配管(pipe)の取外しについて解説します。
新品の配管を取付して取外すという作業としての話ではなく、一度でもプラント内で使った配管を取り外すときの安全上の話です。
内用液が水でも危険な液でも関係なく、一滴でも浴びないように徹底するためにできることを考えます。
ちょっとくらい濡れても大丈夫
こんな感じで雑に扱っていると、薬傷によって後々で思わぬトラブルが発生するかもしれません。
依頼主側は作業をしてもらう人に十分なケアをしましょう。
内容液を抜き終わって、パージも完了して、内部洗浄をした後で、その液もパージしている。
という前提を付けています。
これでも洗浄液が残っていて、綺麗な水とは言えずに微量に内用液が残っている(かも知れない)という状態です。
高い位置から遠くの場所から
フランジ取外し作業から見ていきましょう。
フランジからの液が人に掛からないようにすることは、とても大事です。
フランジ取外しは基本的に以下の条件を保ちましょう。
- 液が出る場所よりも顔は上に位置する
- ボルトは体から最も遠い側から外す
高い位置にある配管でも、足場を付ける対策を考えましょう。
取れない場合は、液を被る可能性があるので、液を被らないような保護具を付けましょう。
合羽・長靴・長ゴム手袋・全面鏡などの対策が必要になります。
末端処理(フランジ系)
フランジを割った後の配管を取り外すときの注意です。
液がこぼれてこないように末端処理をします。
王道はブラインドフランジです。
ガスケットを適当に付けてブラインドフランジを付けた配管であれば、末端から液が漏れてくる可能性はほぼゼロになります。
こんな感じで、高所の配管を下におろす作業でも、ブラインドフランジを付けていると安心です。
ブラインドフランジのデメリットは面倒。
フランジを割った後にブラインドフランジを付けようにも、配管をずらさないと取り付けができません。
この時に液が漏れてくる可能性はあります。
無理に力を入れることもあるでしょう。
どれだけ注意しても、完全には防げません。
- 漏れのリスクはほぼゼロ
- フランジ取付時に配管をずらさないといけない
末端処理(袋系)
末端処理の別のパターンがビニール袋などを使う方法です。
養生テープを使うこともあるでしょう。
一応は液の漏洩を防ぐことができます。
ただし、以下のような場面では要注意、
袋で末端処理をして安心して取外しをしようとしていたら、近くの障害物に当たって破れて、液が漏洩。
このリスクが常に付きまといます。
対策として袋を二重化するとか、テープを何回も巻くという方法も取れなくはないでしょう。
こちらのパターンを取る場合が多いような気がしますが、リスクはあるということは理解したいですね。
- 漏れのリスクはある
- フランジを割った瞬間に処理が可能
エレベータや重機を使って
配管の運搬は人手で行うシーンをよく見かけます。
これは新作ならまだ良いのですが、使用済み配管なら考えものです。
階段を使って運搬するとなると、非常に危険です。
エレベータがあれば積極的に使い、無くても重機で下すという方法を考えましょう。
参考
関連記事
配管取外しに興味がある方は、以下の記事をご覧ください。
最後に
化学プラントで一度でも使った配管を安全に外す方法について考えました。
洗浄後の液であっても触れることは危険と考えましょう。
顔より低い位置で遠い位置のボルトから取外し、末端処理を適切に実施します。
ブラインドフランジが安全ですが、場所によっては袋やテープでふさぐということもあるでしょう。
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