化学プラントで工事をする場合、地面に関するトラブルは意外と多いです。
工事現場で工事をする前から、当然のようにそこにある地面。
何も問題がないと思って工事をしたら、意外な問題がおこります。
地面に関する問題が起きたときには、被害が大きくなりがち。
問題が起きた後で後悔しないようにするために、地面について特に注意したいことをまとめました。
この記事を読んで、工事計画中にしっかり対策を取りましょう!
側溝は落ちる
化学プラントの工事をしていて、最も起こりやすいトラブルが側溝の落下でしょう。
グレーチングで以下のような構造をしている側溝は、グレーチングを支える部分が弱いです。
グレーチングを排水の側溝に置くときは、アングルや相当する部品で受けを作ります。
長期的に使っていくうちに雨水が溜まっていき、腐食する可能性が高いです。
いつもは問題なく使っていたのに、ある瞬間に強度が足りなくなるということも。
もちろん日常的な運転でローリーが通過するような場所は、鉄板を敷くなどの対策を取っているでしょう。
工事で重機や重量物の運搬をしていて、その時だけ通過するような側溝が怪しいです。
重機を使う場合には、運搬ルートやグレーチングの有無などを事前に調べておき、対策を取ったうえで工事をしましょう。
化学プラントでは危険な薬液を取り扱うので、街中のグレーチングよりも腐食が速い可能性が高いです。
だからこそ、注意レベルは上げましょう。
コンクリート蓋であっても油断は禁物。
重量物が通ることで蓋が割れるというケースはあります。
マンホールは落ちる
グレーチングと同じ扱いですが、マンホールも落ちる可能性があります。
マンホール自体の強度はちゃんとあっても、支える部材は腐食します。
同じように、排水桝の蓋も落ちます。
蓋はマンホールとは違って鉄板で作ることが多く、薄い鉄板だと重量物が通ることで変形します。
工場内の道路にマンホールを置かずに道路脇に設置するなど、建設段階でちゃんと考えていれば…と思うことはありますが、一度作ってしまうと対策が取れない点が大きな問題です。
アスファルトは凹む
アスファルトは凹みます。
これは街中でも同じですね。
アスファルトは静止荷重を受けると沈んでいきます。重量物が通り抜けるときは、そうでもありません。
ローリーを停車させていたり、フレコンを積んだフォークリフトを待機させていたりすると、かなり短期間で凹みます。
こういう場合は、通常の運転でも弊害が出ます。
通常の運転で支障が出るような場所で、工事をしようとしても、資材を運搬できないということが起こりえます。
工事で重量物の横引きをした瞬間に、アスファルトが凹むということもあります。
プラント内部の床はコンクリートでも、一歩外に出たらアスファルトで、そこがダメージを追うというパターンです。
工事をした結果、通常の運転に影響を与えてしまうという、逆の展開に。
アスファルトの上を重量物が通る場合には、応急的に鉄板を敷いて対応しましょう。
地中はスカスカ
目に見える地面は問題なくても、地中は空洞部ができている。
こういうケースは街中でもありえますが、プラント内でも起こりえます。
ちょっとずつ地盤沈下していき、酷い時には陥没ということも。
排水溝から液が漏れて地中に流れていって、地中に空洞ができるという可能性を疑った瞬間に大きな問題になるでしょう。
周辺に海や川があるプラントでは、特に注意が必要です。
定期的なパトロールや診断が大事になるので、専門的な土建エンジニアは化学プラントで必須ですね。
湧水が上がってくる
周囲に川がある場合には、湧水の可能性も考えましょう。
噴水のように湧き出すことはなくても、徐々に染み出すというケースはありえます。
特に大雨が降った場合は、注意。
水たまりがある状態で工事をしようとして、足を踏み外したり足を捻ったりというリスクがでてきます。
さらに、化学プラントの場合は地中にしみ込んだ過去の危険物が浸透してきて、薬傷を起こすリスクも考えられます。
雨だから大丈夫、湧水だから大丈夫、と思わないようにしましょう。
埋め立て地は弱い
プラントによっては、一部を埋め立てたり後で土を足したりした場所があるでしょう。
こういう部分は弱いと考えましょう。
土を足さざるを得ないということは、その部分は何かしらの原因で弱い土だったかも知れません。
いつその問題が再発するかも分かりませんね。
工事で重機を運搬したりする場合は、慎重になった方が良いです。
疑わしい場所に、プラントを建設したり重量物を運搬するようなことがないように、プラント建設などレイアウトを考える段階でしっかり対応しないといけませんね。
後の人が困ります。
参考
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最後に
化学プラントの地面は危険だらけです。
側溝やマンホールの落下、アスファルトが沈むという現象はローリーなどの重量物運搬でも問題になりますが、工事で重機が通るときになってやっと気が付くという場合もあります。
工事をする前・終わった後に地面のチェックを忘れずに実施したいですね。
地面の中も疑わしい要素はあります。
土建エンジニアをちゃんと確保して、定期メンテナンスができる体制を作りましょう。
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