【カーボン”熱交換器”】ブロック式と多管式のかんたんな比較 好みと思想の違いをまとめて解説

ブロック多管化学機械

カーボン型の”熱交換器”で、ブロック式と多管式の2つがあります。

この2つの違いを分かったうえで選定している人は多くはありません。

昔からブロック式だったから、これからもブロック式。

というような実績ベースとなることが多いでしょう。

そこで、ブロック式と多管式の違いをまとめてみました。

どちらにもメリットデメリットがあります。

今使っているタイプとは違うタイプを採用するには勇気がいりますが、トライしてみる価値はあると思います。

ブロックと多管式の違いは結構あります。

この記事で分かること
  • ブロック式は据付面積が小さく増改築も簡単
  • 多管式は詰まりにくくシール部も少ない

ブロック式と多管式

まずはブロック式と多管式の構造の比較をします。

私はブロック式の方が馴染みがありません。

多管式

まずは多管式から見ていきましょう。

多管式熱交

シェルアンドチューブと呼ばれるように、シェル部とチューブ部からなる装置です。

チューブが非常に多く配列されているので多管式と言います。そのままです。

バッフル

チューブ両端は看板と呼ばれる板に接続しています。

赤色の部分がプロセス液が流れる部分です。

シェル側にはバッフルが付いていて、シェル側の流れは以下の図のようにジグザグ動きます。

管外流速

ブロック式

ブロック式熱交は1つのブロック内に加熱液・冷却液を通せる穴が開いていて、それを複数段組み合わせる構造です。

多管式との比較で概形の液の流れを見ていきましょう。

ブロック式

一見すると多管式そんなに変わらないように見えます。

ブロックを複数段並べているか、チューブで作っているかの違いです。

ブロック1つをもう少し細かく見ていきましょう。

ブロック

上の図は簡単にキューブ(立方体)を考えています。

加熱液冷却液が別の方位から流れています。

それぞれの穴は対面に向かって真っすぐ開いています。

位置を微妙に変えているため、加熱液と冷却液の通り穴がお互いに貫通し合うことはありません。

念のため、見る方角を変えてみましょう。

ブロック一面

この通り、ある面の断面を見ると加熱液が貫通して冷却液が直交していて、90°別の断面から見ると冷却液が貫通して加熱液が直交しています。

スクランブル交差点で交差する人がぶつからないイメージを持てば良いでしょう。

実際のブロック式熱交換器は立方体ではなく円柱形をしています。シェル部が円柱だからですね。

類似の方として立方体型はありますが、今回は省略します。

ブロック式のメリット

ブロック式のメリットを解説します。

  • 漏れたときの交換が簡単
  • チューブの破損が起こらない
  • 増築がかんたん
  • 据付面積が小さい

交換が簡単

ブロック式熱交換器は交換が簡単です。

ブロックが壊れたら、別のブロックと入れ替え。

パソコンでドラッグドロップするイメージでしょう。

シンプルな構造で部品点数を増やすだけの設備にすることで、メンテナンスを簡単にしています。

チューブの破損が起きない

ブロック式熱交換器は多管式のチューブ破損の問題が起きません

多管式の場合はチューブが振動することで、破損するトラブルが起きえます。

シェル側の流速が高いときに起きやすいですね。

これはチューブが両端2点だけで支えられている、強度的に弱い構造をしていることが原因です。

ブロック式の場合はそんな心配はありません。

増築がかんたん

ブロック式熱交換器は増築が簡単です。

単にブロックを積み上げていけば良いだけですから。

横型のブロック熱交の場合は難しいですけど、竪型のブロック熱交は上に積み上げるだけ。

ハードルは多管式に比べて相当低いです。

据付面積が小さい

ブロック式熱交換器は据付面積が小さいことが大きなメリットです。

特に竪型の場合は面積がとても小さいです。

横型の熱交換器が多い工場では、据付面積の大きさに悩まされていることでしょう。

ブロック式は立派な解決候補となりえます。

多管式のメリット

多管式のメリットも解説します。

  • チューブが詰まりにくい
  • シール部が少ない

チューブが詰まりにくい

多管式はチューブが詰まりにくいというのがメリットです。

ブロック式に比べて、多管式の穴は大きめです。

もちろんブロック式でも多管式と同じ程度の穴を開けることは可能ですが、交換部品をストックしておかないといけません。

標準サイズならメーカーでも予備を持ってくれますが、特殊なサイズだと数は少ないでしょう。

チューブ径が大きいことは、詰まりの要素が少ないということ。

バッチ系ならこのメリットは、なかなか大事です。

一方で、清浄な液体や気体なら詰まりの要素は少なく、ブロック式は十分な候補になるでしょう。

シール部が少ない

多管式はシール部が少ないことがメリットです。

ブロック式は複数のブロックを重ねますが、ブロック間にシールが必要となります。

熱交換器の材質がカーボンなのでPTFE系のガスケットなどが候補となるでしょう。

このガスケットが漏れのリスクを抱えることになります。

シェル側は冷却水だから、漏れてしまうと冷却水が完全に汚染されるという結果になります。

多管式の場合もチューブが割れると同じ結果になりますが、可能性としては低いでしょう。

最後に

カーボン型の熱交換器でブロック式と多管式の違いを解説しました。

ブロック式はメンテナンスが簡単で、増改築も簡単、据付面積も小さいです。

多管式は詰まりにくく、シール部も少ないです。

どちらを選ぶかは工場の思想や運転方法に依りますが、特徴は理解しておきたいですね。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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