プラントエンジニアとして化学会社の現場で活躍するには、どんな性格やスキルが求められるのでしょうか。
本記事では、実際に化学会社で働くエンジニアの経験から見えた「向いている人の共通点」を解説します。自分の適性を知りたい方や、これからプラントエンジニアを目指す方に役立つ内容です。化学会社のオーナーエンジニアしてのプラントエンジニア向けの内容なので、プラントエンジニアリング会社とは少し違うかも知れません。
自分の能力限界を見極められる
自分の能力限界を見極められる人は、プラントエンジニアとして向いている確率が高いです。

自分なんて、どうせできないから・・・
こういう見極め方ではありません。

これは自分にできる、あれは自分にはできない
できること・できないことを明確に自分の中に作れる人のことです。機電系のプラントエンジニアとして化学会社に入社すると、できることの方が少なくて打ちひしがれるでしょう。その中でも、自分にできることを若いうちから作れる人は強いです。
1つでも強い点を作っていってその限界を見極められるようになれば、他の分野でも求められることや自分が達成できる限界を知れるようになります。担当する分野が多いからこそ、全部をマスターしようと思う必要がなければ、少しのミスが続いただけで全部ができないと思う必要もありません。
例えば私の場合なら、数式を使ったモデルやExcelでの計算はとにかく自信がありました。熱交換器の伝熱計算は入社2年目くらいでそこそこできていました。そこからエンジニアリングの計算系はできる分野だと認識していきました。
逆に現場の運転方法などはとても苦手でした。自分にはそこは向いてないかも・・・と割り切ってしまいました。結果的には後で運転方法もかなり理解できるようになりましたが、若いうちは諦めていましたね。
会話に苦痛を感じない
会話に苦痛を感じない人は、プラントエンジニア向けです。パソコン上での検索や本での勉強ももちろん必要ですが、会話ができる人は伸びが違います。学校でお話が好きだった人や自分から話題を振るような人は、有利だと思います。
そこまでいかなくても、話しかけられたらちゃんと答えて話題を広げれるような人であれば、十分だと思います。話題が振られても「そうなんですね~」くらいで会話を終わらせてしまう人は、結構損します。
機械系の知識がちょっとある
プラントエンジニアであれば機械系の知識はあった方が良いです。大学院の知識は要りません。大学の知識があれば十分。むしろ高専の方が有利かも。
深い知識は不要なので、それぞれのテーマが何を話題にしていて、どういう結論であるかさえ分かっていれば良いと思います。例えば熱交のU値が、熱の伝わりやすさを示すものだということを知ることは大事ですけど、境膜伝熱係数の計算ができることは必須ではありません。そんなことよりも学ぶべきことはいっぱいあります。
製造部の立場を考えられる
会話ができることに近いですが、製造部の立場を考えられる人は強いです。プラントエンジニアであれば、製造部から無茶な依頼を受けることも多いです。
ここで相手の立場を考えられる人は、依頼元の製造部がどれだけの目に合っているかを想像します。製造部と会話してその苦労を知ろうとします。会話をしていく中でお互いの状況を認識していき、妥協案を探りやすくなります。

とにかくやってくれ!

ここまでならできるけど、それでいいですか?
こんな感じで相手が望むものを知り、最低限のゴールを探れたりします。もともと無理を承知で依頼していたりするから、少しでもできる対応をしたら有難いと思ったりするのが製造部です。
3現主義を基本にできる
プラントエンジニアは3現主義が基本です。
- トラブルがあればすぐに現場
- 1日に1回は現場の人と会話する
- 1日に1回は現場で疑問点を見つける
こういうことができる人は、現場の信頼感を得やすくなります。トラブル時にすぐに来てくれるエンジニアは頼りになります。安心感が違います。現場の信頼感を得られる人は、会話もしやすくなり情報も入ってきやすくなり相談もしやすくなります。
とにかく上司に相談する
プラントエンジニアで、とにかく上司に相談できる人はとても強いです。抱え込むエンジニアがとても多い現在。細かな事でもすぐに上司に相談する部下は、育ちます。机の上でジッとしている人に比べると、数年でかなりの差が出ます。
上司側から積極的に声をかけていかないといけない今では、その労力を削減してくれる意味でも助かる存在です。もっとも相談するためには、言語化ができたり危機感を持っていたり自分の立場を知ったりとそれなりの経験が求められます。
分からなくても行動できる
プラントエンジニアなら、分からなくても行動できることは1つの武器です。全部が納得できないと行動できない人は増えてきました。これはプラントエンジニアとしては、不利に働きます。
というのも、与えられた課題を全部理解するという状況に至るには、とても多くの知識が求められるからです。とりあえず動き出して、情報が集まってきてから軌道を修正することができる人は、プラントエンジニアとしてとても強いですね。
上司の立場からしても、100%教育しないと動いてくれない部下と、30%で動いてくれる部下なら、後者を好みます。
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最後に
プラントエンジニアに向いている人には、以下の特徴があります。
- 自分の能力限界を見極められる
- 会話に苦痛を感じない
- 機械系の知識がある
- 製造部の立場を考えられる
- 3現主義を基本にできる
- 分からなくても行動できる
- とにかく上司に相談する
全てを持っている人は少ないですが、3~4個でも十分に有利に働きます。自分の強みを理解し、現場での行動に活かしましょう。
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