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化学プラントオペレータの将来性を独断と偏見で考える

オペレータ将来性 キャリア
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化学プラントではオペレータがいないと、操業ができません。

オペレータの人数が工場運営に直結するといっても過言ではありません。

世代の入れ替わりを考えて、プラントオペレータの人数が長期的に安定させることは、人事面での大きな課題。

一方で、少子化や製造業の不人気化も進んできて、プラントオペレータは応募が少なくなってきています。

プラントオペレータのスキルを一定値以上に確保しつつ、人数も集めようとするとかなり難しい状態です。

そんな状況で、プラントオペレータの将来性について考えてみます。

若いうちは安泰

化学プラントオペレータの仕事は、募集が途切れることはとりあえずは無いでしょう。

若いうちは安泰の仕事です。

プラントを動かすために人が必要になるからですね。

募集は安定

大手であれば定期的な募集をしているはずです。

逆に中小でれば定期的な募集ができないし、キツイ作業になるので応募する人も少ないでしょう。

大手のプラントオペレータは募集をすると、試験・面接を希望する人はいっぱいいます。

しかし、その会社のレベルに会う人はかなり少ない。

その厳しい競争に勝たないと、プラントオペレータの仕事に就くことはできません。

求める資質は人間性・コミュニケーション力・チームワークなどで、チームプレイのスポーツをしているとある程度養われるもの。

その一定値さえ満足していたら、基本的には採用されます。

採用された人はほぼ全ての人が、上記素質をほぼ満たしています。

競争率が厳しいとはいえ、実際には何かしら難がある人が募集しているというのが実態でしょう。

人が減ることを見据えて

プラントの運転に必要なレベルの採用人数が減ってきているので、化学会社としては人に頼らない運転を目指そうとしています。

自動化が進んでいるプラントの中には、人が全く介在しないというところもあるようです。

私の所属するようなバッチ系では、仕込・分析・充填などで必ず人が必要なので、できる範囲は限られるでしょう。

それでも、一部の作業の自動化は進んでいるので、オペレータの必要数は減っていきます。

その意味で、入社のハードルは上がっていく方向になります。

自動化は進んでいく

プラントオペレータの将来を考える上で、自動化は大切な課題です。

自動化は今後も加速していくでしょう。

人に頼った運転をしていると、運転トラブルが増えていきます。

オペレータに対する教育を昔のように丁寧にできるわけでなく、学ぶこともどんどん増えていっています。

プラントオペレータに要求される仕事の質が下がることは無いでしょう。

少子化が進んでいるので、的確な資質のあるオペレータの確保が難しくなります。

キツイ作業を嫌う傾向は加速しています。

であれば、人ではなく機械にしてもらおう、と自動化が進んでいくことは間違いありません。

それがプラントオペレータの将来性を、ますます減らしていくことでしょう。

とはいえ完全にゼロにはできないので、一定のニーズは残り続けます。

異動はほぼ確実

プラントオペレータの仕事で、入社から定年まで仕事を続けることは、ほぼ不可能です。

同じ職場に残り続けれるかどうかは、その人のスキル以上にの要素が強いです。

数少ないにいる人との入れ替わり、という可能性しかないでしょう。

大手では一般的には、以下の理由でオペレータ以外の仕事に移ります。

  • 求められるスキルが変わる
  • 体力的に衰え、事故のリスクが上がる
  • 自己判断が目立ち、チームの輪を乱しやすい

いくつかの要素が考えられますが、特に体力面が大きな理由。

早ければ30歳代で別の職場に異動しますし、移動しないパターンでも40歳代になれば現場の事務仕事に役割が変わる方向です。

オペレータとして現場で培った貴重な知識は、会社にとって有用です。

オペレータとして使えなくなればすぐにクビ、ということは滅多に起きないでしょう。

この場合は、何かしら大きな問題を起こした可能性の方が高いです。

逆に60歳越えても現場作業をするような職場は、リスクが高いと言えます。健康や体力に気を使ってオペレータとして仕事をするのが好きなら良いですが、一般には辛いでしょう。

