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化学機械

カスケードポンプで液体を小流量で送る方法

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10L/min程度の小流量で固定してポンプで流したい。

100L/min程度で流すことが多い化学プラントで、たまにこういう問題に出会います。

小流量を流すだけなら、確実なのはヘッド送液で流量調整弁により調整すること。

これをポンプでせざるを得ないという時に、どういうポンプを選べばいいでしょうか?

その答えの1つがカスケードポンプです。

この記事を読むと、カスケードポンプを使う場面とその理由を知ることができます。

低流量ポンプ

カスケードポンプは低流量で液体を送るポンプです。

低流量・高揚程という性能があります。

普通の渦巻ポンプが高流量・低揚程だとすると、電気エネルギーをポンプで流体エネルギーに変換するときに、流量と揚程のどちらに配分されるかという違いがあります。

これを羽根車(インペラ)で実現しているだけ。

そう考えると、過剰に難しく考える必要はないですね。

バッチプラントでは高揚程が求められることはあまりありません。

純粋に低流量が求められます。

これは、反応に必要な液を徐々に送ることで、反応制御をする狙いがあるからです。

高揚程のカスケードポンプで圧力が高くなってしまった液を送ってしまったら問題がある場合、例えばポンプの弁開度を絞る・背圧弁を付ける・オリフィスを付けるなどの意図的に圧力を落とす工夫で対応できます。

通常のポンプとの違い

低流量で液体を流すことを考えるとき、通常の渦巻型ポンプを使おうとするでしょう。

プロセスポンプであるキャンドポンプやマグネットポンプが50~100L/min程度での運転を想定していて、これらのポンプが既存で設置されていたとします。

そのポンプで10L/minで送りたいということは、可能でしょうか?

ポンプ能力をチェック

まずは既存のポンプ能力をチェックしましょう。

流量調整弁などのシステムだけで10L/minを仮に実現できるとしても、ポンプ能力に合致していないと意味がありません。

ここで確認するのはミニマムフロー。

データシートに記載されています。

無い場合は、メーカーに問い合わせましょう。もしくは性能曲線から判断しましょう。

要求流量がそのポンプのミニマムフロー以上であれば、問題ありません。

流量設定を適切にすれば、解決です。

循環を活用

要求流量が、使おうとしているポンプのミニマムフローより小さい場合を考えましょう。

バルブを絞るなどで頑張って流量を調整しても、ポンプが故障してします。

こういう場合は循環を活用します。

ポンプフィード

ポンプ能力が100L/minとしたとき、青の送り側は10L/minで、赤の循環側は90L/minで流します。

電気代がもったいない気がしますが、これくらいの小さな流量ならあまり問題にはならないでしょう。

これで解決する確率が高くなりますが、実は結構難しいです。

  • ヘッダーの弁開度調整は限界がある
  • 運転の制御をしっかり作らないといけない

定量ポンプとの違い

小流量で送る時には定量ポンプが1つの候補になります。

例えばダイアフラムポンプです。

今回のケースでは、このポンプはとても使いにくいです。

というのも、流量を固定して制御したいからです。

定量ポンプだと微妙な脈動ががあるので、脈動を抑えつつ流量を制御しないといけません。

起動時や停止時は流量が安定しません。

もちろん、定量ポンプで反応向けに使うこともありますが、流量の上下限に一定の余裕を設けるなどのちゃんとしたプロセス開発をしています。

反応開始から最後までとにかく流量を安定させたい、少しでも触れると問題、というプロセスにはあまり向きません。

ヘッド送液との違い

低流量で送るだけなら、ヘッド送液が理想的です。

ただし、いろいろな設備投資が必要になります。

  • 反応器よりも上部にタンクを設置しないといけない
  • ロードセルは付けておきたい
  • 流れ過ぎや漏れに対するケアをしないといけない
  • ヘッドタンクまで液を送らないといけない

設置場所の問題などで、どうしてもヘッド送液ができなかったりコストが掛かったりする場合があります。

こういう場合にカスケードポンプは、解決方法になりえるでしょう。

参考

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最後に

カスケードポンプを使う場面を紹介します。

低流量・高揚程のポンプとして、反応制御時に使うことがあります。

通常の渦巻ポンプ・定量ポンプ・ヘッド送液との違いを理解して、使わざるを得ないときにはしっかりと対策を取って使いましょう。

使いこなせるようになると、設計の幅は広がっていきますよ。

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