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埋設配管で考えるべき7つの問題

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埋設配管(Buried piping)について解説します。

化学プラントのように多くの配管を扱う場所では、埋設配管は1つの選択肢になります。

街中だと景観とかの問題で埋設配管を許容できるとしても、化学プラントだと埋設配管は極力使わない方が良いです。

それでも埋設配管を施工する場合には、デメリットをちゃんとしておきたいです。

ヒントは長期目線。

10年程度のスパンではなく40年50年先を考えて設計するかどうかです。

埋設配管(Buried piping)は水以外は不可

埋設配管は基本的には水以外は通してはいけません。

水でも綺麗な水に限定されます。

工業用水・チラー水・循環水・スチームです。

化学工場で扱う多種多様な薬液は、何も処理しないで地球環境に放出していい物ではありません。

排水・廃油のようなプロセスで発生した薬液も同じです。

流せる内容物が限定されているので、埋設配管による空間スペースのメリットは実はほとんど享受できません。

どこを通っているか分からない

埋設配管にしてしまうと、どこを通っているか分かりにくくなります。

ちゃんとした配管図などをしっかり残しておかないと、後で困ることになります。

配管ルート図のような、大体この辺りを取っているよという図面だと、何かあった時に困ります。

目に見えない地下に配管を通す以上、後で分かるようにしたいですよね。

この図面がしっかりと長期間にわたって保管できる会社はそうは多くありません。

今だとDXの流れで電子化しようとして、無くなってしまいがち。

いつ漏れるか分からない

埋設配管だと、いつ漏れるのか分かりません。

外面を観察することができないので、外面腐食の程度を読むことができません。

もともと配管は内面を簡単に観察できないので、内面の腐食や肉厚低下を知ることが難しいです。

せめて外面だけでも・・・。

そう期待するのが保全なのに、最後の頼みの綱である外面も分からない。

これで運転を長期間継続しようとすると不安が勝ってしまいそうですね。

漏れているかどうか分からない

いつ漏れるかも分からなければ、そもそも漏れているかどうかも分かりません。

気が付かないまま漏れ続けている。

それが水やスチームであっても、コストが掛かります。

あえて見て見ぬふりをしている可能性があるかも知れませんね。怖いです。

掘って埋めるのに時間が掛かる

埋設配管は埋設なだけあって、掘ったり埋めたりする必要があります。

これが大変です。

一度埋設した配管に漏れを認め、位置を何とか特定できたとしても、その地面をるのが大変です。

その期間その道路は使えません。

原料や廃棄物の運搬・工事資材の搬入などに影響を与えます。

数日から一週間程度の話かもしれませんが、工場の運営という意味では結構の問題です。

補修が大変

埋設配管は補修も大変です。

フランジやガスケットが使えれば配管の補修としては楽ですが、地面の下なので漏洩の問題が出て使えません。

溶接での接続が基本となるでしょう。

埋設した配管に漏れがあった場合、配管を切断して再溶接しないといけません。

低い位置で狭い場所での溶接なので作業自体も大変です。

それ以上に、化学工場では酸欠の問題があります。

危険物のガスが滞留している可能性があります。

地面だから問題ないだろうと、酸素濃度を測定せずに地面に入ってしまって酸欠。

酸素は問題なくても、危険物のガスが侵入してきて引火。

地面の下にあるというだけで、危険リスクはグッと上がります。

被害範囲が広い

埋設配管は、そこで何かあっても簡単に止めることができません。

被害の範囲が広いです。

水や蒸気のように工場の幅広い場所で使うからです。

頑張って地面を掘って直そうにも、止めるタイミングが無くて止めれない。

そのための生産調整に時間が掛かります。

各所にピットを作ってバルブを付けますが、狭い場所なのでバルブ操作が大変だったり、バルブのグランドなどから漏れが起きたりします。

参考

埋設配管は化学プラントでは基本的に採用すべきではありません。

工場内のどこに配管を通すかという選択になるので、配管設計の思想だけでなくプラント全体の設計が必要になってきます。

以下のような書籍がおススメです。

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最後に

化学プラントで埋設配管を使うことの難しさを解説しました。

水系に限定されて空間的なメリットは少なく、ルートが不明・腐食の程度も不明・補修に時間が掛かる・生産への影響が大きいと、デメリットはとても多いです。

一度埋設配管を作ってしまうと、後で変更が難しいです。

健全なうちは問題ありませんが、何十年と経ったときに大きな問題として浮上します。

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