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化学機械

化学プラントのマテリアルハンドリング設備

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化学プラントは、計器室のDCSのパネル操作をしたりパトロールをするだけの楽な仕事。

こういう誤解を持っている人は少なくありません。

連続プラントなら、これに近い状態まで持っていくことは可能な場合があります。

しかし、バッチプラントではこうは行きません。

必ずと言っていいほどマテリアルハンドリングが必要となり、人手が欠かせません。

マテリアルハンドリングは、運転員にとって非常に重要なだけでなく、設備面でのフォローが欠かせずに機電系のエンジニアにとっても重要となります。

化学プラント内で使うマテリアルハンドリングの装置をいくつか紹介しましょう。

運搬

ドラムポーター

ドラムポーターはドラムを運搬する装置です。

昔はこういう装置はほとんど使いませんでした。

人がドラムを器用に回しながら運搬していましたね。

テクニックが必要で、危険性もあるので、安全を重視するならドラムポーターは必須でしょう。

広い場所を運搬する場合には問題になりませんが、化学装置の特定の場所に運んで仕込むためにドラムポーターを使う場合には、ポーターの形状やサイズが問題になったりします。

ドラムポーターという装置の存在は知っておいて損はないでしょう。

ドラム反転機

ドラム反転機は、言葉通りドラムを反転させる機械です。

ドラム缶は主に液体を貯める容器。

液体の中には均一な物ばかりではなく、固形分が入っていたり、固まったりするものもあります。

こういうものを均一にするには、ドラム缶を物理的に回転させれば楽です。

昔からある機械なので、当たり前のように使っているかもしれませんね。

コンベア

コンベアは代表的な運搬装置です。

ドラム缶やパレットを運搬する目的で、使います。

設計的な要素が強いので、エンジニアの腕の見せどころ。

設置スペースの狭さに悩まされます。

持ち上げ

パレタイザー

パレタイザーは自動で積み付けをする設備と考えれば良いでしょう。

現場に応じて個別に設計された機械で、完全自動化を目指した装置です。

当然高いですが、ハマれば効果的です。

自動化が叫ばれている現在では、こういう思考はとても大事。

ただし、設置には平面方向も高さ方向もスペースが必要になります。

既存プラントなど、スペースが狭い場所には設置したくでもできない場合があります。

新プラント建設の時に、将来こういう装置が必要となる可能性を考えて、しっかりスペースは取りましょう。後でいくら考えてもどうしようも無かったりします。

省力化設備

省力化設備は、アイコクアルファ社のラクラクハンドに代表されるような、重量物運搬を補助する設備をここでは指しています。

これも今後必要になるのは間違いないでしょう。

パレタイザーと同じで、平面・垂直方向にスペースが必要です。

新プラント建設時にしっかり考えておかないと、後々痛い目に会うでしょう。

競争力のないプラントになっていきます。

パレッター

パレッターはパレットを運搬する機械です。

これも物流関係で一般に使われています。

パレットのサイズは統一されているように見えて、まちまち。

パレットを使ってドラム缶やフレキシブルコンテナを運搬する化学工場では、パレットやパレッターのサイズが設備設計に影響する場合があります。

詳細は使っている現場の人に聞くとして、パレッターという装置の存在は知っておいた方が良いでしょう。

ホイスト

ホイストは物の吊り上げ設備です。

化学プラントではフレキシブルコンテナの運搬に大活躍。

粉体の取り扱いが多い工場では、いっぱい付いていたりします。

ホイストを設置するには、ホイストレールとホイストを点検するためのメンテナンススペースが必要です。

プラント外部から引き込もうとしたら、危険物製造所の敷地としてカウント忘れをしがちなので、注意しましょう。

エレベータ

ホイストと同じように物を運搬するための機械がエレベータ。

エレベータには人が乗れるタイプの物もあります。

ホイストと比べて高いですが、大容量を運べる・転倒漏洩のリスクが低いなどのメリットがあります。

ホイストと同じく設置場所にも悩まされます。

プラント建設時にしっかり考えておかないといけませんね。

その他

エアノッカー

エアノッカーは、粉体を貯蔵するホッパーなどを機械的に叩く装置です。

粉体は得てして詰まりやすいもの。

詰まりを解消するために装置を人がハンマーを使って叩くことは一般的ですが、とても疲れます。

これを機械が代わりに行うという時に出てくるのは、エアノッカーです。

同じような設備で装置内に気体を吹き込んだり、装置内に振動を与えたりする設備もあります。

エアノッカーの場合は、装置に依存しないで幅広く使えるので、マテリアルハンドリングの1つとして考えました。

サンプリング装置

サンプリング装置は、プロセス上のマテリアルハンドリング装置として代表的です。

手動の柄杓のようなものも、立派な装置。

最近では自動化設備も増えてきました。

バッチ系の化学プラントの場合、原料の取り扱いと製品の取り出しを除くと、サンプリングだけが自動化しにくいです。

毎日人が介在する要素なので、自動化して省力化していきたいです。

コストなどの問題でなかなか導入が難しいですね。

中途半端な自動化は危険

マテリアルハンドリングを考えるとき、往々にして治具の世界になりがちです。

今回は治具はカウントしていません。

もちろん治具をしっかり設計することは、エンジニアとしても必要な事でしょう。

粉体物性を確かめながら作り上げていかないといけないので、トライアンドエラーの要素が強く、エンジニアが居なくても施工会社が居れば何とかなったりします。

手動の治具はドラムポーターなどの手動のマテリアルハンドリング装置と同じで、危険性はあまり高くはありません。

人が制御できる範囲に入っている確率が高いからです。ブレーキの故障などで被害が出る場合はありますが・・・。

マテリアルハンドリングを自動化していくと、安全対策をしっかりしなければすぐに大きな事故に繋がります。

治具を手動では解決できないから、中途半端に自動化してエアーや油圧を導入しようとしたら、危険信号です。

エンジニアも入って安全対策をしっかり考えましょう。現場のお手製の世界だと、危険性が見過ごさられます。

参考

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最後に

マテリアルハンドリングは化学プラントでも大事です。

運搬・持ち上げの装置として、固体・液体の容器を対象とした装置がいっぱい開発されています。

他にはエアノッカーやサンプリング装置など、化学プラントならではのものも。

最初は手動の装置を作って使っていき、上手くいけば自動化していきたいですね。

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