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化学機械

グラスライニング設備を扱うときに気を付けること

グラスライニング設備の注意 化学機械
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グラスライニング設備の取り扱い方の話です。

基本的にはメーカーの取扱説明書に従いましょう。

場面場面で気を付けるポイントが違いますので、それぞれ重要な場面を押さえておきましょう。

とっさに間違った行動をとってしまって、トラブルに繋がったりします。

耐食性が高いグラスライニングですが、その分注意しないといけないということですね。

運転

運転時に注意することをまとめました。

現場で行う作業は、工事という扱いで別に紹介します。

急冷・急熱はダメ

グラスライニング設備の急冷・急熱は駄目です。

ガラスが壊れます。

メーカーによってルールはありますが、内部温度とジャケット温度の差が100℃以上あると危険です。

さらに温度変化もガラスが割れる要因になります。

1分間当たりの許容温度変化速度をメーカーによっては定めています。

内部温度とジャケット温度の差が100℃という関係を守っていたら、基本的には温度変化速度も許容範囲内に入ります。

そのはずですが、温度変化由来の故障が起こったりするのがグラスライニングです。

温度については特に慎重になりましょう!

アルカリは基本ダメ

グラスライニングはアルカリには弱いのが基本です。

運転時にpH調整をすることは一般的ですが、アルカリに傾くような調整は控えめにしましょう。

例えばpH10~11に調整するプロセスでも、液の加え方によって危険性が違います。

pH13のアルカリ液に、酸を加えて調整する

pH3の酸の液に、アルカリを加えて調整する

ガラスのことだけを考えると、下の酸の液にアルカリを加える方が適切です。

プロセス的にアルカリに振らざるを得ないものもあるので、絶対にこうしなければいけないというわけではありませんが、pH調整をするなら・・・という意味で捉えてください。

アルカリに調整するとしても、徐々にアルカリを加えていって調整していきましょう。

少し行き過ぎたときには、酸を入れることで再調整ができるようなプロセスが望ましいですね。

硬い固形分の投入は慎重に

粉体の投入をする場合は慎重になりましょう。

タンクや撹拌槽などに投入する時、一般には液体を張った状態で粉体を投入します。

溶かしやすくするためですよね。

ここで、液体の量はどれくらいあれば十分でしょうか?

溶解度やスラリー濃度などの目的濃度が設定されているでしょう。

運転によっては所定の液量より少なくなる場合が考えられます。

この場合でも、後で液を補充して目的濃度にしさえすれば大ごとになりません。

逆に問題となるのが、硬い固体分を投入する時。

液量が少ない状態で硬い固体を入れてしまうと、液体がクッションの役目を果たさずに、硬い固体がグラスと衝突してグラスを割ってしまいます。

この場合に、後で液体を補充しようが、割ってしまったグラスは元には戻りません。

ちょっとくらい液量が少なくても良いだろう。

この楽観的な発想が失敗に繋がるかも知れませんよ。

内部洗浄

運転が終わって内部洗浄をする時には、気を付けることがとても多いです。

取扱説明書にも記載がされているでしょう。

入る直前に靴を履き替え

グラスライニングの槽に入るときには、靴には特に注意しましょう。

靴の底に石などが挟まっていると、これが原因でグラスに傷が入ります。

それを避けるためにも、ゴム製の長靴を使うことが普通です。

スパークテストなどで静電気的な影響を受けないためにも、滑り止めが効きやすいという意味でも、ゴム製は重宝します。

長靴への履き替えは、マンホールのすぐ手前で行いましょう。

マンホール手前の床面にウエスを敷いて、その上に長靴をセット。

そこで安全靴から長靴に履き替えます。

ウエスを引かないと、床面のごみを長靴が拾ってしまうかも知れませんからね。

物は最低限だけ持ち込む

物の持ち込みは最低限にしましょう。

洗浄道具は員数管理ができるように、リスト化しておきます。

物の運搬は非金属のバケツ上の形のものに、ロープを垂らすことで、行います。

金属だとガラスを傷つけてしまいますからね。

バケツにもチェックリストを同封しておきましょう。

装置に入れる前に確認です。

時計とかボールペンとかも基本的には禁止です。

ポケットなどに物を入れることもNGです。

洗浄する時は、使い捨ての保護具などを使うため、ポケット内に物があっても良いと思うかもしれませんよね。

例えば、ボールペンとかだと、何らかの拍子に向きが変わって服を破ってしまうことも考えられます。

とにかくガラスを傷つけるもとになりそうなものは、持ち込まないことが原則です。

槽内に入る前に、ポケットを手で触って確認しましょう。メーカーさんは基本的にやっています。

出る前と出た後に持ち物確認

持ち物確認は、出る前も出た後も行います。

洗浄道具など決まったものはリスト化して、確認します。

臨時に持ち込む場合は、1人チェックではなく、他の人とダブルチェックをしましょう。

小さな物ならタンク底に残っていたりしますので、注意が必要です。

工事

グラスライニング設備の工事でも気を付けることは、いっぱいあります。

物の落下に備えて設備養生

タンク外面の金属部に衝撃を与えるだけでも、グラスライニング設備は割れることがあります。

例えば、高所からボルトを落としただけでも、グラスライニングは割れます。

設備の上部で屋根を設置するなど高所作業が多い場合には、装置上面を保護しましょう。

グラスウールなどで覆ってしまうのが確実です。

火を使う場合は防炎シートでガード

火を使う工事を近くでする場合は、防炎シートでガードしましょう

火炎や火花がタンク外面に当たることで、タンクが熱を持ちグラスライニングが割れる可能性があります。

防炎シートなどのカーテンで覆うことが大事です。

さらに、散水すると良いでしょう。

できることは徹底して行い、トラブルを防ごうとするのがグラスライニング設備を扱ううえでの基本です。

吊り上げ吊り下ろしはゆっくりと

グラスライニング設備の吊り上げ吊り下ろしは、特に慎重にしましょう。

大型装置を重機で扱う時は、地切りなど慎重に行うのが基本です。

特にグラスライニング設備は慎重にしましょう。

金属タンクなら多少触れて周囲設備にぶつかっても、影響がないことが多いですが、グラスライニング設備は別です。

ガラスが割れる恐れが十分にあります。

衝突して割れてなくても内部でダメージが残っていて、寿命が短くなるというケースもあり得ます。

普通の設備に比べて慎重度を増して取り扱いましょう。

グラスライニング設備に慣れている施工会社とそうでない会社では、この辺りの意識は全然違います。

ユーザーの方が目線だけは厳しいという場合はありますので、ユーザーも自信をもって立会をして指摘しても良いと思います。

参考

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最後に

グラスライニング設備を扱う時に気を付けることをまとめました。

ガラスの割れが気になります。

温度と衝撃には特に注意が必要です。運転・洗浄・工事いずれの場面でも要因となります。

運転時にはpHも問題になるので、アルカリ側は注意しましょう。

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