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設備屋の割合はどれくらいが適正?|設備/製造

設備と製造の割合 キャリア
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工場の設備屋(engineer)と製造屋の割合について解説します。

設備系/製造系の割合(設備屋比率)は装置産業で出てくる発想のようです。

(設備系の人数) / (製造系の人数)

この数字は業界や会社によって多少の差があります。

この差から逆に運転や設備の思想をある程度読み取れるかもしれません。

大勢と大勢の戦いのイラスト(棒人間)

設備系と製造系の比率の考え方は、会社によって分かれる部分があります。同じ設備管理を取っても生産技術に所属する設備管理と、製造部に直結した設備管理の2つに役割を分ける組織もあります。この場合、設備系の人数の幾人かは製造系の人数としてカウントされます。

化学プラントの設備屋(engineer)比率

化学プラントの設備屋比率は0.3から0.6です。

結構な差がありますね。

私が働く職場では0.2くらいのようです。

計算を簡略化するため、事務職組は除外しています。

設備屋の人数

1プラント辺りの必要な設備屋の人数を考えてみましょう。

バッチ系化学プラントではこれくらいの人数が必要だろうという推測です。

機械2
電気1
計装1
土建1
設備屋の人数

合計すると5人です。

この人数は工場の特性などによって多少の差がありますが、劇的な差はありません。

製造屋の人数

製造屋の人数は同じ化学プラント・同じ生産方式でも結構差があります。

例えば私の所属するプラントだとこんな感じです。

主任1~2
班長4
一般4~24
製造屋の人数

合計すると9~30人です。

バラつきが大きいですよね。

単純計算である設備屋比率は

5/9~5/30 → 0.16~0.56

となります。

一般に言われている0.3~0.6という数字とかなり近いですよね。

これを見るとほぼオペレータの人数に依存するだけでは?と見えるでしょう。

設備屋(engineer)の人数の考察

設備屋の人数は1プラント辺り5人と考えました。

たった1つしかプラントを持っていない工場で、5人しか設備屋がいないということはあり得るでしょうか?

ちょっと厳しいと思います。

というのもその1人1人に依存した仕事になってしまうから。

本当ならそれぞれの職種に+1人したいところ。

そうすると5人→9人という構成になります。

プラント数が増えるほど、兼務者が増えていって5人に落ち着いてくると考える方が良いでしょう。

設備屋とプラント数

例えば設備屋が100人いる工場では、100/5=20程度のプラントがあると考えます。

設備屋が20~50代まで平均的に分布していると考えると、各世代に25人います。

世代小計機械電気計装土建
20代2510555
30代2510555
40代2510555
50代2510555
合計10040202020
設備屋の世代分布

設備屋の役職

一般に管理職が管理できる直属の部下は10人くらいが限界だと言われています。

例えば、上の例で機械40人がいる組織では、

課長は40/10=4人程度必要でしょう。

部長が1人で課長10人を従える格好になります。

競争相手

設備屋の昇進と競争相手をちょっと見てみましょう。

課長に上がる世代は40~50代です。

例えば上の機械屋の場合、20人のうち4人が課長に上がって残りは主任止まり。

こう考えると競争相手は相当多いですね。

実際にはこんなに綺麗な年代分布にはなりません。

それでもキャリアプランの参考にはなると思います。

とくに1世代10歳で考える思考は、その組織で生き残るか別の道を探すかという視点ではとても第jぢエス。

これは実は組織のエースを育てるときの考え方でもあります。

製造屋の人数の考察

製造屋の人数はいくつかの大きな制約があります。

  • 4直3交代だと主任が4人必要
  • 各直に何人必要かで4の倍数で人数が変わる

交代勤務で4班に分かれると人数分布は4の倍数で変わっていきます。

最低でも各班に2人は必要です。

これはオペレータとしてボードマン1名とフィールドマン1名が絶対に必要だからです。

フィールド作業をゼロにしない限り、この2名体制が最小です。

仮にフィールド作業をゼロにしたとしても、2名体制は無くならないです。

というのも食事休憩などの時間や相互安全確認が大事だからです。

製造屋も設備屋と同じように年齢構成や競争相手の話題も出ますが、結構な差があって一般化しにくいです。

特に製造屋は一定の世代になると配置転換ローテーションがあるため、設備屋のように一生食っていける職場とも言い難いです。

設備屋(engineer)比率の考察

設備屋比率の考察をしてみましょう。

0.3から0.6というのが一般的な化学プラントだということは述べました。

設備屋比率が高い場合

極端に比率が高い例として、設備屋9人製造屋9人の設備屋比率1.0というのは考えられます。

  • 小さな工場
  • 1プラントしかない
  • 現場作業が少ない
  • 自動化が進んている

こんな特徴がある工場だと設備屋比率1.0は考えられます。

でも、ブラック的要素が強いJTCでは、この環境で設備屋人数9人はさすがにありえないでしょう。

スキルアップの名のもとに電気と計装を兼務したり機械と土建を兼務したりして、設備屋人数5人くらいに落ち着いてくるはずです。

これで設備屋人数0.6近くです。

設備屋比率が低い場合

逆に設備屋5人製造屋30人の設備屋比率0.16というのは相当低い例でしょう。

この場合、

  • 設備屋が無理をし過ぎている
  • 製造現場が自動化が進んでおらず人海戦術をしている

という2ケースが考えられます。

3K作業である製造オペレータを希望する人は少なくなり、少子高齢化もあってDXなど自動化を進める流れがあります。

このために設備屋比率は下がりすぎることないでしょう。

プラント数

この記事で何回か出てきたプラント数。

どうやったらわかるでしょうか?

簡単ですよね。

google mapです。

これで大体わかります。

石油化学コンビナート等災害防止法とそのレイアウト規制を見れば、推定が可能です。

分割通路が7000m2ごとに必要ということから、1プラントは7000m2以下である確率が非常に高いです。

google map上で道路で囲われた部分を数えそこのプラント建屋の数を拾えば、プラント数はある程度計算できます。

最後に

化学プラントの設備屋比率から分かることをまとめました。

化学プラントの設備屋/製造屋の割合は0.3~0.6くらいです。

比率が高いと設備屋が過剰か自動化が進んでいる証拠で、比率が低いとその逆です。

製造屋の人数は少なくなっていく方向なので、自ずと比率は高い側にシフトするでしょう。

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