JIS”フランジ”呼び圧力の使い分けを解説 バッチ系化学工場を例に 配管強度/揚程/設計圧力

フランジ呼び圧力配管

フランジ“呼び圧力の使い分けについて解説します。

種類があるものすべて、どれを使えばいいのか分かりにくい…という問題があります。

化学工場に限らず技術系の知識はたいてい種類が多いのが悩みのため。

適切に使い分けができるように、バッチ系化学工場での例を紹介します。

なお、フランジ規格はJISフランジを前提としています。

“フランジ”呼び圧力

フランジ呼び圧力とは、その配管の耐圧を示すと思っても良いでしょう。

配管や装置がどれだけの圧力に耐えることができるか?ということは設備設計や配管設計施工で効いてくる話です。

呼び圧力はフランジの耐圧強度と直結する指標です。

配管-フランジのシステムで最も弱い部分がフランジ。

だから呼び圧力が分かれば、その配管システムの耐圧が分かるという展開です。

呼び圧力の定義は理解しなくていいと思います。

例えばJIS10Kというような表現をします。

末尾のKという文字がkgf/cm2(≒0.1MPa)の単位を示していることさえ知っていれば十分です。

JIS10Kフランジなら1MPaまで耐えることができるフランジという認識ですね。

今回取り上げるのは突合せ溶接のフランジです。

フランジ

あまり意識することはないですけど。。。

JIS10K

JIS10Kフランジは、日本で最もよく使われるフランジでしょう。

バッチ系化学工場でも、もちろんJIS10Kが一番よく使います。

フランジ呼び圧力で悩んだらとりあえずJIS10Kにしておけば良いというくらい標準的です。

配管・装置いずれもJIS10Kフランジにしておくことで、配管のフランジを統一できるので設計がかんたんになるでしょう。

実は、JIS10Kの一つ弱いグレードにJIS5Kというフランジがありますが、これだと強度面で少し不安です。

ポンプの揚程が40mくらいで、密度が1.2くらいの液だと締切圧力(最大使用圧力)が500kPaくらいになることもあります。

それくらいならJIS5Kでも耐えることは耐えますが、呼び圧力と最大使用圧力がかなり近いというのは、配管設計や強度設計的には好ましくありません。

悩んだらとりあえずJIS10K

JIS5K

JIS10Kより弱い呼び圧力のJIS5Kは、特定の状況で使います。

10Kの半分の圧力である0.5MPaまで耐えるフランジという理解です。

共通するのは「使用圧力が弱い」ことと「口径が大きい」こと。

呼び圧力が大きいとフランジ厚みが厚く、フランジ重量が重たくなるので、可能なら避けたいと考えます。

特に口径が大きい方が重量に効く影響も大きいです。

使える機会があれば積極的にJIS5Kを使いたいですね。

圧力の低い大口径はJIS5K

JIS2K

JIS5Kよりも低い圧力にJIS2Kというグレードがあります。

これは450A以上に限定されるので、マンホールで使う可能性があるというくらいでしょう。

400AのマンホールだとJIS2Kは使えずJIS5Kとなるので、重量と口径のどちらを取るかというような判断を迫られます。

大口径でチャンスがあればJIS2K

JIS20K

JIS20KはJIS10Kの2倍の耐圧である、2MPaまで耐えるフランジです。

1MPa以下での使用が圧倒的なバッチ系化学工場では、2MPaである20Kフランジの出番は非常に少ないです。

  • 特定の高圧プロセスライン
  • 油圧など高圧ライン

くらいに限定されるでしょう。

高圧プロセスラインだと渦巻型ガスケットなど特殊なガスケットを使うので、印象に残りやすいです。

油圧ラインはもっと高圧になることもあるので、あえて20Kを使うということがないかもしれません。

それくらい特殊だという認識があれば良いと思います。

連続プラントのような高圧で使う機会が少ないのは、バッチ系化学工場の数少ない利点でしょうか。

特殊な高圧ラインはJIS20K

国ごとのルール

フランジは形状や寸法など一定のルールがあります。

このルールは例えば国によって違います。

日本JIS2K5K10K2K
アメリカASME150lb300lb
アメリカANSI
ドイツDIN
中国GB

ザックリこれくらいを知っていれば良いでしょう。

バッチ系化学工場ではJIS規格だけで基本的にOKです。

ASMEやANSIはアメリカの規格と思ってください。

アメリカの規格が世界スタンダートです。

日本でもアメリカの規格が使えるようにJPIという規格を定めています。

これは例えば中国などでも同じ考え方です。

アメリカ規格国家オリジナル規格かという使い分け。

異なる規格のフランジは寸法が微妙に違うので取り付けができないケースが多いでしょう。

単に寸法の話だけですが要注意です。

JIS10kなら1000kPaつまり1MPaまで使えると認識しましょう。

ASMEフランジなどのClass150はポンド単位です。lbと表記する場合もあります。

1lb=7kPa程度なので、150lb=1050kPa程度でJIS10kとほぼ同じ感覚です。

最後に

バッチ系化学工場での配管フランジ呼び圧力の使い分けについて解説しました。

99%以上はJIS10Kというくらい、JIS10Kが多いです。

大口径でJIS5Kや2Kを使ったり、高圧ラインでJIS20Kを使うことが少しあるくらいでしょう。

「とりあえずJIS10K」という理解でも良いですが、周辺知識として呼び圧力の種類は知っていても良いと思います。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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