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エンジニアリング部門の人事評価の部内調整会議の実際

人事評価の調整 キャリア
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私が所属する人事評価の調整会議の実際を紹介します。

化学プラントのオーナーエンジニアリングで、かなり村社会的な組織に限定した話です。

年始に目標シートを作り、年末に実績を記入して、上司と面談をする。

その後で部内調整や部門調整が入ります。その段階での話です。

この会議が終われば人事に調整結果が提出されて、全体調整に入ります。

どこの会社でも組織でも当てはまることではないかも知れませんが、会社で良い評価を得るために、頑張る方向やその量について参考になる部分があるかも知れませんね。

「上げる」人の設定

部内での調整会議では、その部で誰を上げていくかを何となく決めます。

候補となる人は、その組織内で評判が良さそうな人・優秀そうな人、と周りから思われている人です。

印象値で探索

たいていの場合は、上司が接していてもこの人なら良いかも・・・と思いますが、同じように周りも思います。

  • 難しいプロジェクトをやり遂げた
  • 1人で他の人よりも多くの製造課を担当した
  • 受け答えや仕事の進め方が良い

こんな感じで実績が重視されます。

他部署から異動してきた場合は、前評判が多少入りますがそれでも実績が重視されやすいでしょう。

プロジェクトはとてもメジャーなものに限定されます。1年に1回あれば良いくらいのものです。

そのためどうしてもアサインされないケースが出てくるでしょう。の要素があります。

人事受けの良い理由を探す

上げる人を設定したら、人事受けの良い理由を探しに行きます。

部内で全員一致で上げに行く体制になっても、部外である人事からどう見られるかで印象が変わるからです。

例えば、最高評価で人事に提出したとしても、別の部署の最高評価者と競争になって負けてしまう(昇進が遅れる)ということもあります。

そうはならないように、人事受けの良い理由を探します。

  1. 工場の最優先課題のプロジェクトをやり遂げ、コンストラクションマネージャー・エンジニアリングマネージャー・プロジェクトマネージャーなどの道を進む
  2. 工場全体や会社全体を横断するような設備課題を解決していく
  3. 〇〇年経験したから

3番目だけは消極的な理由です。温情人事というもの。

1番目と2番目は人事にもわかりやすく、幅広い仕事をしている感のある理由を作っていきます。

これができるように、上げたい人には数年前から仕事の割り当てが考慮されます。

難しいプロジェクト・多くの課の仕事・他工場も関係するような仕事・・・

アサインされたときは面倒だなぁと思うかもしれませんが、昇進のネタは思ったよりも少ないので期待されていると思っても良いと思います。

競争相手が数人しかいない場合でも多い場合でも、同じことが言えます。

部内でバランス調整

上げる人の設定が終わったら、部内でバランスを決めていきます。

調整会議で特に重視されるのが、メリハリがついた評価になっているか。

A・B・Cの3段階評価で、組織内で5人の評価をする場合を考えましょう。

評価者評価点
1B
2B
3B
4B
5B
平均B
問題ない例
評価者評価点
1A
2B
3B
4C
5B
平均B
問題ない例
評価者評価点
1A
2A
3B
4B
5B
平均B+
問題ある例

左側2つは問題ない例です。

平均がBになっているからです。

右側の例は人事からチェックが入る例。

平均がBを越えます。C評価がありません。

誰かの評価を上げると、誰かの評価を下げないといけない。

ここにバランス調整が発生します。

部内に機械・電気・計装・土建という4部門が居て、それぞれの部門に同じ評価対象の軸にいる人が居るなら、その評価対象者間でも調整が入ります。

例えば機械だけが評価が高い人だらけで、電気は評価が低い人だらけ・・・ということはしない調整gア入ります。

他部署との競争もありますが、それより先に部署内での競争があります。

評価が低い人は印象で決まる

バランス上は誰の評価を下げるのか、という点が最も時間が掛かります。

評価を上げる人と同じように、下げる人も印象で決まりますが、もうちょっと露骨に決まります。

  1. 製造課からクレームが出た(担当を変えてほしい)
  2. 明らかなサボりがあった(引継をしない、自己都合で会社を休む)
  3. 不正を行った

これくらいが分かりやすい理由です。

「仕事が遅くて上司がフォローした」くらいでは下がる要因にはなりにくいです。

評価基準には露骨に書いてあったとしても、それを調整会議で主張したとしても深刻さが伝わりにくいです。

周囲の評価者からしたら、「あれ?そうだったの?上手くいっているように見えたけど・・・」で終わります。

下げる人の候補が思いつかず揉めそうになる場合は、上げる人の数を少なくするという調整が入ります。

レポートのアピール文は見ない

こういうバランス調整が部内調整会議の実態です。

ということは、目標レポートや成果レポートはほとんど意味がないということが言えます。

実際に私もメンバーのレポートはほぼ見ません。

  • 書ける人は指導しなくてもいっぱい書く
  • 書かない人はいつも決まった表現をする
  • ちゃんと書いてなくても、上げたいと思う人は調整の場に上がってします。

「てにをは」どころか質問に対する答えがちゃんと書いているかどうかもチェックしません。

書いている分量が多いかどうかを、一瞬見るだけ。

時間を掛けても適当にしても変わりないということですね。

本人評価と上司評価

レポートでは本人評価と上司評価の2つを付ける場合があるでしょう。

この場合は、上司評価が重視される傾向です。

とはいえ部外調整では本人評価の項目が入ってきてしまいます。

本人C・上司Bの評価で部外調整に入ると、人事の調整でC評価となる場合もあります。

興味がある人は、目立ちたくないからという理由で試しに自己評価をCにしてみてください。

よほどの問題を起こさない限りは、上司から「Bにしてください」という説得を受けるはずです。

C評価は1回なら許容されるかもしれませんが、2回連続だとかなり目立ちます。

上司のマネジメントが問われかねないので、上司はその人を説得するという構図です。

日本人は自己肯定感の低い人が多いから、できるだけC評価を付けないように意識しているとも言えるでしょう。

C評価が一度でもあると、他の人より昇進速度が変わる場合があります。特に同期などが多い若いうちほど目立ちます。A評価は昇進に有利に働くかもしれませんが、C評価の目立ち方ほどはしないでしょう。

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最後に

とある化学プラントのオーナーエンジニア部で行われる人事評価の部内調整会議の実態を紹介します。

上げる人を決めて、部内でバランス調整。レポート分は正直見ない。

周りの人からの評判など印象値で決まりやすいです。

良い意味でも悪い意味でも目立たないことがポイントです。

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