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失敗しない交換部品選定術|動く部品を中心に考える化学プラント保全の基礎

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交換部品 保全
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 化学プラントのメンテナンス計画において、交換部品の選定や調達、予備部品の管理は非常に重要です。現場での点検や保全作業の中で、「実は交換が必要な部品を見落としていた」というトラブルは決して珍しくありません。こうしたミスはプラントの稼働に大きな影響を及ぼし、保全担当者の信頼を失う原因にもなります。

 本記事では、メンテナンスマンとして押さえておくべき交換部品の基本形を「動く部品」に着目して解説します。動く部分は摩耗や劣化が起こりやすく、交換対象となることが多いため、ここを中心に理解することが失敗しない部品選定の第一歩です。

設備の種類や型式が変わって分かりにくい部品もあるでしょうが、基本的な部分を抑えていたら大きな間違いは起きないでしょう。

交換部品は動く場所を基本に考える

交換部品を考える上で、基本は「動く部分」です。

動くということは、すなわち故障すること。

壊れやすい部品として自然とターゲットになります。

設備の各部品のうちどこが動くのかを見極めるのが、保全とも言えるでしょう。

メカニカルシール・ベアリング

例えばポンプの例を見てみましょう。

シャフト(repair parts)

ポンプの場合、以下の部品が動く部分です。

シャフト・スリーブ・ベアリング・メカニカルシール・オイルシール

こうやって並べるとそれなりの数があります。

ポンプはシャフトを回す機械ですので、シャフトが動くのは当然でしょう。

動くシャフトと動かないポンプの間の橋渡しとしてメカニカルシールベアリングが登場します。

プロセス液に接する部分には腐食性を考えて、スリーブを付けることも多いです。

メカニカルシールとセットでスリーブを考えるくらいで、基本形としてはちょうどいいでしょう。

ベアリングにスリーブを付ける場合もあります。

臨機応変に考えましょう。

いずれにしても、動く部品が壊れやすく交換部品として押さえておきましょう。

ベアリングにはオイルシールがセットで付く場合も多いです。

ベルト

別の例としてベルトを見てみましょう。

ベルト(repair parts)

ベルトの場合も基本的には同じです。

シャフトの代わりにベルトがある分だけ違いがあります。

シャフト・ベルト・プーリー

ベルトだけでなくプーリーやキーも必要になります。

プーリーは市販品を調達してきて、キーは自作することが多いでしょう。

キーの寸法は図面にはちゃんと載っていないので、実測して保全データとして保管しておかないといけません。

シール

動く部品にはシール全般が該当します。

メカニカルシールもその1つですが、もっと広い意味でパッキン類も該当します。

グランドパッキン・Oリングオイルシール

数が多くて漏れやすいので、部品図の部品番号を見ながら拾い上げます。

一般の設備では部品の型式を書かないメーカーも多いので、検図で図面番号を書かせるようにしましょう。

要求しないとメーカーはやってくれません。

何回言っても標準化してくれません。

それがメーカーです。

その他

一般化しにくいですが動く部品の例として、いくつか挙げてみましょう。

いずれも動く部品です。もしくは消耗する部品です。

単語だけを上げても思いつかないかも知れません。

基本的な設備の使い方を理解することと、部品図のお絵かきをして構造把握をすることが基本だと思います。

王道中の王道なので、アナログだと軽視せずにしっかり取り組みましょう。

動かない部品でも必要な交換部品

動く部品の対立系として動かない部品があります。

動かない部品で消耗品というと以下のものがあります。

伸縮させて潰して使うシール類は、一度使うと新品に交換するのが基本です。

ボルトナットは再利用することは可能ですが、一般に腐食しているので交換した方が良いでしょう。

使ってまだ1年も経っていないとかなら再利用しても良いでしょうが。

本体も実は交換部品

設備本体も部品としてみなすことは可能です。

ケーシング・母材板・ノズル・フランジ・ベース

この辺が劣化していくと部品の交換ではなく、本体の交換の世界になってきます。

部分的に交換するという戦略は練れなくはないので、対象から除外しない方が良いでしょう。

参考

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最後に

 化学プラントのメンテナンスで交換部品を選ぶ際は、まず「動く部分」を中心に考えることが基本です。ポンプのシャフトやメカニカルシール、ベアリング、ベルトやプーリー、そしてシール類は交換部品の代表格です。その他、設備ごとの特有の動く部品や動かないが消耗しやすい部品も把握し、構造を理解したうえで適切に管理・交換計画を立てることが保全成功の鍵となります。

 この基本を押さえることで、点検漏れや突発故障のリスクを大きく減らせるでしょう。

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