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クレーンの基本的な選定方法|化学プラントの場合

クレーンの選定 工事
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クレーン(heavy duty crane)の選定方法について解説します。

化学プラントの工事では、重量物の運搬作業が発生します。

人が持ち運びできない重たいものを運搬するには、クレーンを使うのが一般的。

万が一、クレーン選定に失敗したら作業員の生死にも関わりますし、設備やプラントの破損などのダメージも負います。

そうならないためにも、工事準備段階でしっかり対策しましょう!

建設作業で一般的にみられるクレーンでも、化学工場の場合はより深く検討が必要です。

クレーン(heavy duty crane)の能力

クレーンを選定するためには、クレーンの能力を示す指標を知らないといけません。

荷重

重たい物を吊り上げるための機械がクレーンなので、能力は吊り上げ可能な最大重さとなります。

定格荷重と呼んだりしますが、単に吊り上げ重量と呼んでも良いでしょう。

クレーンはその大きさによって、吊り上げ可能な重量が変わってきます。

小さなクレーンで重たい物を吊ろうとして、転倒災害が起こる例は今でも起こっていますよね。

それくらいクレーンの選定は重要ということです。

作業半径・ブーム

クレーンを語るうえで作業半径とブームは、ほぼ欠かせない要素です。

クレーン(heavy duty crane)の能力

クレーンはブームを何段階かに分けて伸ばすことができ、垂直角度や水平角度はかなりの自由度があります。

これらのすべての範囲で、同じ重量を吊り上げることは当然ですができません。

てこの原理と同じで、ブーム長さが長いほど吊り上げ可能な荷重は低くなります。

驚くかもしれませんが、この辺りの原理を全く気にせずに日常工事管理やプラント改造工事の担当をする保全エンジニアは存在します。

すべてを工事会社に委託している形で、怖いですね。

作業半径・ブームに関して、以下の特徴を紹介します。

  • アウトリガー最大・作業半径とブームのいずれも最小、の条件の吊り上げ荷重が、そのクレーンの公称荷重
  • ブーム長さが伸びる分だけ、吊り上げ荷重は下がる(モーメントの関係に近い)
  • 作業半径が伸びると、吊り上げ荷重は下がる。(同じブーム長さで作業半径最大/最小で約0.5倍程度)

アウトリガーは張り出し長さが変わると、吊り上げ荷重が変わります。

基本的には最大張り出しの条件で考えましょう。

どうしてもやむを得ない時だけ張り出しを抑えますが、これはリスクの高い吊り上げ作業になります。

クレーンはその公称能力の意味は知っておいた方が便利です。

50tクレーンという時、最も都合のいい条件なら50tの重量物を吊り上げることが可能ですね。

ブーム長さが伸びたり作業半径が伸びることで、能力は当然落ちていきます。

ここでどれだけ能力が落ちるか計算できないので、表を見て判断することになりますが、おおよその値は推測できるようになっていた方が便利です。

ブーム長さの伸び縮み : 10~50%

作業半径の大小    : 50~80%

これらの掛け算で決まってくるので、公称能力の5~40%くらいが使用可能な範囲と言えます。

実際には安全マージンを取るので、公称能力の10~30%くらいで見ていれば大きく外れはしないでしょう。

私はキリが良い25%でだいたいアタリを付けようとします。

すなわち、10tonの重量物を吊り上げようとするなら、10/0.25=40tonのレッカーは最低必要。怪しい場合には50tonのレッカーにする、という感じです。

もちろん、実際の工事をするときには表を使ってしっかり見ましょうね。

クレーンの設置環境

クレーンはその能力設定だけでは、安全は確保できません。

設置環境は良く見ておきましょう。

  • 接地面が傾いていないか
  • 接地面が柔らかい場所でないか
  • 養生用の鉄板などを敷ける場所があるか

この辺りは、クレーンの基本事項です。

化学プラントでの注意点

化学プラントでのクレーン作業で、注意することを紹介します。

重たい設備が多い

化学プラントでクレーンを使う場合、重たい設備が多いです。

一般の建設現場で重機を使う場合は、鉄骨部材などをいくつかまとめて吊り上げるために使います。

しかし、化学プラントでは1基の大きな設備を吊り上げるときに、クレーンの出番となります。

10ton以上の重量物を吊り上げることも、頻繁にあります。

大型の塔などの特殊な装置を吊り上げるイメージを持たれる方もいますが、タンクや反応槽レベルでも、十分にこのくらいの荷重になります。

塔だとしっかりと検討しますが、タンクや反応槽だと検討が疎かになりがちですが、しっかりと検討しましょう。

保全担当者も工事までには重機の表を見て必要な荷重を考えておき、工事会社と認識合わせをしましょう。

丸投げで工事会社に委託するのは良くありません。

場所が離れている

プラント現場でクレーンを使う場合、クレーンを現場に近接させようにもできない事情があったりします。

例えば以下のような例。

障害物が多い(heavy duty crane)

作業半径・ブーム長さを最小にして、クレーンサイズを最小化しようと思っても、道中にある配管スタンドが邪魔している例です。

物理的に距離を取らざるを得なくなり、クレーン能力はサイズアップが必要になる場合もあります。

配置図だけでクレーン能力設定をせずに、現場を見て決めましょうね。

アクセスがしにくい

化学プラントは建物が密接していて、クレーンの導入経路が意外と少なかったりします。

プラント周辺で道路幅が4m程度しかない場所に、クレーンを置くというケースはよくあります。

クレーンを複数台設置して工事しようとしても、例えば通行止めのような事情で、一方向からしかアクセスできない場合があります。

アクセスしにくい(heavy duty crane)

2台のクレーンが同じ会社であれば融通も利きますが、異なる職種が同日にクレーンを使う場合もあります。

この場合は、使用時間帯や進入順番を予め調整しておく必要があります。

この辺りは施工会社に任せずに、ユーザー側で調整できるようになるのが理想です。

大型機械であるクレーンが入れないと工事はできないので、揉めることがないようにしたいですね。

参考

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最後に

クレーンの基本的な選定方法について解説しました。

荷重や作業半径・ブームという基本事項は、重機作業に関わる人はしっかり理解しておきましょう。

自分の目でチェックすることが大事です。

クレーンの作業環境や工事の状況など、しっかり認識することが工事を確実に進めるために重要です。

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