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工業用水の化学プラントでの使い方

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工業用水の使い方 運転
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工業用水について解説します。

化学プラントでは大量の水を使います。

プラントで使う水がどういう用途で使われているかを知ることは、意外と軽視されがちです。

近年では水のリサイクルはどんどん話題になっていっています。

プラントに関係する人だけでなく、近隣地域に住む人も知っておきたいことですね。

水はとても大事です

工業用水の派生

本記事のまとめです。

工業用水(industrial water)の派生

河川などから引き込んだ工業用水は様々な用途に使います。このフローでもかなりの部分を省略していますが、最終的な使用用途だけを見ていきましょう。

消火用水

工業用水の主目的は消火用水でしょう。プラントの運転で火災が発生してしまったとき、大量の水で消火活動を行います。緊急事態になって初めて水を探しているようではNG。

近くの水道から水を取ろうにも、水量が圧倒的に不足しています。だからこそ、工場では水を貯め置くプールを設定しています。このプールの水は常時運転できるポンプに接続しておき、何かあったらポンプが即起動できるようにします。

なお、消防設備士の資格で登場する水噴霧消火設備や泡消火設備では、ポンプが自動起動するように定められています。

冷却水

工業用水は冷却水として使用します。

  • 液体である水は、気体よりも熱を伝えやすい
  • 液体である水は配管内を流せるので、固体よりも熱容量を確保できる
  • 水は日本では大量に確保できる
  • 水は気温と近い温度

これらの条件から、冷却水としての条件をかなり満たします。気体や固体で冷却することは、ほぼありませんね。

水として河川水を使うか海水を使うかは、場所によって変わります。大量に水を使う環境ほど、海水に頼らざるを得ません。だからこそ、化学プラントは海の近くに位置している部分があります。

工業用水を使って冷却するとは、いわゆる垂れ流し・流水の状態になります。これだと工業用水の使用量がとても多くなるので、さすがにもったいない。対策として冷却塔の循環水を使うことが多いです。

熱交換器の冷却水には循環水を使うことが今では普通ですが、古いプラントなら工業用水をそのまま使っていることもあります。早く循環水に変えましょう。渦巻ポンプのシール水などは工業用水をそのまま使うことが多いですね。冷凍機で冷やした冷水(チラー水)やブラインも工業用水から派生しています。

飲料水

工業用水は飲料水としても使用します。工業用水から飲み水を作るだけでも、専用のプロセスが必要となります。

工場で使う飲み水・上水も元は工業用水の場合があります。場所によっては市の水道を引き込むこともありますね。

個人的には会社で処理した水を口に入れたくはありません。工場で働く人の中には同意見の人が割といますが、工場外の人にこの話をすると結構驚かれますね。

製造用水

工業用水は製造用水としても使います。製造設備に対して水を使う場合は、それなりの清浄さが求められます。医薬や半導体の世界だとこの水は非常に要求が高いですが、他の業界でも一定の要求はあります。そのために専用の設備が必要となります。とはいえ、元は工業用水です。

スチーム

工業用水はスチームとしても使います。冷却側ではなく加熱側ですね。工業用水は河川水などとても汚い水です。ボイラーで使う水は純水など相当の綺麗さが求められます。

工業用水から純水を作るためには、色々な処理プロセスが必要になります。スチームに使う水も、元は工業用水ですね。スチームと工業用水を混ぜた温水も、当然工業用水から派生しています。

参考

関連記事

水は化学プラントでとても多く使います。

さらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

最後に

工業用水の化学プラントので使い方を解説しました。

水は化学プラントでとても大事です。

消火用水・冷却水・飲料水・製造用水・スチームなどに使います。

水の使用量とリサイクル量はますます大事になります。上手く使えるように設備の改善も進めたいですね。

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