化学プラントの機電系エンジニアでExcelのマクロ(macro)を使うメリットを解説します。
メリットだらけです。
そのメリットに気が付かずに、何も考えずに手打ち入力。
これが実態です。
機電系エンジニアでも現場作業の割合が低く、事務作業が多い職場ほど効果的です。
マクロ(macro)で転記作業の省略
Excelのマクロを使うことで得られる最大のメリット。それは転記作業の省略。
化学プラントの機電系エンジニアはそれなりの量のデータを扱います。
経理のような「膨大な量のデータ」ではなくて「それなりの量のデータ」であることがポイント。
力技の手入力である程度何とかなってしまうから、目立ちにくいです。
1個1個の作業は手入力でも確かに済むでしょう。
これらの作業を基本的に全部手入力で行っています。
紙やPDFで受け取った資料を手元において、Excelに手打ち。
1年間に50~100時間くらいは手入力作業に使っているでしょう。言い過ぎではありません。
計算精度の平準化
Excelのマクロを使うと、計算精度を平準化できます。
エンジニアリングで使う計算は複雑な計算プログラムを組む必要はなく、Excelの数セルを使えば十分に計算できるものばかりです。
その意味ではマクロはほぼ不要。
関数だけでも9割がた解決します。
でもExcelの最大の弱点である「変更が容易」という問題が悪さをします。
- 計算式なんて簡単に変更することができます。
- ロックを掛けるとそのパスワードを忘れて、改造できなくなります。
- ちゃんと作ったマスターファイルをコピーして使わずに、過去に使ったファイルを上書きして使うことも多いです。
ファイルの管理とかサーバーの管理という、アナログな問題に直面しますね。
この結果が、設計計算だけでなく見積の金額など業務でも大きな影響を与える可能性があります。
便利なツールも使う人次第。
機電系エンジニアには、Excelの関数という高度なアイテムは悪用される可能性が高いです。
その反面、マクロレベルになると悪用度はぐっと下がります。
良く分からないプログラムだから、勝手に修正すると使えないからですね。
マクロを怖がって一度作ったマクロは手を加えようとしません。
これはExcelを使った計算を誰がやっても同じレベルとなる「平準化」を期待できますね。
作業工程を客観視できる
Excelのマクロを使うメリットは、自分の作業工程を客観視できること。
これは標準類と同じ発想。
標準類は自分が直接かかわる作業以外も適用されがちですが、
Excelのマクロはまさに自分が行う作業そのもの。
これを合理化するためには、自分の作業を言語化して定義することが必要です。
言語化が不得意な機電系エンジニアだからこそ、マクロは言語化能力を鍛えつつ、作業も効率化できるチャンス。
ぜひともマクロを作ることに積極的になって欲しいものです。
でも、勉強しない機電系エンジニアがほとんどですからね・・・。
メンテナンスが大変
機電系エンジニアにとってExcelのマクロは超高級技術です。
使いこなせる人は100人くらいの職場で、5人いるかいないかくらいでしょう。
一度作ってもメンテナンスできないとせっかく作ったプログラムも破綻します。
これはマクロ化を遠ざける大きな要因。
マクロ作業をするだけの専用人員を抱えている会社もあるでしょう。
マクロ(macro)は自動化
Excelのマクロは、手動作業を自動化しようという意味です。
化学プラントでは人材不足・生産ロス低下・効率化などの視点で自動化を進めています。
これを事務作業にも適用しようということが、機電系エンジニアではなぜかできません。
不思議です。
マクロで自動化ができればメリットがあることは、誰が見ても明らかですが自動化が進みません。
- Excelでそんなことができるなんて想像すらしていない
- Excelで作った資料の書式が自由に変更され過ぎて、規格化できない
- データベースを作るという発想に乏しい
- エンジニアリング業務の内容そのものを俯瞰して見れる人が居ない
- マクロを使える人が居ない
- マクロを作るために必要な仕様を定義する時間がない
こういう職場ではマクロがちょっと使えるだけで、立派な仕事として成立します。
プログラミングなんて高度なものは不要です。
参考
最後に
化学プラントの機電系エンジニアでExcelのマクロを使うメリットを紹介しました。
転記作業の省略・計算精度の平準化・作業工程を客観視できる
このメリットを提示しても動こうとしないのが機電系エンジニアです。
だからこそマクロを使える人が重宝されるわけですね。
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