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消防設備士(甲1)を化学プラントの機械エンジニアが取得すべき3つの理由

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消防設備士は化学プラントの機械系エンジニアに必須の知識です。

会社が指定する資格として、確実に入っているでしょう。

というのも法的に必要になるからです。

法的な理由以外にも、実務で必要になる知識です。

特に機械系の知識はプロセス設計に似た感覚で、システム設計に関われる数少ない場面です。

暗記が多いのは資格の常ですが、この中で習得できる考え方や検討する項目は実務でも役に立つでしょう。

消防設備士を受験べき3つの理由

まずは、機械系エンジニアが消防設備士を受験すべき理由を3つ紹介します。

消火設備の工事に必要

消防設備士の資格は消火設備の工事に必要です。

消防設備等の着工届に資格の証明書の写しが必要になります。

とはいえ難しい資格ではないので、社内外の誰かが持っていれば何とかなります。

消火設備は一度建設してしまうと、増改築なんて無いように思うかもしれません。

ですが、投資を頻繁に行うプラントなら、消火設備の改造も必要になるケースは割とあります。

法的に独占された業務で、頻度もそこそこ、という意味で消防設備士の資格は必要ですね。

化学プラントの安全対策を理解しやすくなる

消防設備士の資格を取得すると、化学プラントの安全対策を理解しやすくなります。

消火栓やスプリンクラー設備という基本の消火設備が、どういう体系で成り立っているかを知ることができます。

消火設備というと消火器だけをイメージしがちでしょう。

ところがいろいろな種類があることに気が付きます。

化学プラント的には水噴霧消火設備や泡消火設備が固定消火設備として多いでしょう。

また、消火設備がシステムとしてどういう機能を持っているかを理解することも大事です。

例えば消火栓だと、

  • 水をためるプールがあって
  • 消火栓を設置して
  • ホースがあって
  • それを人が操作して水を降らせる。

というような体系は普通は興味を持つはずがありません。

このシステムを構築するために、火を検知する火災報知機や周囲の人に知らせるベルなどの役割も知ることができます。

こういう資格の勉強をして始めて知るという人は多いでしょう。

例えば、水を貯めるプールの容量と消火設備の能力から、仮に消火設備を使ったときに発生する排水が工場内で処理できるかどうか検討しないといけません。

この実務を担当するには、消火設備の最低限の知識は必要です。

プラント設計のミニチュア版として体系だった理解ができる

消火設備はプラント設計のミニチュア版の勉強として使うことができます。

これは例えばスプリンクラー設備や水噴霧消火設備が良い例です。

  • プール
  • ポンプ
  • タンク
  • 制御機器

この辺りの体系は、実務でなかなか学びません。

というのも機械・電気・計装というような分業化が進んでいるからです。

ポンプがどうやって起動するかということを、意識しない機械エンジニアは多いです。

スプリンクラーなら

  • 火を検知して水が放出
  • 圧力低下を検知してポンプが起動

という自動制御と

  • 人がボタンを押してポンプが起動

という手動制御があることを知るのが第一です。

機器を動かすのに、手動と自働の2つがあることと、そのためにどんな構成が要求されるかという体系はプロセス機器全般に活用できます。

中小企業の方など、機械・電気・計装のすべてを1人で担当する場合は、実務でも習得できるでしょうね。

大企業でも分業制で行っていても、体系を知ることは接点業務を埋める上で必要ですし、積極的に学習していきたいですね。

これらの構成は、プラント建設のミニチュア版と考えることができます。

タンクとポンプと制御装置があれば、簡単なプラントっぽくなりますからね。

プラント建設ではこれらのユニットの複雑さが増したり、数が増えるという意味で、課題が増えていくだけで、ある程度の基本的な部分は消火設備と共通しています。

講習会の参加が必須

役に立つことがある消防設備士ですが、唯一のデメリットが講習会。

定期的に講習を受講しないといけません。

受講までの移動が面倒だったり、仕事を休まないと行けなかったり、費用が発生したり、二度と見ることのない膨大なテキストが配布されたり・・・。

5年間でたった1日の話ですが、これらに耐えないといけません。

甲1以外は受ける必要があるのか

消防設備士は6つの類に資格が分かれています。

この中でも私は甲1を機械屋には薦めています。

というのも消火栓とか水噴霧など実務と関連する機会が相対的に多いから。

甲2の泡消火設備や、甲3の二酸化炭素消火設備も使う可能性はゼロではありませんが、頻度としては劣るでしょう。

甲4以降は付帯設備的な部分になるので、実務で使う方以外は優先度を落として良いと思います(化学プラントのエンジニアとしては不要と思います)。

どれくらい優先して受験すべきか

消防設備士の資格をどれくらい優先して受験すべきか、は私もかなり悩みます。

危険物取扱者→高圧ガス甲種機械→消防設備士

くらいの優先度でしょうか。

危険物取扱者高圧ガス甲種機械を先に受験しましょう。

余裕があれば、消防設備士にチャレンジしても良いですが、1年に1つずつ受験するとしたら3年目くらいに受験することになるでしょう。

かくいう私は、1年目に消防設備士→危険物取扱者の順で受験して苦しみました。

消防設備士の勉強をいきなり行っても、実務経験の不足や設備を知らないために、理解しにくかった記憶があります。

参考

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最後に

消防設備士(甲1)の資格を化学工場の機械系エンジニアが取得すべき理由を解説しました。

法的に必要、プラントの安全対策を理解しやすくなる、プラント設計のミニチュア版

化学プラントのことを良く理解していない段階で勉強すると結構大変です。

ある程度慣れてから受験してもよさそうな感じですね。

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