化学プラントの設備管理(Equipment management)の仕事内容を紹介します。
生産技術の保全とかなり近い関係にあって分かりにくいですが、違う部署として機能を持たせた場合を考えています。
保全とのローテーション先として設置している場合もあります。
ポイントは現場にどれだけ近いかでしょう。
設備管理の仕事に興味がある方は、参考にしてください。
設備管理(Equipment management)と保全の関係
設備管理(Equipment management)と保全の関係について解説しましょう。
設備管理の仕事を解説するには、組織の関係を使うと分かりやすいです。
例えば化学プラントの設備管理と保全は以下のような関係にあります。
設備管理と保全でそれぞれ組織が違うことが分かるでしょう。
- 設備管理は製造管理の一部
- 保全は生産管理(生産技術)の一部
と違いますね。ここは大事なポイントです。
設備管理の立ち位置
設備管理の立ち位置は、設備面での製造部の窓口という位置づけが適切です。
担当プラントの設備に関する業務を全般的に行うことになります。
実務も多少は含まれますが、設備数が多くなればなるほど窓口として機能するのが設備管理です。
設備管理の仕事
設備管理の仕事の代表的なものを確認していきましょう。
現場トラブル情報の収集
設備管理者は現場トラブル情報の収集を行います。
現場オペレータが使用している間に劣化したり、パトロールで劣化を発見したら、設備管理者に報告が行きます。
設備管理者自身もパトロールをしますが、24時間365日確認できるわけではないので、オペレータからの情報は大事です。
単に壊れたという情報だけを聞いて、交換するだけのパターンが多いでしょう。
できる設備管理者は、その設備の使い方をオペレータにヒアリングして、なぜ壊れたかを推測したり対策を考えようとしたりします。
保全への依頼
設備管理者は保全への修理依頼をします。
保全が製造管理の中に所属しているなど、設備管理と保全で同じ機能を持たせている場合はここは省略されます。
プラントの規模が大きくなると、現場側の対応をする製造管理の設備管理と、プラント全体を考える生産技術の保全とに分けます。
設備管理から保全に依頼したら、修理対応が来るのを待ちます。
保全からの修理予定日などを製造管理部の中で周知するのも、設備管理の役目。窓口そのものです。
施工会社との現場調整
設備管理者は施工会社との現場調整を行います。
保全が施工会社に依頼して日程を決めたとしても、当日の具体的な時間や安全対策などは設備管理者が持っている情報です。
タイムリーな情報共有が必要なので、製造と施工会社の調整役として設備管理は仕事をします。
設備の使い方をオペレータから聞いて把握している設備管理者ほど、現場での調整をスムーズにしてくれます。
この部分だけを取ると、保全は、製造管理から来た依頼を施工会社に依頼してその後の事務手続きをする役割と言ってもいいでしょう。
コミュニケーションが大事
設備管理はコミュニケーションが大事です。
- 製造管理者への報告
- 製造オペレータからの情報抽出
- 保全への依頼
- 施工会社との現場調整
事務所での仕事よりは、現場でのコミュニケーションが大事です。
もちろん口頭だけでのやり取りだといけませんので、パソコンを使った簡単なドキュメントの作成もします。
割合的には日常の仕事の7~8割が現場で、残りが事務仕事といった感じでしょう。
機械のバックグランドがあればいい
入社前に設備管理者に求められる資格はあまりありません。
あえて言うと、機械系の高校や高専を卒業した人が強いです。
化学プラントの設備を入社前に知っている志望者がいるわけでありません。
古い設備が多いので最新の知識がなくても入社後にカバーできます。
機械の知識が最も数が多いので、現場で勉強する量は下がるでしょう。
電気や計装の知識があって機械の知識がない人でも、現場で十分習得できます。
機械の知識があった方が相対的に有利という感じですね。
資格試験も入社してからいっぱいチャレンジできます。
機電系エンジニアと同じような感じですね。
生産技術とのローテーション
設備管理者は生産技術の保全とローテーションしやすいです。
今回のケースでは、以下のような感じで区分しました。
設備管理 現場サイドの保全、現場の窓口(世間一般に言われる保全)
生産技術 事務所サイドの保全、社外との窓口
現場の考え方を知りやすいのが設備管理者であって、生産技術にいると現場の考え方を身に付ける機会が少なくなるので、ローテーションはかなり有効な方法だと思います。
入社したときに、設備管理なのか生産技術なのか選択をする会社もあることでしょう。
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最後に
化学プラントの設備管理の仕事を簡単に紹介しました。
製造管理の窓口として設備管理は位置付けられ、現場トラブルの収集や生産技術(保全)への依頼、現場での施工会社との調整などを行います。
コミュニケーションが大事になる仕事です。
機械の知識を持った人ほど、設備管理の仕事にスムーズに入っていけるでしょう。
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