オペレータとして入社しても、ずっとオペレータとしてのキャリアをイメージしない方が安全だと思います。交代勤務の手当てが無くなることも含めて、長期的に考えたいです。

現場作業のスキルだけでは先が不安

オペレータとして長続きする将来を描けないですが、異動先はいくらでも作ることが可能です。

ただし、オペレータとして経験したことが活かせる仕事ばかりではありません。

作業標準書・分析・実験・安全・環境・設備保全・教育くらいなら、オペレータの経験が活かせる部分はあるでしょう。

もっと畑違いで総務・調達・物流・TPMのような、言えば誰でもできる(と思われる)職場に異動する場合もあります。

この差は、オペレータとしての運転スキルに加えた別のスキルを持っているか。

現場の作業やDCSの操作だけをしていると、組織の加では誰でもできるスキルを持っているという評価になります。

いざ異動を考えるタイミングになれば、他のスキルを持っている人は優先的に専門の職場に異動して、残った人が誰でもできる(と思われる)職場に異動します。

運転時にはそういうスキルを勉強する機会は少ないですが、SDMやプラント停止時に勉強している人は課長の目にも止まりやすくなります。

最近では戦略的に勉強している人も増えてきています。

勉強すると良い分野

プラントオペレータとしての仕事をしながら、勉強したら有利になりそうなことをいくつか考えてみました。

ハードルの大きさは考慮していません。

  • 英語
  • シーケンス作成
  • 実験
  • 設備

この辺りは、需要が特に多いです。

英語

英語ができるオペレータは強いです。

いくつかのルートが考えられますが、①海外からの工場見学者への対応、②海外工場への支援の2つが考えられます。

海外からの工場見学者が多いプラントなら①だけのために、オペレータ職を免除され専用のポジションになるでしょう。

海外プラントとの関係が深い工場にいるならば、②の支援の可能性も出てきます。

習得には時間が掛かりますが、もっといると汎用性はますます上がっていくでしょう。

シーケンス

オペレータとして運転していると、安全で使いやすい操作方法が染みつきます。

化学プラントでシーケンスの改造をする機会は、増改築時だけでなく日常のトラブルでもありえます。

これらのときに、シーケンスを触れるオペレータは強いです。

日常的にDCSを触っていて、改造の時にもプロセスエンジニアやDCSメーカーに興味を持っている姿をアピールしていると勉強の機会は増えていって、異動のチャンスは増えるでしょう。

実験

実験ができるオペレータはとても強いです。

複雑な実験装置をくみ上げるまでは必要でなく、簡単な原料評価や限定的な実験ができるだけで、レア感が一気に高まります。

というのも、現場で起こった問題や原料が変わった時の対応など、実験をする機会はとても多いです。

専門的な知識がないと実験装置をくみ上げたり解析したりすることは難しいですが、その一歩手前の業務もいっぱいあります。

実験補助としての活躍です。

現場で取り扱った物質を実験室で扱うので、取扱には慣れているでしょう。

設備

設備の知識があるオペレータは、設備保全の道もあります。

手配屋っぽい業務が主の保全であれば、需要は多いでしょう。

というのも設備の知識は、現場で使っていくうちに自然と身に付きます。

ここに、長期的・専門的な目線で物事が見れると、現場の苦労を知った保全者が現場が楽になるような保全や改善をしていく仕事をできるようになります。

現場の修理を直接するような保全の道に進む可能性もあるので、その会社で保全がどういう仕事をしているかということはチェックしたうえで、保全の道を進むかどうかは考えましょう。

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最後に

化学プラントのオペレータの将来性について考えました。

残念ですが、若いうちは安泰でも、年を取ると異動の確率はグッと上がります。

オペレータとして定年まで仕事することを考えるよりは、別の部署への異動を考えたスキルアップをしていく方が、安定度は高まるでしょう。

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