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化学プラントの配管工事で必須の洗浄方法まとめ|工場製作・現地組立・運転前の手順

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 化学プラントの配管工事では、設置した配管の清浄度が生産物の品質や安全性に直結します。工場での製作段階から現地組立、運転前の洗浄まで、それぞれの段階で適切な方法を選択することが重要です。
 この記事では、化学プラントにおける配管洗浄の基本的な方法と注意点を整理し、現場で役立つポイントをわかりやすく解説します。プラント建設の機会が少なくなった今、プロジェクト終盤で問題になりやすい洗浄問題に対応できる人は少なくなっています。

工場製作

工場製作段階の洗浄は通常の配管工事の洗浄と同じ、一般的な方法を取ります。

  1. 何もしない(目視点検のみ)
  2. ハンマリング+エアーブロー
  3. 水洗浄
  4. ブラシ洗浄その他

1の洗浄を何もしない配管というのは、現実的にはほとんどありません。常時外部に排出する排ガス配管など、漏れても汚れても影響がない部分に限定されます。仕訳が面倒なので、あえて洗わないという方法は取らない方が良いでしょう。

2は通常の配管で一般的に行われます。

3も2とセットで行うことが多いです。禁水系の配管であれば、水を通さないという選択として2だけで対応するということもありますが、ほとんどすべての場合は2と3はセットです。エアーブローと水洗浄を合わせて、スチームブローを行う工場もあるでしょう。ただし、熱傷などリスクが出てきます。

4ブラシ洗浄他特殊な洗浄はあるということだけ知っていれば良いでしょう。工場内での製作では対応できず、外部に依頼することになる場合が多いです。製作に時間と費用が掛かるような洗浄だということを知っておいて、計画するときに気が付けば良いと思います。

現地組立

現地組立では、施工者が洗浄に関してはあまりできることがありません。

  1. 水ブロー
  2. エアーブロー
  3. 薬液洗浄

洗浄方法としては上記がありますが、工事段階でできるわけではありません。というのも工事中に水がエアーが生きているとは限らないから。

安全上使えないようにしている工場もあります。エアーは工事管理を適切に行っていないと、周囲の作業員がケガをすることもあります。

薬液洗浄はもっての他です。プラント建設プロジェクトのように、工事会社が一から建設する工場で、危険な薬液が通った履歴のないプラントであれば、水ブローやエアーブローをできる可能性はあります。

特にエアー配管は、増改築工事でもエアーブローをした方が良いでしょう。そうしないと自動弁が詰まって動かなくなってしまいます。

工事段階でできることが少ないけども、工事上の品質を確保するためには、工事中の配管に異物を入れないという工夫が必要です。

工場製作後、現地取付まではブラインドフランジを付けておくということが思いつきますが、フランジの取外しは面倒です。代わりに端面に養生テープを付ける方法がありますが取り忘れの問題があります。

最終的には1本1本の配管を細かくチェックすることと、気密試験に頼ることになります。

運転前

運転前には配管の洗浄を行います。これはユーザーの運転の一環として行います。

  1. 水運転
  2. オイル運転
  3. 実液運転

水運転ではテンポラリーストレーナなどを付けて、異物を取り除くことを1つの大きな目的にします。オイル運転ではストレーナーの取外しをするために、配管を開放することが危険です。実液運転で異物が発見されると、大きな問題になります。水運転で徹底的に洗浄してしまうことが基本です。

特殊処理

たいていの配管では上記の方法で解決します。特殊な処理として2点紹介しましょう。

不働態化処理

不働態化処理は、製作した配管をプロセス液にあえて接触させて被膜を作る方法です。工場製作段階で処理してしまうパターンと運転前の洗浄で処理してしまうパターンがあります。どちらにしても、処理液に浸かった薬液の処理が問題になります。運転前であれば混ぜ込みなどの方法が考えられますが、貯め置きするタンクが必要です。

禁水処理

禁水系の物質を取り扱う場合は、水関係の洗浄ができません。もしくは洗浄した後で適切な処理が必要です。

  • エアーで徹底してブロー
  • 窒素で乾燥させる
  • ヒーターで温めたエアーでブロー
  • 配管外部をスチームで温めて、内部を乾燥させる
  • 溶媒などで置換する

禁水の性質にもよります。異常な反応や発熱をするという場合は温めてでも乾燥する方が良いでしょう。加水分解でも危険な反応ではなく単に損失が発生するという場合には、オイル運転で溶媒置換するなどの方法も考えられます。

参考

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さらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

最後に

化学プラントの配管洗浄は、段階ごとに適切な方法を選ぶことが重要です。

  • 工場製作段階ではハンマリング・エアーブロー・水洗浄が基本
  • 現地組立ではエアーブロー中心
  • 運転前には水運転・オイル運転・実液運転で最終チェック
  • 必要に応じて不働態化処理や禁水処理など特殊手法を活用

これらを理解して選択肢を整理するだけでも、工事品質と運転安全性が大きく向上します。

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