配管

第3位は粉体配管です。

粉体配管でも特に自重落下のラインがターゲットです。

スラリー配管も似た扱いですが、口径の違いという意味で粉体配管だけに限定しました。

粉体配管は大口径・スラリー配管は小口径だからです。

自重落下ラインを垂直に作らないと詰まりやすいです。

自重落下ラインは配管やホッパーなどの位置が限定されるので、配管設計段階でも雑に考えたら後で痛い目にあいます。

配管設計で失敗したら現地工事で少しくらい傾けてもいいだろう。。。という甘えは許されない世界です。

運転段階でオペレータが苦労します。安全安定運転の妨げとなりえます。

4位 ポンプ吸い込みライン

第4位はプロセスのポンプ吸い込みラインです。

これは多少の融通が利くでしょう。

スラリー配管の吸い込みラインは、タンクからポンプまで最短で組みましょう。

エルボで曲がりをいっぱい付けてしまうと、簡単に閉塞します。

切替工場ではポンプを多数配置する関係で、どのポンプを最優先で曲がりを無くすかが大事です。

ある製品ではポンプAがスラリー・ポンプBが清浄液でも、別の製品ではポンプAが清浄液・ポンプC(Bではない別のポンプ)がスラリーなんて使い方もします。

かなりややこしいです。

5位 長距離配管

第5位は長距離配管です。

長距離配管は配管ルートを決めるのが1つの要素になるからです。

プラント内外問いません。

ユーティリティpiping design

長距離配管の場合、配管を通す配管スタンドが少なくて限られます。

この意味では大口径配管と同じでスペースの問題となります。

距離が長いほど・通すルートが厳しいほど優先順位が上がると考えましょう。

その他

その他の配管は割と優先順位が低くても、何とかしようという気になります。

  • SGP・SUS304などの一般配管
  • 小口径配管
  • 装置の道中周りの短距離配管
  • ユーティリティ配管

こういう配管を設計するときは、多少緩い設計でも問題になることは少ないでしょう。

参考

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共通配管の考え

配管図チェックポイント

粉体配管

P&ID

最後に

バッチ系化学プラントの配管設計の優先順位をランキング形式で考えました。

大口径配管・グラスライニングとフッ素樹脂ライニング配管・粉体配管・ポンプ吸い込みライン・長距離配管。

プラント内のスペースの問題とプロセス上の問題が基本的な思考です。

そこに金額や納期の話が加わってくる感じです。

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