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化学工学

ガス拡散のシミュレーションを見る前に知っておくこと

拡散シミュレーションの前 化学工学
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ガス拡散のシミュレーションが高度化していますよね。

昔は計算式だけでの評価でしたが、数値計算が高度化しているので、簡単なシミュレーションならすぐに行えるようになりました。

可視化して分かりやすくなり、身近なものになりました。

結果を見て議論をしたり考えたりすることは素晴らしいことですが、その前に基本的な事項は押さえておきたいですね。

周辺地域への影響評価

拡散シミュレーションは、対象となるガスが周辺範囲にどういう影響があるかを可視化するものです。

化学プラントのように有害ガスが発生する可能性がある場合に、そのガスが周辺地域にどういう影響を与えるかを考えるものです。

拡散

計算で大事な要素を並べましょう。

  • ガスの種類
  • ガス発生量
  • 風速
  • 距離

このほかにも多くの要素から計算されます。例えば気温・発生時間・地面の状態・周囲建築物の影響などなど。

シミュレーションだからこそそういう影響を考慮できますが、ガスの種類・発生量に対してどれくらいの距離まで拡散するかが基本です。

ガスの種類

ガスの種類は検討段階で固定化されているはずです。

処分方法が決まっていないとか、さらに処分を検討するという方法も残っていますが・・・。

ガスの発生量

発生量は2パターン考えられます。

通常の処理状態で発生する量と、設備トラブルなどで発生する量です。

どちらのケースで考えるかによって、結果は大きく変わります。

前提条件としてしっかり認識しておきましょう。

風速

風速は大きいほど、拡散範囲が広くなります。

遠い距離まで有害ガスが到達する可能性があり、風速は早いケースを先に考えておきます。

風速が遅いケースも影響が出る可能性があるので、早い・遅いの2パターンは見ておきましょう。

距離

距離はガス発生源から敷地境界までをターゲットにします。

その距離より遠い範囲でガス濃度がどうなるかをシミュレーションしていきます。

距離が遠くなるほど希釈されるので、プラント建設などではガス発生源から敷地境界まで遠くにすることが原則です。

垂直断面で見えること

拡散シミュレーションで見えることのイメージを紹介します。

垂直断面から見ていきましょう。

横面

このように、煙突から発生したガスは風に乗って拡散されていきます。

濃度の濃さに応じて何種類かの色分けをしていて、人体に有害でない許容濃度を示します。

煙突が高ければ高いほど、地面に到達するまでに希釈されていきます。これも設計要素ですね。

敷地境界を示しておき、境界線外側でどういう濃度になるかを、可視化できています。

水平断面で見えること

垂直断面ではガスの拡散流れが全体的に見えます。

ですが、興味がある人体にとって有害であるかどうかを見るには、水平断面側の情報も大事です。

煙突高さの断面1と地表面の断面2それぞれで切ったときの、ガス濃度分布を見てみましょう。

断面

煙突高さの断面1ではガス濃度の濃淡が分かれます。

地表面では薄まった状態になり、この例では敷地境界外に許容濃度限界ギリギリの部分がありますが、それは許容可能。その他の領域は許容濃度よりも薄まっていてより安全という結果になります。

発生量が多いと、敷地境界外に濃度の濃いスポットができてNG。

何かしらの対策を必要とします。

風速が低い時に、敷地境界内でスポット的に濃度が濃い場合が考えられますので、しっかり確認しておきましょう。

近隣地域の一般住民の方は問題なくても、工場内で働く人に有害となっては、それはそれでNGですからね。

人だけで良いのか?

拡散シミュレーションでは、人への影響を最初に考えます。

高さも地面や地面+1mなど比較的低い場所を考えます。

この検討だけでは不十分で、他の要素も追加で考えましょう。

例えば建物が高くて腐食や汚染される影響がないか、近くに木や林があって枯れる恐れがないか、海や川への影響は・・・。

人への影響だけでOKという安易な判断にならないよう注意しましょうね。

参考

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最後に

ガス拡散のシミュレーションを見る前に知っておくべき基本を紹介しました。

周辺地域へのガスの拡散影響を見るためのシミュレーションなので、ガスの種類・発生量・風速・距離がメインです。

ここに気温・発生量・地面の状態などのファクターを入れて計算をするのがシミュレーションです。

地面など人に影響がある部分での評価を最優先させましょう。

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