“冷媒”(フロン)について化学工場の冷凍機向けに基本を解説 CFC/HCFC/HFC/HFO/自然冷媒

冷媒フロン化学機械

冷媒“の話をします。

フロンとか温暖化とか環境面の話ですが、化学工場的には冷凍機として極めて密接に関係します。

冷媒の型式はいろいろあって分かりにくく覚えるというものでもありません。

一般的知識の範囲内で、機電系エンジニアもグルーピングは知っておいても良いかと思っています。

この知識がなくても「冷媒は漏らしたら駄目」という思いだけでも、それなりに仕事はできますけど・・・。

地球温暖化のイラスト「汗をかく地球のキャラクター」

フロン管理

冷凍機の冷媒であるフロンは管理が必要です。

簡単に言うと、フロンを大気中に漏らさない漏らしたら報告をするという2点です。

漏らさないために、日常点検だけでなく専門家による定期点検が欠かせません。

1年に1回点検することが普通でしょう。

これはSDMや生産計画に直結します。

どれだけ管理点検をしてもフロンが漏れることはあります。

冷媒が漏れたり消費したりすれば、その分を補充します。

使わなくなった冷凍機から冷媒を回収して破壊します。冷媒が油などで汚染される場合も同じです。

こういう冷媒の使用量を把握して、1000t-CO2以上であれば官庁に届出する必要があります。

この辺は実務者としては敏感になっています。

冷凍機独自の問題

冷媒は冷凍機に限らずエアコンなどにも使います。

冷凍機ならではの課題として以下が挙げられます。

  • -20℃程度の低温ブラインを得る
  • 動力が大きい(7.5kW以上)
  • 防爆が必要なことも

冷媒の話では、カーエアコン・ルームエアコンに対してチラー冷凍機やブライン冷凍機とグループ分けをすることがあります。

当然ですがカーエアコン・ルームエアコン向けの方が技術が先に進み展開されていきます。

CFC(昔)

CFCとは古くから使われている冷媒です。

クロロChloro塩素
フルオロFluoroフッ素
カーボンCarbon炭素

分子中のH・F・Cの数によって種類がさまざまあります。

冷媒番号と組成のルール付けもありますが、覚える必要はありません。

CFCはオゾン層破壊係数が高く地球規模での大問題となりました。

1995年には生産停止しています。

冷媒を生産停止したからといって、その瞬間に冷媒が使えなくなるわけではなく在庫等を駆使?して使っています。

さすがに現在でもCFCを使っている例は少ないと思いますが・・・。

HCFC(旧)

HCFCはCFCに水素が加わった構造をしています。

ハイドロHydro水素
クロロChloro塩素
フルオロFluoroフッ素
カーボンCarbon炭素

冷凍機としてはR22という冷媒がメジャーです。

HCFCはCFCよりもオゾン層破壊係数が低いのが特徴です。

とはいえ、これでも地球環境にとってはよろしくなく、2020年には生産停止となっています。

現在ではHCFCから新冷媒への切り替えが実務上の課題となります。

HFC(現行)

HFCはHCFCから塩素を無くした構造をしています。

ハイドロHydro水素
クロロChloro塩素
フルオロFluoroフッ素
カーボンCarbon炭素

冷凍機としてはR404Aがメジャーで他にはR407C・R134Aがたまにあるくらいでしょう。

HFCは塩素Cを含まないため、オゾン層破壊係数はゼロです。

オゾン層破壊係数がゼロだから問題なし!と思いきや、地球温暖化の原因として考えられています。

これを地球温暖化係数(GWP)として現在の冷媒の指標の1つとしています。

ざっくりとしたイメージをまとめます。

オゾン層破壊地球温暖化
CFC
HCFC
HFC0

現在ではR32という冷媒が急速に増えていっています。いわゆる新冷媒です。

R32は地球温暖化係数が相対的に低いですが、微燃性です。

微燃性を嫌がる化学工場は多いでしょう。

それでも使わざるを得ないという状況です。

防爆型にするかどうかという防爆設計の問題が付いて回ります。

HFO(低GWP冷媒)

HFOはHFCの炭素部分がオレフィン(不飽和炭化水素)になった構造です。

ハイドロHydro水素
フルオロFluoroフッ素
オレフィンOlefin

HFCのパワーアップ版という感じですね。

オゾン層破壊地球温暖化燃焼性
CFC不燃
HCFC不燃
HFC0不燃~微燃
HFO0微燃

HFCよりも地球温暖化係数が低く、燃焼性はあまり変わらないというイメージです。

HFOとしてはR-1234yfが現在では最有力のようです。

冷凍機としてはやっとR32(HFC)が出てきたくらいなので、HFO化が進むのはもっと先になるでしょう。

とはいえ、個人的にはHFOは冷凍機の新冷媒としては最も期待するところです。

R404A(HCFC)からR32(HFC)に移行している間に、HFOの冷凍機が増えてくるだろうと思います。

その時にはR32(HFC)からHFOにまた移行するという、自転車操業になりそうです。

自然”冷媒”

自然冷媒としては炭化水素・二酸化炭素・アンモニアなどが考えられます。

どれもデメリットが大きいです。

  • 炭化水素  燃えやすい
  • 二酸化炭素 高圧が必要
  • アンモニア 毒性がある

候補としては残っているので、新冷媒の探索をするエンジニアとしてはチェックが欠かせません。

最後に

化学工場の冷凍機向けに冷媒の知識をまとめました。

冷凍機のフロン管理、冷凍機に求められる冷媒の特徴、オゾン層破壊係数・地球温暖化係数、CFC・HCFC・HFC・HFO・自然冷媒など

機械エンジニアだけでなくても知っておきたい知識もあります。

実務上はフロンを漏らさない・漏らしたら報告!ですね。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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