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配管

フランジ/ねじ込み/溶接|配管接続の3つの方法

配管接続 配管
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配管の接続(pipe connect)方法についてまとめました。

化学プラントではフランジ接続が当たり前でしょ?って思っていませんか。

私もどちらかというとそう思っています。

改めて考えると、本来なら配管はいろいろな接続方法があります。

フランジ接続以外にどんな接続方法があるのか、特徴を見ていきましょう。

いざという時には役に立つ可能性があります。

配管はとても奥が深いですよ。

フランジ接続

1つ目はフランジです。

P&IDや配管図的には以下のような表記が多いでしょう。

フランジ接続(pipe connect)

メリット

フランジ接続には多くのメリットがあります。

フランジ接続のメリット
  • 取り付け・取り外しが容易
  • (ねじ込みに比べて)漏れにくい
  • (ねじ込みに比べて)耐食性の高い高級材質にも対応できる

化学プラントでは取り付け取り外しの容易さを優先して、フランジ接続を採用することが多いでしょう。

取り付け取り外しが容易とは、ねじ込みに比べた場合はボルトの締め付け力が少ないということを意味します。

化学プラントとくにバッチ系では配管の増改築が頻繁にあります。

ここで取り付け取り外しが簡単なフランジ接続は、施工性やメンテナンス性も含めて楽な方向です。

その変わり、ガスケットの取り付けが必要になります。

接続する配管同士の面がちゃんと出ていないと、フランジから漏れる可能性があります。

フランジのシール性を確保するためにも、ガスケットは必須です。

そのガスケットは耐食性やシール性に課題を持っています。

昔はアスベストを使えたのですが、現在はアスベストは使えず代替品の開発が進んでいます。

一長一短の部分があり汎用性に問題が残っていますが、使い分けて運用せざるを得ないでしょう。

フランジカバー

フランジにはフランジカバーを付ける場合があります。

フランジカバー(pipe connect)

これはフランジ接続をしたいけど、漏れをなるべく少なくしたいというちょっと贅沢な要望に対して使います。

詳細は以下のように、塩化ビニルなどの透明で2つ割のタイプが多いです。

フランジカバー詳細(pipe connect)

フランジカバーは漏れをゼロにする効果はありません。

あえてその効果を上げるとすると以下の通りです。

フランジカバーの効果
  • ガス漏れを発見しやすい
  • 雨でフランジが濡れにくい
  • 液が漏れ始めてもストッパーの機能を期待できる

過剰な効果は期待できないけど、無いよりはマシというレベルです。

費用対効果に疑問があるので、採用する場合は注意しましょう。

ねじ込み接続

フランジ接続の対抗馬としてねじ込み接続があります。

ねじ込み接続(pipe connect)

ねじ込み接続はパイプ側をおねじ・接続金具をめねじとすることが多いでしょう。

ねじ込み詳細(pipe connect)

並行ねじ・テーパねじなど組み合わせはいくつかありますが、化学プラント的にはほぼまったく気にしません。

というのも使う機会がほぼないからです。

ねじ込み接続にはフランジ接続に比べて以下のデメリットがあります。

ねじ込み接続のデメリット
  • 漏れる
  • 大口径は締め付け力が大きくなる
  • 高級材質は施工できない
  • 肉厚が薄くなる

ねじ込み接続は基本的に漏れると思って使うほうが良いです。

エアー配管や水配管などに使うのはこのあたりが背景ですね。

逆に危険物のラインには使わない方が良いです。

また、口径が大きいとねじ込む力が大きくなる点も問題です。

ねじ込み接続は、ねじの大きさは配管口径と等しいです。

フランジ接続なら、大口径でもボルトサイズは20~30mm程度でその数を増やしていくことが可能です。

高耐食性のねじ込み継手がそもそも存在しなかったり、ねじを切るという作業のためにパイプの板厚を削るという点もデメリットとして挙げられます。

逆に、フランジがない分だけ重量が軽くスペースを取らないことはメリットです。

一般にねじ込み接続をよく見かけるのはこのメリットを重視しているからでしょう。

溶接接続

溶接接続は配管同士を溶接でつないでしまう方法です。

溶接(pipe connect)

溶接接続は個人的には癖の強い接続だと思っています。

溶接接続の特徴
  • ほぼ漏れない
  • 改造がとてもしにくい

溶接接続の最大のメリットは、漏れの要素を極小化できるという点です。

フランジ接続よりも漏れのリスクは下がります。

漏らしたくない液だけど、ステンレス系の配管で対応できるという場合には溶接接続も候補になります。

腐食性の問題でグラスライニング配管などを採用せざるを得ない場合は、溶接なんてできませんね。

とはいえ、溶接が配管内までちゃんとできているか・裏波がちゃんとでているかということまで気にすると隙間腐食など割と微妙な問題を抱えます。

また、溶接接続をしてしまうと後の改造がとても大変です。

現地で配管をガス切断するには相当のリスクがあります。

そもそも現地で溶接すること自体もリスクですけど・・・。

溶接接続の配管本数はできるだけ少なくした方が良いでしょう

本当に漏らしたくないというような限定的な使い方ですね。

参考

配管に関する知識はプラントの機械系エンジニアはとても大事です。

当サイトでも特に強調している部分ですが、より効率的に習得するには書籍での勉強も効果的です。

関連記事

配管接続についてさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

最後に

配管接続の3つの方法を紹介しました。

フランジ接続・ねじ込み接続・溶接接続があります。

フランジ接続が最も多いでしょう。施工性とメンテナンス性のバランスが取れています。

使い分けるなら漏れても小口径はねじ込み、漏れたら駄目なものは溶接、でしょう。

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