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配管

化学プラントの工事で起こりやすい品質トラブル

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工事では品質トラブルは大なり小なり発生してしまいます。

新しい現場や新しい人と仕事をするときには常にトラブルが起こりえますが、いつもの現場で同じ人と仕事をしていてもトラブルはゼロにはできません。

どういうことが品質トラブルになりえるか、経験したことをまとめました。

ボルトナットが配管中に混入する

化学プラントの工事中に起こる品質トラブルで最も多いものだと、個人的に思っています。

現場で配管を組み立てている時に、ボルトナットを間違って落としてしまって配管中に混入してしまいます。

ちゃんと配管から抜き出せばいいのですが、横着して配管中に居残ったまま工事を終わらせてしまう例があります。

意図的でなくても、気が付かないうちに混入してしまった例もあるでしょう。

配管のフランジ接続が多い現場ほど、リスクは高いです。

ボルトナットの混入は、グラスライニング設備などプラントによっては、設備を破損させる可能性もある品質トラブルです。

運転前の洗浄をしっかりしてボルトナットの混入が無いように注意しましょう。

錆が設備中に混入する

錆が設備中に混入するトラブルも多いです。

設備や配管を開放状態にしたまま、現場に置いてあって、周りで溶接をしているから起こるトラブルです。

接続するその瞬間まで末端の養生をしていれば防げる問題ですが、気を使う必要があります。

慣れていない作業者が多い現場だと、忘れ去られやすいですね。

施工会社の工事監督や品質管理担当者が中心に見てくれるポイントですが、ユーザー側のエンジニアも工事現場のパトロールで良くチェックしたいポイントです。

設備の部品を入れ忘れる

設備の部品を入れ忘れる品質トラブルも頻繁に起こります。

典型例が、ストレーナ。

ハウジングだけは現場に組み込むけども、中のストレーナは外に放置されたまま。

いざ運転するタイミングで気が付くというトラブルです。

現場に納入されるときに、分割納入されていて、据付を工事会社に任せていると起こりやすいです。

部品も含めてどこまでが一式の設備なのかをちゃんと確認して、工事手配を掛けないといけませんね。

結構面倒な作業であって、工事をするタイミングで都度確認していかないと漏れやすいトラブルです。

配管や設備の設置位置がズレている

配管や設備の位置がズレているというトラブルも起こりえます。

  • 配管の勾配が逆向きだった
  • 配管と設備の中心が一致しておらず、配管を強引に曲げている
  • 設備と配管の高さが合わない

配管で修正が可能な範囲なら問題になりませんが、解決不可能な場合に品質トラブルになります。

逆勾配になって液シールができてしまったり、粉体回りなど配管を曲げてしまって粉が流れなくなったり、運転してから問題に気が付きます。

そうなっては後のフォローがとても大変です。

工事図面にしっかりと記入して、施工中に細かくチェックしたり記録書を提出してもらったりと工夫が必要です。

建設工事のように施工会社が都度写真を撮ってくれる可能性は低いので、言葉通り足で稼ぐことになるでしょう。この辺がプラント工事で嫌がられる要因ですね。

正規のガスケットが入っていない

正規のガスケットが入っていない問題も良くあります。

耐食性が求められる配管では、例えばフッ素系のガスケットが必要なのに、テストや仮付けのためにゴムのガスケットを付けることがあります。

気密試験をして問題なかったから、ガスケットを入れ替えることなく、そのまま工事完成に持っていく。

運転を始めると、ゴムがすぐに腐食して、内容物が外部に漏れるトラブル。

配管フランジの数が多いと問題になりやすく、チェックが難しいです。

足場の上に乗ったり、設備の上に乗ったりして、1つ1つ確認していく体力勝負になります。

強弱をつけた確認を

プラント工事の品質トラブルは特に配管で起こりやすいです。

数が多いからチェックがとても大変。

でも、強弱を付けることは可能です。

プロセスラインなど製品品質に直結する部分やユーティリティラインはランクを上げ、廃棄処理するラインはランクを下げたり、工夫をしても良いかもしれません。

製造側から見ると全ライン100%にすることを求め、施工会社も100%を目指しますが、ユーザーエンジニアは、最低でもここだけは防がないといけないというラインを限定してチェックすることになるでしょう。

参考

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最後に

化学プラントの工事で起こりやすい品質トラブルをまとめました。

配管のトラブルが多く、ボルトナットが混入したりガスケットが間違っている問題が多いです。

逆勾配や中心がズレている配管は、チェックが難しいです。

錆の混入や部品の入れ忘れは頻度が少ないが大きな問題になりやすいです。

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